BtoBの新規開拓のおすすめ施策13選と成功のポイント解説
ビジネスの成長には新規顧客の獲得が欠かせません。しかし、企業間取引においてはそのプロセスが非常に複雑で困難です。BtoBの新規開拓には、ターゲット企業の特定、見込み客の獲得、適切なアプローチ方法の選定など、さまざまなステップが含まれます。
本記事では、これらのステップを効果的に進めるためのおすすめ施策13選と、その成功のためのポイントについて詳しく解説します。
目次
BtoBの新規開拓はなぜ重要?
BtoBビジネスにおいて新規開拓は非常に重要です。その主な理由について解説します。
まず、事業の成長と拡大には新規顧客の獲得が不可欠です。既存顧客だけでは売上の伸びに限界があるため、新規顧客を開拓することで市場シェアを拡大し、持続的な成長を実現できます。
また、新規開拓は既存顧客への依存度を下げ、リスク分散にもつながります。特定の顧客に過度に依存すると、その顧客の業績悪化や取引停止時に大きな影響を受ける可能性があるでしょう。
さらに、新規顧客との取引は、新たなニーズや市場トレンドの発見につながることがあります。これにより、自社製品やサービスの改善、新規事業の創出などのイノベーションを促進できます。
BtoBの新規開拓を成功させるために考えるべきこと
BtoBビジネスにおいて、新規開拓は永遠の課題ですが、闇雲な努力は非効率です。成功するためには、戦略的なアプローチと綿密な準備が必要です。ここでは、BtoBの新規開拓を成功させるために考えるべき4つのポイントを解説します。
ターゲットの明確化
BtoBの新規開拓を成功させるには、まずターゲットを明確に定義することが重要です。理想的な顧客像を具体的に描き、業種、企業規模、地域、業績などの基準で絞り込みを行います。このプロセスでは、自社の製品やサービスが最も価値を提供できる顧客層を特定することが鍵となります。
また、既存顧客の分析も重要な要素です。成功事例となっている顧客の共通点を洗い出し、新規ターゲットの選定に活用します。たとえば、既存顧客のうち、取引が長期的に続いている企業や、売上貢献度の高い企業の特徴を分析し、類似した属性を持つ新規顧客を探せるでしょう。
さらに、市場調査やデータ分析を通じて、潜在的な成長市場や新たなニーズが生まれている分野を特定することも有効です。これにより、将来的に有望な顧客層を見出し、先行して関係構築を図れるでしょう。
ターゲットを明確化することで、限られたリソースを効率的に活用し、成約率の向上につなげられます。
ターゲットが抱える悩みを想定する
ターゲット企業が直面している課題や悩みを事前に調査・想定することは、効果的な新規開拓の鍵となります。
まず、業界全体のトレンドや市場動向を分析し、ターゲット企業が属する業界特有の課題を把握します。たとえば、規制の変化、技術革新、競争激化などの外部要因がもたらす影響を考慮しましょう。
次に、個別企業レベルでの課題を想定します。企業の公開情報、ニュース、業界レポートなどを活用し、財務状況、組織体制、競合との関係性などから、潜在的な悩みを推測します。また、類似した既存顧客の過去の課題も参考になるでしょう。
さらに、意思決定者や影響力のある人物の個人レベルの課題も考慮します。キャリア目標、部門の業績目標、社内での立場などが、どのような悩みにつながっているかを想像します。
これらの情報を総合的に分析することで、ターゲット企業が抱える表面的な課題だけでなく、根本的な悩みや潜在的なニーズを洞察できるでしょう。この深い理解は、次のステップであるアプローチ方法の選択や提案内容の設計に大きく役立ちます。
ターゲットに適したアプローチをとる
ターゲットの悩みを想定したら、次は適したアプローチを行います。
まず、想定した悩みに合わせて的確なメッセージを作成します。このメッセージは、ターゲットの課題に対する理解を示し、自社の製品やサービスがどのようにその課題を解決できるかを明確に伝えるものでなければなりません。
アプローチ方法は大きく分けて、プッシュ型とプル型があります。プッシュ型は直接的なアプローチで、電話、訪問、ダイレクトメールなどが該当します。一方、プル型は情報提供による誘引です。セミナーの開催、ホワイトペーパーの公開、SNSでの情報発信などが含まれます。
これらの手法を状況に応じて適切に使い分けることが重要です。たとえば、緊急性の高い課題を抱えているターゲットにはプッシュ型が効果的かもしれません。一方、長期的な関係構築を目指す場合は、プル型のアプローチから始めて徐々に信頼関係を築いていくことが有効でしょう。
