【例文付】ビジネスメールの返信マナーや書き方を解説
ビジネスメールへ返信する場合のマナーや注意点から、書き方のポイントを解説します。取引先や上司、お客様など、誰に返信するかによっても返信の内容は変わってきます。シチュエーションや相手別の例文もご紹介していますのでご参考ください。
目次
ビジネスメール返信の4つの基本マナー
ビジネスメールに返信する際、社会人なら知っておくべきマナーがあります。押さえておきたい基本の4つのポイントを確認しておきましょう。
受け取ってから24時間以内の返信を心がける
ビジネスメールの返信は、基本的には当日中に行うのが理想です。しかし、外出や休暇などの関係で難しい場合もあるので、遅くともメールを確認してから24時間以内の返信を心がけましょう。
どうしても返信の時間が取れそうになくレスポンスに時間を要するのであれば、返信が遅くなりそうな旨をメールで送信しておきましょう。その際、「なぜ返信が遅れるのか」「具体的な返信はいつ頃の予定か」を書き添えておくと丁寧です。
誤字脱字に気をつける
返信メールに限らず、ビジネスメールでは誤字脱字には気を付けましょう。
誤字脱字が多いとだらしない印象を受けることもあります。送信前には必ず誤字脱字がないかをチェックしましょう。
「Re:」は残したままにする
送られてきたメールに返信すると「Re:」という表記がタイトルに付加されますが、消さずにそのままの状態で返信しましょう。
「Re:」が残っていると相手が受け取ったときに返信メールであることがひと目で分かると同時に、それまでのやり取りをスムーズに把握できるというメリットがあります。途中でメールの議題が変わった場合を除いて、そのままの件名でやり取りを続けることが大切です。
ただし、何度もやり取りが続いて「Re:」が重なってしまうと、元の件名が分からなくなりひと目でやり取りの内容を把握できなくなってしまいます。やり取りが続いて「Re:」が多くなった場合、1つだけ残して他のRe:は削除しましょう。
CCのときは返信しない
「TO」に自分が設定されている場合は、「あなたに読んでもらいたいメールです」という意思表示をされていることになります。
しかし、「CC」に自分のメールアドレスが表示されているなら基本的には「目を通してもらいたい内容なので同時に送信している」という意味合いであり、返信の必要はありません。ただし、自分が返信しなければならない内容の場合は返信した方が良いケースもあります。
返信が必要か否かを判断するポイント
受信したビジネスメールに返信する必要があるのか迷った場合は、次の6つのポイントを参考に判断するとよいでしょう。
受け取ったメールには必ず返信するのが基本
取引先から受け取ったメールだけでなく、社内の上司や同僚などから受信したメールにも必ず返信しましょう。「重要な内容ではなさそうだから放っておこう」と自己判断するのではなく、メールが間違いなく自分のもとに届いており、内容を把握した旨を伝えることが重要です。
詳細に返信する必要がなさそうなメールであっても、時間を割いてメールを送信してくれたことへの感謝を伝える姿勢を忘れないことが大切になります。
ただし、前述のように「CC」に含まれているケースなど、返信の必要がないメールも一部あります。送り主に負担をかけないように、返信しなければならないメールにのみ返事を出すように意識しましょう。
関連記事はこちら新人社員は要チェック!ビジネスメールのマナーと注意点
最初に送信した側がメールを終わらせる
メールのやり取りは、最初に送信した側が終わらせるのが原則とされています。自分が最初にメールを差し出したのであれば、「用件を記述した自分からのメール→相手からの返信→確認やお礼の旨を記述した自分からのメール」などの流れで終わらせるとスマートです。
定型文への返信は不要
受信したメールに定型文が含まれているケースは少なくありませんが、定型文で締められているメールには「これでやり取りを終わらせます」という意図が含まれていることから、基本的に返信する必要はないとされています。
例えば「何か気になる点などがございましたら、お気軽にご連絡ください」「今後とも何卒よろしくお願いいたします」「何かございましたら、改めてご連絡を差し上げます」などの表現は、送信者がやり取りを終わらせる意図で記述していると考えられます。これらの定型文へ返信するとメールを終わらせるタイミングがなくなってしまうため、返信せずにやり取りを終了させましょう。
お礼メールへの返信は必要?
