紹介営業とは?方法や流れ、紹介してもらうコツを紹介
紹介営業とは、営業先の紹介を受ける営業方法、もしくは取引先などに営業を依頼する営業方法のことです。メリットや注意点、具体的な流れについてまとめました。また、紹介営業の成功のために知っておきたいコツも紹介します。
目次
紹介営業とは
紹介営業とは、紹介者を通じた営業のことです。紹介者が果たす役割によって、次の2つの種類に分けられます。
- 営業先を紹介してもらう方法
- 紹介者に営業してもらう方法
それぞれの営業方法の違いや特徴について説明します。
紹介営業1.営業先を紹介してもらう方法
1つ目の方法は、取引先などに営業先を紹介してもらう方法です。たとえば、次のような相手に、営業先の紹介を依頼できるかもしれません。
- 取引先
- 仕事上の関係者
- 個人的な知り合い
自社サービスや製品を導入している相手に依頼するならば、すでにサービス・製品の特徴やメリットを理解しているため、適切な営業先を紹介してくれると思われます。
紹介営業2.紹介者に営業してもらう方法
2つ目の方法は、紹介者自身に営業をしてもらう方法です。たとえば、取引先に「弊社サービス(弊社商品)をご紹介したいと思われる方がいらっしゃれば、ぜひおすすめいただけないでしょうか?」と依頼します。
なお、紹介者に営業してもらうためには、紹介者自身が自社の商品・サービスを熟知していることが前提となります。実際にサービス・商品を使ったことがない方に営業を依頼すると、ターゲットのミスマッチが起こったり、商材の良さを理解してもらえなかったり、中々成果につながらないこともあります。サービス・商品を使ったことがない人に営業してもらう場合は、まずは商材についての理解してもらうことから始める必要があります。
紹介営業のメリット
一般的に営業といえば、営業先を探す工程から始まります。しかし、紹介営業なら営業先はすでに決まっているため、工程が1つ減り、よりスムーズかつスピーディに営業を進めることが可能です。
また、紹介営業の手法を用いることには、次のメリットもあります。
- 見込み客を紹介してもらえる
- 営業効率が高まる
それぞれどのようなメリットなのか、具体的に説明します。
見込み客を紹介してもらえる
紹介営業では、基本的に「誰でもよいので営業先を紹介してもらえませんか?」と依頼することはありません。
「弊社の〇〇をおすすめしたい企業様をご紹介いただけませんか?」のように、自社サービスや自社製品を使ってくれそうな相手を紹介してもらえるように依頼します。自社の商品・サービスを熟知している紹介者なら、適切な見込み客を紹介してくれると期待できるでしょう。
営業効率が高まる
紹介者から紹介してもらう営業先は、自社サービスや自社製品を必要としている可能性が高い見込み客です。手当たり次第に営業先のターゲットを決める場合とは異なり、すでにニーズがあることを理解した状態で営業を開始するため、他の営業手法と比較して高い確率で受注や成約といった良い結果を得られるでしょう。
また、紹介者を通して営業をすることで、営業先から信用を得やすくなる点もメリットです。普段は受付で断られてしまう企業や個人であっても、紹介者がいれば「〇〇さんのご紹介ですね。ではこちらでお話をうかがいます」とスムーズに話を聞いてもらえることがあります。
紹介営業の注意点
紹介営業にはメリットが多くありますが、いくつか注意点もあります。取引先や仕事上の関係者などに営業先を紹介してもらう前に、次の2点を確認しておきましょう。
- 紹介者との信頼構築に時間がかかる
- 紹介者からの信頼を失う可能性がある
それぞれどのような点に注意すべきか、またどのようなリスクをはらんでいるのか説明します。
紹介者との信頼構築に時間がかかる
紹介営業においては、紹介者との信頼構築が大切です。信頼関係のないまま「営業先をご紹介ください」と頼むと、紹介者を戸惑わせてしまうことにもなりかねません。
また、紹介者が営業先の紹介を快く受け入れてくれた場合でも、紹介者自身が自社サービスや自社製品についてあまり理解していなければ、ターゲットのミスマッチや商材の良さが伝わらず、成果につながらないこともあります。
紹介してもらうには、相手に商材を理解してもらうことや、商材の良さを理解できるような体験を提供することも必要です。
紹介営業を実施する前に、紹介者との信頼関係を十分に構築しておくこと、そして紹介者自身が自社サービスや自社製品について熟知していることを確認しておくことが必要です。
紹介者からの信頼を失う可能性がある
紹介営業を実施するためには、紹介者に対して「営業先を紹介してほしい」と依頼することが必要です。紹介者が快く引き受けてくれる可能性もありますが、「なぜ他社の営業に協力しなくてはいけないのだろうか?」と不審に感じる可能性があります。
また、紹介者によっては「もしかしたら、今まで紹介目的で付き合っていたのだろうか?」と誤解する可能性もあります。不快に受け取られるだけでなく、今まで築いてきたはずの信頼関係も失ってしまうかもしれません。
紹介者から「打算的だ」と思われずに紹介営業を進めるためにも、話の流れが唐突にならないように注意しましょう。たとえば相手が「御社のサービスは良いですよね!導入してから給料計算にかかる時間が大幅に短縮されました」と自社サービスや自社製品を褒めてくれたときは、紹介を依頼するチャンスです。
すかさず、「ありがとうございます。もしほかにも勤怠管理や給料計算にお悩みの方がいらっしゃるようなら、ご紹介いただけると嬉しいです」と応え、自然に紹介してもらえる流れをつくっていきましょう。
紹介営業の流れ
紹介営業は注意すべき点もありますが、うまくいけば効率性の高い営業を実現できる優れた営業手法です。次の流れで進めていきます。
