コンテンツマーケティングとは?効果はあるの?概念や実施方法までを徹底解説!
今回の記事では、コンテンツマーケティングのことを知らない人から、聞いたことはあるが具体的な施策方法がイメージしづらい人に向けて、分かりやすく網羅的に解説していきます。
企業が自社サービスを売るために、潜在顧客を集客したあと、定期的なメールや電話での情報提供をしながら温度感を高め、購入へと繋げていく一連の流れは、どのようなサービスにおいても求められるものでしょう。
コンテンツマーケティングを実践しようとしている方は是非参考にしてみてください。
目次
コンテンツマーケティングとは
コンテンツマーケティングとは、 「顧客にとって魅力的なコンテンツを発信し、自社を認知してもらい、中長期的にコミュニケーションすることで、購入へ繋げるマーケティング手法」のことを指します。
実際に、戸建住宅の建築会社が行う施策をもとに考えていきましょう。用意するコンテンツのターゲット像は、賃貸とマイホームのどちらにするか悩んでいるような人です。
ネット上で賃貸とマイホームのどちらが良いか調べていると、それぞれのメリット・デメリットをその利用者にインタビューしながら丁寧に紹介されている記事が見つかります。
マイホームを購入した家族の事例を見てみたところ、自分達と似た境遇や考え方であることから、マイホームを本格的に検討し始め、同じメディア上にある記事を読み込んでみたり、気軽に内見できるとのことで実際に内見してみたりするようになりました。
このような形で、顧客にとって有益かつ魅力的なコンテンツを配信することで、悩みを抱えた顧客が自社サービスの認知から検討、購入まで進むようになる可能性が高くなります。
今回の場合は、BtoC(消費者向け)のWEB上の記事でしたが、BtoB(法人向け)のサービスでも応用できますし、顧客にとって適切なタイミングで魅力的なコンテンツを伝えられれば、施策を行うチャネルは何でも構いません。InstagramなどのSNSや、登録してもらっているメルマガなど、様々な媒体を通して顧客が欲する情報を発信することがコンテンツマーケティングです。
また、有益な情報を発信している会社のことは、顧客から信頼してもらいやすくなるため、良いコンテンツを作ることがとても大切です。
コンテンツマーケティングが広まった背景
コンテンツマーケティングが広まった背景として、購買活動の変化が2つ挙げられます。
広告やプロモーション慣れ
この記事を見ている方の中にも、YouTubeなどで広告をスキップしたり、広告が無い有料プランの加入を検討したりする方がいらっしゃるのではないでしょうか。SNSやWEB上で様々な広告が表示されるようになり、消費者自体も広告やプロモーションを見慣れてきており、興味のないものは基本的にスルーするなど、ほとんどの顧客は広告の内容をしっかり見ていないでしょう。
一方、コンテンツマーケティングは顧客が知りたい情報を提供するため、自ら進んで情報を吸収してもらえるようになります。見てもらうために一定の工夫は必要ですが、広告を顧客に配信するだけではなく、コンテンツを顧客に見に来てもらうマーケティング手法を企業は取り入れるようになりました。
購買前の情報収集
また、購買方法が変化したことも広まった理由の1つです。
現代では、商品を購入する前に、WEB上で商品について検索し情報収集をすることが当たり前となりました。これは法人についても同様で、従来までは商談時に営業担当者から直接情報を入手していました。簡単に情報が手に入るようになった今では、事前にネット上で情報収集し、購入前に検討しています。
このような理由から、従来の広告だけでなく、いつか自社サービスを購入してくれるような潜在顧客が知りたい情報を、WEB上でしっかりと届けるマーケティング手法を行うようになってきています。
コンテンツマーケティングのメリット・デメリット
次に、コンテンツマーケティングのメリットとデメリットを紹介していきます。
メリット
コンテンツマーケティングのメリットは下記の通りです。
- 潜在顧客にもアプローチができる
- コンテンツが資産となる
- 低コストで始められる
一つずつ具体的に解説していきます。
潜在顧客にもアプローチができる