自分が送ったメールに対して相手から内容の返信があったときは自分から回答へのお礼メールを送信して終了し、相手から送られてきたメールに対して自分が返信した際にお礼メールが返ってきていれば、それ以上返信しなくても構わないケースが多いでしょう。
CCに返信したいときは一言添える
ビジネスメールにおいて「CC」を指定したやり取りはよく行われます。
前述の通り、自分のアドレスがCCに設定されているときは基本的に返信不要ですが、内容次第では返信が必要になる場面もあるでしょう。
自分がCCに指定されているメールに対して返信すること自体は、ルール違反ではありません。しかし送信者の視点からすると「本来返信を求めている相手からの返信」ではないため、「CCですが返信失礼いたします」などの断りの一文を添えて送信することをおすすめします。
返信不要でも返信した方が丁寧な場合もある
「返信不要です」とメールの本文に書かれている場合がありますが、上司や取引先が相手のメールであれば返信しておいた方が丁寧な印象をもたれます。「返信は必要ありません」という意思表示ではありますが、「返信するのはマナー違反」というわけではないので、必要に応じて判断しましょう。
返信メール作成時の注意点
ビジネスメールに返信するときは、次の8つの書き方に注意しましょう。
共通の形を守る
ビジネス上やり取りするメールにはある程度決まった「テンプレート」が存在します。共通の形を守って送ることで、相手に読みやすいメールを送ることができます。
関連記事はこちらビジネスメールの注意点とは?すぐに使えるテンプレートを活用しよう
関連記事はこちらビジネスメールの書き方とマナー【例文あり】
宛名には敬称をつける
企業や団体名は正式名称で記載し、名前の後には「様」をつけるようにしましょう。また役職者の場合は、名前の前に役職名をつけたり、様の代わりに役職名を使用することもあります。
関連記事はこちらビジネスメールの宛名の書き方や注意点をシチュエーション別に解説
挨拶文を忘れずに
社内外問わず、冒頭は挨拶と自分が誰かを名乗るようにしましょう。
誰に送るかによって表現が異なりますので、以下を参考にしてみてください。
- すでに何度かやり取りのある取引先などの場合
「いつもお世話になっております。〇〇株式会社の△△です。」 - 初めての連絡する相手の場合
「突然の連絡失礼いたします。〇〇株式会社の△△と申します。」 - 社内の場合
「お疲れ様です。〇〇部の△△です。」
用件は簡潔にまとめる
長いメールは読みにくいだけでなく、用件を理解するのに時間がかかってしまいます。伝えたい内容はできるだけ簡潔にまとめて、わかりやすいメールを作成するようにしましょう。
簡潔にしようと、必要な内容まで省いてしまうこともあります。伝えたい内容が網羅できているか、相手が内容を理解する上で必要な情報が書かれているかを確認するようにしましょう。
文末には結びや締めの言葉を入れる
文末には、結びや締めの言葉を忘れずに入れましょう。
やり取りを終わらせる場合は、
- 今後とも、どうぞよろしくお願いいたします。
- ご不明点などございましたら、お気軽にお問い合わせください。
といった表現を活用します。
相手に何か依頼している場合は、
- お忙しいところ恐れ入りますが、ご確認のほどよろしくお願いいたします。
のような表現を入れておくと良いでしょう。
署名等は必ず挿入する
ビジネスメールを送信する場合は、社名、自分の名前、所属部署、電話番号、メールアドレスなどの情報が含まれた「署名」を必ず挿入しましょう。署名が挿入されていれば、受信者は「どのような人から送られてきたメールなのか」をひと目で把握できます。
毎回作成するのは面倒なので、テンプレート登録しておくと便利です。ラクスが提供するメールサービスでは、テンプレート機能を実装しております。ぜひご興味のある方は以下より詳細をご確認ください。
■1つのアドレスをチームで共有・管理している方におすすめのツール
メール共有・管理システム「メールディーラー」の詳細はこちら
■メルマガ配信や一斉送信をしている方におすすめのツール
メールマーケティングサービス「配配メール」の詳細はこちら
関連記事はこちらメールの署名デザインテンプレート15選!作成から設定方法も詳しく紹介
引用を積極的に活用する
メールを返信する際は相手から送られてきたメールの本文を引用して返答することで、会話の内容が分かりやすくなります。「>」記号を文頭に入力することで引用表示ができるので、積極的に活用しましょう。
関連記事はこちらメールの「インライン」とは?ビジネスメールでの正しい使い方を解説
ビジネスにふさわしくない表現は避ける
絵文字や顔文字などの砕けた表現はビジネスメールにおいては基本的にNGです。また、敬称や敬語の使い方などにも十分注意しましょう。ただし仲の良い同僚とのやり取りや、気さくなやり取りを売りにしている企業ではあえて砕けた表現を用いて対応するケースもあります。
好印象を与えるビジネスメールテクニック
ビジネスメールでは、ちょっとした工夫で相手によい印象を与えることができます。ここでは4つのテクニックを紹介します。
読みやすいレイアウト
