マンダラチャートとは?メリットや具体的な書き方について解説
マンダラチャートとは、野球で活躍する大谷翔平選手も活用したことで知られる「目標を達成するための81マスのツール」です。今回はマンダラチャートのメリットや、具体的な書き方のポイントなどについてご紹介します。
目次
マンダラチャートとは
マンダラチャートは目標を達成するために活用するツールのひとつで、9×9の全81マスから成ります。81マスの中心となる1マスに最終的に達成しようとしている目標を記入し、その周辺の8マスに目標を達成するためになくてはならない要素や、達成のためのアイディアを書き込んで完成させていきます。
マンダラチャートを活用することによって「目標を達成するためには何が必要なのか」「どのようなステップを踏んでいく必要があるのか」が可視化されます。より効率的に目標への道のりを進んでいけるようになり、目標達成へと一歩近づくでしょう。
加えて、マンダラチャートを完成させる過程でさまざまなアイディアが生まれることもあります。これまで思いつかなかったアイディアを活用することで、さらに目標までの道のりを短縮できる可能性もあります。
マンダラチャートの「マンダラ」という言葉は、仏教のなかで登場する「曼荼羅模様」という仏教の世界をわかりやすく表現した図が由来となっています。
マンダラチャートは個人が目標を達成するために作成するだけでなく、企業がビジネスを発展させたり、自社の問題点を見つけ出したりするために活用するケースも数多くあります。
マンダラチャートのメリット
マンダラチャートを活用するメリットには、主に次の3つがあります。
アイディアが豊富に浮かぶ
前述のとおりマンダラチャートは全81マスで構成されており、この81マスの要素を埋めていく過程で多くのアイディアが浮かびます。目標に対してどのような要素が必要になるのかを考えていくうちに自分のなかの思考が整理されて、新たなアイディアが生まれやすくなるということです。
最初に設定した目標を達成するために必要な8個の要素を埋めた後、さらにその8個の要素に対して重要な要素を書き込んでいく必要があるマンダラチャートは、知恵を振り絞らなければ全てのマスが埋まらない場合もあるでしょう。
これまでの自身の経験を振り返りながら、「目標を達成するためには何が必要なのか?」を順を追って考えることが大切です。
目標への行動を可視化できる
例えば単に「売上を向上させたい」という目標をもっていたとしても、具体的にどのような行動をとれば目標を達成できるのかがわからなければ目標を達成することは難しいといえます。
マンダラチャートによって「目標を達成するためには何が必要なのか」を可視化できれば、目標に向かって日々取り組まなければならない行動が明確になり、的確かつ効率的に業務を進めることが可能になるでしょう。
一人でも取り組める
マンダラチャートは企業や組織全体で取り組むこともできますが、一人でも取り組めるという点もメリットのひとつです。
例えば「受注を〇件獲得する」という営業目標を個人的に設定した場合にマンダラチャートを活用すれば、自身が目標の受注件数を獲得するためにはどのような行動をとらなければならないのかを整理できます。
具体的には「売上が伸び悩んでいるため自分に足りない要素を洗い出したい」「受注件数を伸ばしたいと思っているものの何をすれば良いのかが見えてこない」など、行き詰まっているときにマンダラチャートを活用してみると新たなアイディアが浮かんでくるかもしれません。
マンダラチャートの書き方3ステップ
マンダラチャートの概要やメリットについてお伝えしたところで、具体的にどのように書き進めていけば良いのかを3つのステップでご紹介します。
9×9のマスの中央に目標を書く
前述のマンダラチャートの概要でも軽く触れましたが、まずは9×9から成り立っている全81マスの中央部分に最終的に達成したい目標を書き入れます。ビジネスなら、例えば「売上を前年比1.5倍にする」「問い合わせ件数を〇件獲得する」などの内容が挙げられるでしょう。
マンダラチャートに限らず、目標はできるだけ定量的な数値で設定することが大切です。
「売上を向上させる」だけでは具体的にどの程度向上させるのかがはっきりせず、例えば組織のなかで「Aさんは前年比2倍を想定していたものの、Bさんは1.5倍だと思っていた」といった齟齬が起きやすくなるためです。
中央から1マス離れた8マスに目標を達成するための要素を書き入れる
中央に目標を書き入れたら、中央から1マス離れた8マスに目標を達成するための要素を書き入れましょう。
例えば「売上を前年比1.5倍に向上させる」という目標を設定した場合、「広告費用を増やす」「SNSの運用を始める」「キャンペーンを展開する」などの要素やアイディアを周囲の8マスに書き入れることが想定されます。
8つの要素の周りに行動目標を記入する
目標を設定するための8つの要素を記入できたら、その8つの要素の周りに具体的にどのような行動を起こしていくのかを記入します。
例えば前述の「SNSの運用を始める」という要素を例に挙げると、周囲の8つの要素としては「Twitterアカウントを開設する」「キャンペーンのお知らせをSNSで発信する」「1日1回更新する」「〇ヶ月でフォロワー〇人を目指す」などの行動目標が考えられます。
8つの要素それぞれに対して行動目標を記入していくと最終的に81マス全てが埋まり、マンダラチャートが完成します。
マンダラチャートを作成する際のポイント
「マンダラチャートを作成してみたいけど、ハードルが高い」とお考えの方も多いのではないでしょうか。ここでは、マンダラチャートを作成するヒントとなる3つのポイントについてご紹介します。
最初から全てのマスを埋める必要はない
マンダラチャートは81マスから構成されるとお伝えしましたが、最初から全てのマスを埋める必要はありません。
「全部のマスを埋めなければ」と考えるあまりマンダラチャートを始められずにいるのであれば、まずは目標と目標を達成するために思いつくアイディアを部分的に書き出してみて、できるところから取り組んでいくという方法もおすすめです。
思いついた段階で新たな要素や行動目標を追加していけば、自然とマンダラチャートが埋まっていくこともあるでしょう。最初から完璧な状態を目指すのではなく、まずは取り組んでみることで具体的な要素が思い浮かぶ可能性もあります。
定量的な要素を設定し、期限を決める
目標や要素は定量的に設定することが大切だと前述しましたが、それぞれの要素や行動目標を達成する期限を決めることも重要です。最終的な目標をいつまでに達成したいのかが明確になっていれば、周囲に書き込んだ要素や行動目標の期限も決めやすいでしょう。
目標を達成する期限が決まっていないと「いつまでにどのような行動をとらなければならないのか」が曖昧になりやすいことから具体的なアクションが見えず、最終的に目標を達成できなくなるおそれがあるため注意が必要です。
テーマ別にマンダラチャートを作る
複数の目標がある場合は、テーマ別にマンダラチャートを作るのもおすすめです。
例えば「問い合わせ件数を〇件に増やす」「売上を前年比1.5倍にする」という2つの目標は、それぞれ達成するために異なる要素や行動が必要といえるでしょう。
注テーマによって別々のマンダラチャートを作成することで、より目標に向かって効果的な行動をとることができるようになると考えられます。
まとめ
81マスで構成されるマンダラチャートは、目標達成へのアイディアを出すために非常に効果的な手法のひとつです。組織でも個人でも活用できるため、さまざまなシーンで取り組んでみると良いでしょう。
マンダラチャートを作成する際は、「まずは取り組んでみる」ことも大切です。なぜマンダラチャート作成するのか、という目的を念頭におき、埋められるマスから記入してみることをおすすめします。