コンテンツマーケティングでは、潜在顧客に対してアプローチができることが最大の強みでありメリットとなります。潜在顧客とは、いわば見込み客になる可能性のある人たちのことで、まだ課題やニーズに自分で気づいていない状態の人を指します。
例えば、「インテリア おしゃれ」などと検索してみると、LOWYAやディノスなどの雑貨やインテリアを抱えているページが上位にあげられているのが分かります。なんとなくインテリアを欲しいと検索してみると、具体的な照明のインテリアを目にして「オシャレな照明が欲しかったんだ」といった形でニーズを引き上げることができます。
このように、自社サービスが販売している商材キーワードよりも、少し広げたキーワードを想定してコンテンツを作成することも一般的です。
コンテンツが資産となる
オウンドメディア上の記事や、SNS上での動画や画像などのコンテンツは、一度作成すればWEB上に残り続けるため資産になります。
読者にとって欲しい情報を届けられている場合は、SNSなどではエンゲージメントを獲得できて表示が増えたり、Google検索されたときに上位に表示されたりします。これを、広告とは違いランニングコスト無しで顧客からのPV数を獲得することができます。
また、自社のメルマガで、以前作成した記事のURLを送付するなど、違う方法で同じコンテンツを再利用することも可能でしょう。
このように良いコンテンツを作成できれば、資産として有効活用することができます。
低コストで始められる
また、広告と異なり低コストで始めることができるのもメリットと言えます。
WEB上で広告を配信するためには、クリエイティブの制作費や運用する広告費が必要です。さらに、広告費をかけたとしても、獲得がなかなかできなかったり費用対効果が合わなかったりする事態に陥ることもあります。
コンテンツマーケティングでは、広告と同じようにコンテンツを作成する費用は発生しますが、メルマガやWEBの記事などのような文章のライティングがメインであり、デザインやコーディングなどはほとんどかからないため、かかるコストは比較的低く抑えられます。
また自社でコンテンツを作成する余裕があれば、製作費もかかりません。
また、先ほどもご紹介しましたが、広告費のようなランニングコストが発生しないことも低コストで始められる理由として挙げられます。
デメリット
では、デメリットはどのようなものがあるのでしょうか。
短期的な効果は得られにくい
まず、短期的な効果は得られにくいことが挙げられます。
作成したてのWEBページや、Instagramアカウントなどは、情報がまだ多く溜まっていないことから、顧客から有益な情報源でないと判断されてしまう恐れがありますし、そもそも顧客にそのサイトやアカウントへアクセスしてもらうための取り組みには、定期的に質の高い情報を発信する必要があります。そのため、すぐにリーチが広がる広告と比較すると即効性があるとは言えません。
低コストで始められるとはいえ、すぐに費用を回収できるわけではないことを理解しておく必要があります。
継続的な発信が必要となる
低コストで実施できますが、その分継続的な発信が必要となるのもデメリットと言えます。
更新が途絶えているWEBページ・SNSアカウントよりも、新しい情報を発信し続けている方が顧客にとって魅力的ですし、信頼できる媒体と認識されやすいです。
また、先ほども説明したように一回で顧客のニーズを踏まえたコンテンツを発信することは難しく、何度もブラッシュアップしていくことが求められます。WEB上で顧客からの反応数(エンゲージメント数)やコンバージョン数なども計測できるため、どのようなコンテンツが良いのかを分析して改善していくことで、魅力的なコンテンツとなり効果を発揮するようになります。
そのため、短期的にコンテンツを発信して終わりではなく、中長期的な視点を前提にしながら、継続的に発信したり改善したりする必要があります。
社内外へと協力してもらう必要がある
顧客にとって魅力的なコンテンツを発信するためには、マーケティング担当者・コンテンツ作成者の知見だけでは足りない領域も発生してくる可能性があります。また、実際にコンテンツを作成するための工数を確保することも必要です。