また、初期のアプローチだけでなく、フォローアップの方法や頻度も慎重に計画します。ターゲットの反応を見ながら、適切なタイミングで次のアクションを起こすことが、成功への近道となります。
目標を定める
新規開拓の成功には、具体的な目標設定が不可欠です。適切なKPI(重要業績評価指標)を設定し、進捗を管理することで、PDCAサイクルを回し、継続的な改善を図ることができるでしょう。
主要なKPIとしては、以下のようなものが考えられます。
- 新規アポイント数
- 商談数
- リード獲得率
- リード獲得単価
- 成約率
これらの指標を設定する際は、過去の実績や業界標準を参考にしつつ、自社の状況に合わせて現実的かつ挑戦的な目標を設定します。
また、短期的な目標と長期的な目標をバランスよく設定することも重要です。たとえば、四半期ごとの新規顧客獲得数と年間の新規売上目標を併せて設定するなどです。
さらに、目標達成のためのマイルストーンを設定し、定期的に進捗を確認することで、必要に応じて戦略や戦術の見直しを行うことができます。この継続的な改善プロセスが、長期的な新規開拓の成功につながります。
BtoBの新規開拓でよく使われる手法【プッシュ型の手法】
BtoBの新規開拓において、プッシュ型の手法は、営業スタッフが能動的に顧客へアプローチしていく方法です。ターゲット顧客を絞り込み、適切なタイミングで最適なメッセージを届けることが重要となります。
ここでは、BtoBの新規開拓でよく使われる7つのプッシュ型手法と、それぞれの手法を成功させるためのポイントを解説します。
営業リストの作成
営業リストの作成は、効果的な新規開拓の基盤となる重要な手法です。潜在顧客の情報を体系的に整理し、効率的なアプローチを可能にします。
リスト作成には、業界データベースの活用や、ウェブサイト、SNSからの情報収集が一般的です。
なお効率的にリストを作成するには、配配メールのリストダウンロードオプションがおすすめです。この機能を使えば、条件に合った見込み客のリストを簡単に入手できます。
配配メールには、リスト作成のほかにも見込み客を集めるための機能が搭載されています。例えば、自社ウェブサイトにポップアップ機能を追加すれば、Webサイト上の顧客をとり逃しにくくなるでしょう。また、フォーム作成機能では、新規顧客獲得に必要なフォームを簡単に作成・運用が可能です。
詳細な機能や活用方法については、専用の解説ページを用意しています。効果的なリスト作成の秘訣をさらに知りたい方は、ぜひご覧ください。
ダイレクトメールの送付
ダイレクトメール(DM)は、ターゲットに直接メッセージを届ける効果的な手法です。電子メールと郵便物があり、それぞれに特徴があります。
電子メールDMは、低コストで即時性が高く、大量送信ができます。ただし、開封率や反応率を高めるためには、件名の工夫や内容のパーソナライズが重要です。
一方、郵便DMは、物理的な存在感があり、高級感や誠意を伝えやすいのが特徴です。ターゲットを厳選し、質の高い内容を送ることで、印象に残りやすくなります。
どちらの場合も、明確な訴求ポイントや適切なフォローアップが成功の鍵となります。また、法規制や受信者の心理を考慮し、適切な頻度で送信することが重要です。
テレアポ
テレアポ(テレフォンアポイントメント)は、電話を通じて直接顧客とコンタクトをとり、商談の機会を獲得する手法です。即時性が高く、相手の反応を直接確認できる利点があります。
効果的なテレアポのためには、事前準備が重要です。ターゲット企業の情報を十分に調査し、想定される質問や反論に対する回答を準備しておきます。
また、簡潔で魅力的なトークスクリプトを用意し、相手の興味を引き出す工夫が必要です。
関連記事テレアポを成功させるコツとは?事前準備やトークの極意を解説
飛び込み営業
飛び込み営業は、事前のアポイントメントなしに直接企業を訪問する手法です。即時性が高く、対面での交渉ができる利点がありますが、飛び込み営業を好まない人もいるため、慎重に行う必要があります。
成功のポイントは、事前の準備と適切なアプローチです。訪問先の企業情報を十分に調査し、提案の価値を簡潔に伝えられるよう準備します。また、相手の状況を察し、適切なタイミングで訪問することが重要です。