- 紹介者との信頼関係を築く
- 紹介を依頼する
- 営業先にアプローチする
- 紹介者にお礼と結果を伝える
各ステップを時系列に沿って見ていきましょう。
1.紹介者との信頼関係を築く
紹介営業において、紹介者との間に信頼関係を築くことは何よりも大切なことです。胸襟を開いて話せる間柄になる前に「紹介してほしい」と依頼すると、場合によっては信頼関係が壊れることがあります。
信頼を失ってしまうと、取り返しのつかないことになってしまうばかりか、紹介営業を依頼する機会も失われてしまいます。紹介者との間に確かな信頼関係が生まれるまでは、営業先の紹介を思わせるような言葉は慎みましょう。
2.紹介を依頼する
十分に信頼関係を築いたことを確認してから、営業先の紹介を依頼します。また、単に「紹介してください」というのではなく「~でお悩みの方がいらっしゃいましたらご紹介いただけますか?」とターゲットを指定して、紹介してもらうようにしましょう。自社サービスや自社製品と営業先の間にミスマッチが生じにくくなり、より確度の高い営業を実現できます。
また、営業するのはどちらであるのかについても、明らかにすることが大切です。営業先の紹介だけを受けたい場合であれば、「~のような方をご存じありませんか?ご紹介いただけますと嬉しいです」と伝えます。
営業行為も紹介者にお願いするときは「弊社サービスをぜひお知り合いの方にご紹介いただけませんか?」のように伝えられるでしょう。この場合は、カタログやパンフレット、サンプルなども紹介者に渡しておくと、紹介者の負担を軽減できます。
3.営業先にアプローチする
営業先の紹介を受けた場合には、紹介してもらった営業先に連絡を取り、「〇〇様からご紹介いただきました△△です」とアプローチを開始します。できれば紹介してもらってから、日数を置かずにアプローチするようにしましょう。
ただし、紹介者によっては「名前を出されるのは困る」と感じている可能性があります。営業先を紹介してもらったときは、「お名前を出しても構わないでしょうか?」と一言尋ねておきましょう。
営業先へのアプローチは、メールなどでも実施できます。成功率を高める営業メールのコツについては、次の記事をご覧ください。
関連記事はこちら新規開拓の営業メールの書き方は?【例文/テンプレ集】
4.紹介者にお礼と結果を伝える
営業先にアプローチをした後は、紹介者にお礼を伝えましょう。営業がうまくいった場合なら、「〇〇様のおかげで、ご契約をいただけました」のように結果も伝えてください。
反対に、営業成果が出ていないときでも、お礼を伝えることは大切です。その際、決してネガティブな発言はしないように注意しましょう。
たとえ事実であっても、「せっかくご紹介いただけましたが、お断りされました」と紹介者に伝えると、紹介者を責めるようなニュアンスになってしまうことがあります。思わしくない結果のときは「すでに他社様のサービスをご利用のようです。せっかくご紹介いただきましたのに、申し訳ございません」と紹介を受ける側が謝るようにしてください。
紹介営業を成功させるコツ
次のコツを実践することで、紹介営業の成功率を高められます。
- 営業先のターゲットを絞り込む
- 紹介者に有益な情報を提供する
- 営業先の話を丁寧に聞く
- 相手にとっての「成果」を提供し強固な信頼関係を構築する
それぞれのコツについて説明します。
営業先のターゲットを絞り込む
紹介営業で大切なことは、紹介先に営業先を紹介してもらうことではありません。紹介先に確度の高い営業先を紹介してもらうことです。まずは自社サービスや自社製品のターゲットを明確にし、どのような相手を紹介してほしいのか紹介者にも熟知してもらうようにしましょう。
紹介者に有益な情報を提供する
紹介営業においては、紹介者に多大な負担をかけます。紹介者の負担に報いるためにも、紹介者にメリットがあるように配慮しましょう。
たとえば、紹介者が営業を担当している場合には、「御社のサービスを紹介したい方がいるのですが、紹介しても差し支えないでしょうか?」と営業先を紹介できるかもしれません。
また、紹介者が営業先を探していない場合であれば、自社サービスや自社製品に使える割引券などをプレゼントするのも1つの方法です。
営業先の話を丁寧に聞く
紹介者との信頼関係を構築するためにも、普段からの姿勢が大切となります。営業トークばかりで、一方的にしゃべっていないでしょうか。まずは相手の話を聞くことを心がけ、「私のことを気遣ってくれている」と感じてもらえるようにしておきましょう。
相手にとっての「成果」を提供し強固な信頼関係を構築する
営業先を紹介してもらうためには、相手との信頼関係を構築することが重要とお伝えしてきました。
相手が信頼に足る人物か、紹介先としてふさわしいかは、人となりや普段のやり取りだけで見極めるものではなく、営業としての成果を生み出せている人かも非常に大切なポイントです。
相手が自社サービスや自社製品を活用しているのであれば、サービス・製品を活用することで、業務効率や売上向上など、相手にとっての成果を提供しましょう。
成果を提供できていれれば、相手もこのサービスを使うメリットを感じているため、紹介に対して前向きに取り組んでいただけますし、「このサービスによって自社ではこのような成果が出ている」と紹介しやすくなります。
まとめ
紹介営業において、紹介者との関係構築が何よりも大切なポイントとなります。まずは時間をかけて、紹介者との間に信頼関係を構築しましょう。
営業先の紹介を受けたときは、紹介者に感謝を示すことも大切です。また、営業をするときに紹介者の名前を出して良いか尋ね、失礼のないように営業を進めることにも注意しましょう。紹介者が「紹介して良かった」と思えるように、慎重に行動を進めていくことを心がけてください。