1行は20~30文字程度で改行し、意味のまとまりごとに空白の行を入れましょう。レイアウトを工夫することで読みやすいメールになります。箇条書きや記号の活用も有効です。
提案を断るときの表現
相手からの提案を断る際は、特に慎重に表現を選ぶ必要があります。「できません」「無理です」などのネガティブなイメージを与える内容ではなく、「恐れ入りますが」「せっかくですが」などの柔らかい表現を用いて全体の印象を和らげたやり取りを心がけましょう。
返信を急いでほしいときのポイント
急いで返信してほしい場合は、「いつまでに返信がほしいか」「返信を急ぐ理由」を記載しておくと良いでしょう。期限だけを記載すると高圧的な印象を受ける場合もあるので、理由も一緒に添えることをおすすめします。
また、返信の催促メールを送る場合は、送信前に「相手にメールをきちんと送信しているか」「返信を見逃していないか」を確認しましょう。メールを送ったつもりで未送信のままになっていたり、返信が迷惑メールとして処理されていたりするケースがあるからです。
返信を催促する際は、「いつメールを送信したのか」「どの用件についてなのか」を本文に明記します。当日中に返信してもらえるように、午前中に送信するのがおすすめです。
関連記事はこちら催促メールはいつ送る?理想のタイミングと例文を紹介
自動返信メールで対応スピード向上
カスタマーサポートなどで顧客にメールで返信する際は、「自動返信メール」を準備しておくとスムーズかつ簡単に返信できます。自動返信メールはあらかじめ決めておいた文章を自動的に送信してくれる機能で、問い合わせフォームから連絡があったときや新規会員登録の申請があったときなどに利用可能です。
素早いレスポンスがあると企業に良いイメージを抱く顧客は多いので、まずは一報を入れる意味で自動返信メールを設定しておくと良いでしょう。詳しい回答が必要であれば「後日、改めて連絡します」と一言添えておくと親切です。
関連記事はこちら【テンプレート付き】自動応答(自動返信メール)の活用ポイントと注意点
関連記事はこちらビジネスメールにおける「夜分遅くに失礼します」の使い方とマナー【例文あり】
ビジネスメールへ返信する際の例文
最後に、ビジネスメールへ返信する際に使える例文をご紹介します。
日程調整:取引先からの日程候補に回答
件名:Re:〇〇導入に関するミーティングの打ち合わせ
〇〇株式会社
企画部 ◯◯様
いつも大変お世話になっております。
株式会社△△の鈴木です。
表題の件、日程調整にご尽力いただき誠にありがとうございます。
「◯月◯日(×曜日)10時〜」
以上の日程でしたら、貴社へお伺いできます。
お手数ですが、ご確認のほどよろしくお願いいたします。
日程調整:取引先に日程変更を依頼
件名:Re:〇〇導入に関するミーティングの打ち合わせ
〇〇株式会社
企画部 ◯◯様
いつも大変お世話になっております。
株式会社△△の鈴木です。
◯月◯日(×曜日)10時に開始を予定していたお打ち合わせについて、
急な出張が入ってしまい、大変申し訳ございませんが再度調整させていただきたく、
ご連絡差し上げました。
以下にいくつか候補日を挙げさせていただきましたので、
ご都合の良いお日にちをご教示いただけますと幸いです。
◯月◯日(×曜日)△時〜△時
◯月◯日(×曜日)△時〜△時
◯月◯日(×曜日)△時〜△時
お忙しいところ恐れ入りますが、ご確認のほどよろしくお願いいたします。
退職・担当変更:取引先からの連絡に返信
件名:Re: 退職のお知らせ
〇〇株式会社
企画部 ◯◯様
いつも大変お世話になっております。
株式会社△△の鈴木です。
お忙しいところ、退職のご連絡をいただき、ありがとうございます。
◯◯様には、製品導入から運用にいたるまで、サポートいただき、
大変お世話になりました。
突然のご報告に非常に残念な思いではありますが、
これまでのお力添えに深く感謝いたします。
新天地でも〇〇様のご活躍をお祈りしております。
またご縁がありましたら、何卒よろしくお願い申し上げます。
社内連絡:上司への返信
件名:Re:〇〇様へのアポイントの件
〇〇課長
お疲れ様です。
アポイントの件、承知いたしました。
当日、資料を準備して13時には応接室へ向かいます。
ご連絡を頂戴しありがとうございました。
問い合わせ:お客様への自動返信メール
件名:【資料請求】問い合わせ受付のお知らせ
※このメールは自動送信です。直接返信することはできません。
この度は、当社へ資料請求のお問い合わせをいただき誠にありがとうございます。
後日、担当者より改めてご連絡を差し上げます。
-----お問い合わせ内容-----
お名前:鈴木 二郎 様
日時:○○年○月○日 ○○時○○分
内容:○○の資料 2部
まとめ
ビジネスメールに返信する際は、基本的なマナーを守って定型文に沿った形で返信しましょう。催促やお願いなどの相手への行動を促すメールは特に慎重な姿勢で、できるだけ柔らかい表現を心がけることが大切です。
メールを送る相手や用件に応じて内容を上手く使い分けて、シチュエーションに合った文面の作成ができるように、一般的なビジネスメールの形を押さえておくことをおすすめします。
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