関連記事飛び込み営業のコツ!アポなし訪問営業を成功させるための準備も紹介
展示会などイベントへの出展
展示会やイベントへの出展は、多数の潜在顧客と直接接触できる貴重な機会です。業界内での認知度向上や、新製品・サービスの紹介に効果的です。
成功のポイントは、事前準備と当日の運営、そして事後フォローにあります。
出展前には、ターゲット顧客の招待や、SNSなどでの告知を行います。ブースデザインや展示内容は、来場者の興味を引くよう工夫し、明確なメッセージを伝えることが重要です。
当日は、積極的に来場者とコミュニケーションをとり、名刺交換やアンケート収集を行います。また、デモンストレーションやミニセミナーの開催も効果的です。
紹介営業
紹介営業は、既存顧客や取引先からの紹介を通じて新規顧客を獲得する手法です。信頼関係がある相手からの紹介のため、高い成約率が期待できます。
成功のポイントは、まず既存顧客との良好な関係構築です。顧客満足度を高め、自社の価値を十分に理解してもらうことが重要です。その上で、適切なタイミングで紹介を依頼しましょう。
紹介を受けた際は、紹介者への感謝と、紹介先への丁寧な対応が不可欠です。紹介された経緯を踏まえ、相手のニーズに合わせた提案を行いましょう。
関連記事紹介営業で紹介してもらうコツ!顧客が紹介したくなる人とは?
営業代行の活用
営業代行は、専門の業者に新規開拓の一部または全部を委託する手法です。自社リソースの効率的な活用や、専門知識・スキルの活用が可能になります。
主なメリットは、短期間での営業力強化、コスト効率の向上、そして自社の強みに集中できることが挙げられます。特に、テレアポや初期の顧客開拓など、時間とリソースを要する業務の外部委託が効果的です。
ただし、成功のためには適切な業者選定が重要です。業界知識、実績、提供サービスの内容を十分に確認し、自社のニーズとマッチしているかを見極めます。
BtoBの新規開拓でよく使われる手法【プル型の手法】
ここでは、BtoBの新規開拓でよく使われる6つのプル型手法と、それぞれの手法を成功させるためのポイントを解説します。
Web広告の配信
Web広告は、インターネット上で潜在顧客にアプローチする効果的な手法です。主な種類には、検索連動型広告、ディスプレイ広告、リターゲティング広告などがあります。
検索連動型広告は、ユーザーの検索キーワードに応じて表示されるため、高い興味関心を持つ層にリーチできます。
ディスプレイ広告は、Webサイトやアプリ上に画像や動画で表示され、ブランド認知度の向上に効果的です。
リターゲティング広告は、過去に自社サイトを訪れたユーザーに再アプローチする手法で、見込み客の育成に有効です。
このほかにも、最近ではFacebook広告などのSNS広告もBtoBの新規開拓でよく活用されます。
オフライン広告の実施
オフライン広告は、デジタル以外の媒体を使用して潜在顧客にアプローチする手法です。主な種類には、新聞・雑誌広告、テレビ・ラジオCM、屋外広告などがあります。
これらの広告は、幅広い層へのリーチが可能で、ブランドの信頼性や認知度を高めるのに効果的です。特に、業界専門誌への広告掲載は、ターゲットを絞った効果的なアプローチとなります。
セミナーやウェビナーの開催
セミナーやウェビナーの開催は、自社の専門知識や製品・サービスの価値を直接伝える機会を提供する効果的な手法です。対面式のセミナーは参加者との深い交流が可能で、ウェビナーは地理的な制約がなく、多くの参加者を集められる利点があります。
これらのイベントでは、業界トレンドや課題解決方法など、参加者にとって価値ある情報を提供しましょう。自社製品やサービスの直接的な宣伝は控えめにし、問題解決のエキスパートとしての立場を確立することが重要です。定期的な開催により、継続的な見込み客の獲得と、既存顧客との関係強化が可能になります。
関連記事ウェビナーとは?メリットやデメリット、配信方法を徹底解説
コンテンツマーケティング・SEO
コンテンツマーケティングとSEOは、価値ある情報を提供することで、自然検索での露出を高める手法です。ブログ記事、ホワイトペーパー、ケーススタディなど、さまざまな形式のコンテンツを作成し、潜在顧客の関心を引き付けます。
効果的なコンテンツは、顧客の課題や疑問に答え、専門知識を共有するものです。これにより、企業の信頼性と専門性を示すことができます。同時に、適切なキーワード戦略とSEO対策により、検索エンジンでの上位表示を目指しましょう。