その際は、社内にいる社員に協力を煽いで、記事やコンテンツの作成を手伝ってもらう必要があります。また、社内にリソースが無い場合は、社外にコンテンツ作成を依頼したり、必要に応じて知見のある方にインタビューをしたりして、顧客が求めるコンテンツを作成していきます。
コンテンツマーケティングの実施方法
コンテンツマーケティングの概念やメリット・デメリットが分かったところで、次は実施方法についても解説していきます。
ペルソナを設定する
ペルソナを作成することがコンテンツマーケティングを実施する第一歩です。
ペルソナとは、自社のターゲットとなりうる架空の人物を作成することを指します。その人がどんなことを趣味としていて、どこに住んでいるのかなどといった詳細までを明確にすることで、次に考えるカスタマージャーニーを作成しやすくなります。
ペルソナの設定方法については以下の記事で詳しく説明しているので、ぜひご覧ください。
関連記事はこちらペルソナ作成方法とその重要性について解説
カスタマージャーニーを作成する
ペルソナを作成した上で、カスタマージャーニーを作成するとより良いコンテンツを作成することができます。
カスタマージャーニーとは、ペルソナの動きを時系列で見える化したもので、直訳すると「顧客の旅」です。つまり認知から比較検討、自社サービスの購入に至るまでに、どんな悩みがあるのか、どんなニーズがあるのかを具体的にすることです。
自社サービスを購入する人が、どの部分で何に悩んでいるのかをユーザーインタビューなどを行って想定することで、その時々にどんな情報を提供すればよいのかが明らかになっていきます。
顧客の悩みを解決できるコンテンツは、顧客が喜んでくれるコンテンツです。ユーザーの悩みが具体的になればなるほど、コンテンツを作る方針が明確になりますし、良いものを作れるようになるでしょう。
顧客にとって必要な情報を届けるためにカスタマージャーニーは必要な過程のため、作成することをおすすめします。
関連記事はこちらカスタマージャーニーとは?定義やマップの作り方まで徹底解説
コンテンツを作成する
ペルソナが悩むことやニーズをカスタマージャーニーで明確にした後は、実際にコンテンツを作成します。
- コンテンツの目的は何か(セミナーへの誘導など)
- コンテンツの内容は何か(ペルソナが抱える○○の課題に回答するなど)
- 何の媒体で発信するのか(Instagram、自社HP、YouTubeなど)
上記を定めながら、どのくらいの頻度でコンテンツを発信していくのかを、スケジュール管理しつつ進めます。
発信したコンテンツの結果を確認しつつ、他社で上手くいっている事例を取り入れるなどして改善しながら、コンテンツをブラッシュアップさせるとより良いコンテンツが作成できると言えます。
コンテンツマーケティングを使った施策フロー
コンテンツを発信するまでの流れが把握できたところで、認知を集めた後、どのようなマーケティングフローを構築すべきかご紹介します。
下記の場合は、主にBtoB(法人向け)のサービスで行う施策フローとなっていますが、BtoC(消費者向け)でも本質は同じであり、考える観点もほとんど同じです。
自社メディア上で有益なコンテンツを発信しPV数を増やす
まずは、顧客が抱えている課題を解決できることやニーズがあることをコンテンツにして、PV数を増やすことが重要です。
顧客にとって有益なコンテンツを配信するためには、先ほどご紹介したペルソナを作成して、カスタマージャーニーを描く中で、顧客が必要としているコンテンツを継続的に作成していく必要があります。
例えば、Google検索だと上位1-3位で表示されるのか、10-20位で表示されるのかでPV数は全く異なります。上位に表示されるようになればPV数が増えるため、それだけ見込み客になりうる数が増えることを表します。
そのため、継続的にブラッシュアップしながら有益なコンテンツを発信する必要があります。
潜在顧客を見込み客にする
次に、自社メディアに集まった潜在顧客を見込み客へと引き上げる動きです。
ただコンテンツを見てもらえるだけではなく、実際に購入したい商品の名前やそのメリットや情報を提示してあげることで、潜在顧客の頭の中にあった漠然とした悩みがサービスで解決できることが分かります。
例えば、コンテンツを発信しているWEBページ内で、自社サービスで解決できることや、実際に利用している会社の事例などを説明するようなことです。