関連記事BtoBコンテンツマーケティングの重要性と具体的手法について
SNSの運用
SNSの運用は、潜在顧客との直接的なコミュニケーションや、ブランドの人間味を伝える効果的な手法です。X、Facebookなど、各プラットフォームの特性に応じた戦略が必要です。
たとえば、Xは即時性が高く業界トレンドやイベント情報の発信に適しています。Facebookは、より詳細な情報や企業文化を伝えるのに適しています。
SNSの強みは、双方向のコミュニケーションが可能な点です。フォロワーからの質問や意見に迅速に対応することで、信頼関係を構築できます。また、有料広告と組み合わせることで、より効果的なターゲティングも可能です。
自社サイト活用
自社サイトは、企業の顔としてあらゆるマーケティング活動の中心となる重要な資産です。効果的な活用には、ユーザーエクスペリエンス(UX)の向上、コンバージョン率の最適化、そして継続的な改善が不可欠です。
まず、サイト構造を整理し、訪問者が求める情報に簡単にアクセスできるようにします。製品・サービス情報、会社概要、お問い合わせフォームなど、重要な要素を適切に配置します。次に、コンテンツの充実を図りましょう。ブログ、ケーススタディ、ホワイトペーパーなど、価値ある情報を提供し潜在顧客の信頼を獲得します。
さらに、リード獲得のための仕組みも整えましょう。無料トライアルの申し込み、資料ダウンロード、メルマガ登録など、さまざまな接点を用意します。
BtoBへの新規開拓営業で獲得したリードは「ナーチャリング」で育成
BtoBの新規開拓営業で獲得したリードは、「ナーチャリング」を通じて育成することが重要です。
リードナーチャリングとは、見込み客(リード)の購入意欲を高めることで、受注につなげることを指します。見込み客に対して定期的に有益な情報やサポートを提供し、信頼関係を構築するものです。
このプロセスにより、見込み客が最終的に商品やサービスを購入する可能性が高まります。効果的なリードナーチャリングには、メールマーケティング、セミナー、ブログ記事、ソーシャルメディアなど、多様な手法を組み合わせることが重要です。リードナーチャリングは、持続的なビジネス成長を支える重要な戦略です。
ナーチャリングの詳細については、こちらの記事もぜひご覧ください。
関連記事リードナーチャリングをKPI設定!達成するためのコツとは?
「配配メールBridge」で効果的なナーチャリングを実現
リードナーチャリングでは、中長期的に見込み客との接点を持ち、お役立ち情報や有益なノウハウを提供していくことが大切です。
個別でフォローするには膨大な時間がかかってしまうので、メールマーケティングを活用するのがおすすめです。
ラクスが提供する商談獲得特化型ツール「配配メールBridge」は、メールマーケティングサービス「配配メール」に新規開拓や商談獲得ができる機能が備わったMAプランです。
基本的なメール配信機能はもちろん、あらかじめ作成したシナリオに沿ってメールを自動で配信する「ステップメール」や「シナリオメール」機能や、メールの反応から温度感の高い見込み客を抽出できる「ホットリード抽出」機能、見込み客がWebサイトに来訪したタイミングで通知を飛ばせる「来訪通知」機能などを提供しています。
メールを活用した効率的なフォローができるだけでなく、自社の見込み客の中から商談や受注につながりやすい見込み客を簡単に可視化することが可能です。
ご興味のある方はぜひ以下リンクより資料ダウンロードしてみてください。
まとめ
BtoBの新規開拓は、企業の持続的成長と市場競争力の維持に欠かせません。効果的な新規開拓には、ターゲットの明確化、顧客の課題理解、適切なアプローチ方法の選択、そして具体的な目標設定が重要です。
プッシュ型手法としては、営業リスト作成、ダイレクトメール、テレアポ、展示会出展などがあります。一方、プル型手法には、Web広告、セミナー開催、コンテンツマーケティング、SNS運用などがあります。
これらの手法を適切に組み合わせることで、効果的な新規顧客獲得が実現できるでしょう。
獲得したリードは、ナーチャリングを通じて育成することが重要です。段階的に適切な情報を提供し、信頼関係を構築することで、最終的な成約につなげます。
新規開拓は継続的な努力と改善が必要ですが、これらの戦略を適切に実行することで、BtoB企業の長期的な成功につながるでしょう。