また、名前やメールアドレスを入力してもらうことで、コンテンツで記載しきれなかった有益な情報をセミナーや資料として提供するような施策もあります。
これにより、今まで自社サービスを知らなかった顧客のメールアドレスを獲得できるので、メルマガを送って自社のサービスをもっと知ってもらって検討を進めてもらうステップに移行できます。
見込み客に対してメルマガなどで丁寧にフォローする
潜在顧客を見込み客の状態へと引き上げることができても、すぐに自社のサービスを購入につながるわけではありません。
まだ検討段階であったり、他のサービスを検討したりしている可能性も考えられます。また、時間が経つにつれ、顧客の検討状況や温度感も大きく変わっていくはずです。
顧客の状況に応じて、適切な情報を届けていくようなコミュニケーション設計やメルマガの配信を行い、顧客の検討状況や温度感が変わったタイミングを察知できるよう、定期的にフォローをすることがとても大切です。
見込み客に対して比較検討してもらい商品を購入してもらう
メルマガなどで丁寧にフォローした後に実際に購入してもらうためには、メールや電話で直接ヒアリングすることも大切です。
BtoBサービスの場合、見込み客へのヒアリングや提案はインサイドセールスと呼ばれる部署が担当することが多いです。インサイドセールスとは、マーケティングと営業を繋ぐ存在です。
インサイドセールスについては、こちらの記事で詳しく解説しています。
関連記事はこちらインサイドセールスとは?基礎と実践・成功のためのポイントを紹介
インサイドセールスがヒアリングを行い、検討タイミングや予算も合う場合は、正式にアポイントを設定し、打ち合わせ機会の設定をします。
商談時にこれまで見込み客が参加したセミナーやクリックしたメルマガコンテンツなどをもとに、見込み客が課題に感じている箇所を把握することができます。それを重点的に話してみることで、見込み客の懸念事項を減らせることにつながり、受注しやすくなるでしょう。
KPIなどの効果測定方法
コンテンツマーケティングでは、どういったKPIやKGIなどを設定すると良いのでしょうか。
主に設定されるKPIとして以下が挙げられます。
- 自社メディア:選定キーワードの検索順位、PV数、資料ダウンロード数
- メルマガ:開封率、メール内URLクリック率
- セミナー:集客数、有効顧客数
セミナーの有効顧客数とは、商談可能化を図るための指標のことです。もちろん集客数も大事ですが、時間をかけて開催したにもかかわらず、その後の商談に全くつながらないなどの恐れもあります。
マーケティング職は集客数を追っているが、営業職からすると受注数の方が重要です。利害関係が必ずしも一致しないメンバーの意識を合わせるためにも、セミナーの目標値の中に有効顧客数をいれることで、どういったコンテンツにすることでより成果があがるのかを全体最適で議論できる状態になります。
KPIの計測については、Google Analyticsのようなアクセス計測ツールを用いてPV数を計測し、Google Search ConsoleやGRCのような検索順位の計測ツールでキーワードごとの記事の順位を計測できます。メルマガの数値はマーケティングオートメーションツール、メールマーケティングツールなどで計測が可能です。
コンテンツマーケティングに限らずKPI全体に言えることですが、KPIを設定・計測して終わりではなく、実績を見ながら改善を繰り返すことが大切です。
まとめ
コンテンツマーケティングに関する知識から、効果測定方法までを具体的に紹介してきました。
コンテンツマーケティングでは、顧客が求めているようなコンテンツを作成し、効果検証を繰り返していくことが必要となります。さらに、中長期目線で施策を継続していかなければなりません。
また、コンテンツマーケティングにおいて欠かせないメルマガの施策では、開封率の測定や見やすいHTMLメールでの作成が必要となってきます。
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コンテンツマーケティングで獲得した見込み客の検討度合いを上げるために、ぜひ活用してみてください。興味のある方は以下をご覧ください。