マーケティングに欠かせない!KPI・KGIの考え方って?
マーケティングにおける大きな悩みのひとつとなるのが、施策に対して効果が出ているのかがわかりにくいという点です。現代のマーケティングにはさまざまな手法があり、場合によっては複数の施策を同時に行うケースも少なくありません。そのため、単に売り上げや利益のみではマーケティングの効果を計りにくくなっているので
目次
KPI
マーケティングによる効果を最大化するためには、正確な効果の測定が欠かせません。とはいえ、マーケティングの手法によってはすぐに「売り上げ」の形で成果に繋がるわけではなく、効果の測定が難しいケースがあります。そこでマーケティングによる効果を測定するために利用されているのが「KPI」です。
KPIとは
現在のビジネスシーンでは当たり前に使われるようになったKPIという言葉ですが、その正確な意味を理解できていない、または単なる達成目標だと考えている方も多いようです。そこで、まずは改めてKPIとは何なのかをご紹介しておきます。
KPIとは「Key Performance Indicator」の略です。日本語に直訳すると「重要な業績の評価指標」となります。簡単にまとめると「最終目標に到達するための過程となる目標」です。
多くの企業の活動目標として、売り上げアップがあります。その目標を達成するために売りたい商品やサービスの認知度を高める、見込み客を獲得する、顧客の態度変容を起こすなどいくつもの細かい課題・目標があります。これらの中から特に重要なものをKPIとして設定していくのです。
こうして設定したKPIが達成できているのであれば、行っているマーケティング施策の効果が出ていることを意味しますし、逆に達成できていないのであれば、見直しが必要であることになります。
つまり、マーケティングの効果を測定する上でもKPIはとても重要なのです。
KGIとの違いと役割について
KPIと混同されることの多い言葉として「KGI(Key Goal Indicator、重要目標達成指標)」が挙げられます。いずれもビジネスにおける指標のひとつで、関連性もあり混同されやすい言葉です。
前述の通り、KPIは企業活動の最終的な目標を達成するための過程の目標のことを指します。それに対して、KGIは企業活動の最終目標です。
つまり、KGIを達成するための小さな目標・指標がKPIであるということになります。
このようにKPIとKGIには明確な違いがありますが、この2つは関連しており常に連携して考える必要があるのです。
マーケティングにおけるKPI設定の手順
KPIは企業としてのあらゆる活動の効果測定や指標として使われています。そのため、多くの企業があらゆるセクションでKPIの設定を行うようになりました。
もちろん、マーケティング部門も例外ではありません。続いてはマーケティングにおけるKPI設定の手順をご紹介します。
ファネルを描いて、役割を当て込もう
今日のマーケティングではまずは見込み客を惹きつけて、最終的に購入・契約に至るといったファネル型のモデルが用いられることが多くなっています。
たとえば、キャンピングカーを販売している企業があったとします。キャンピングカーに興味を抱いている見込み客が100人いたとしても、全員が必ず購入に至るわけではありません。
見込み客の内、90人がGoogle検索で「キャンピングカー」を検索したとします。ここでもまた全員が自社のサイトにたどり着いてくれるとは限りません。結果として70人ほどが自社サイトにたどり着いたとします。しかし、そこでもまた実際に購入を検討する人や、さらに興味を持ってメルマガに登録するなど具体的なアクションに進む人は絞り込まれていきます。
このように、ステップが進むにつれて見込み客全体の中から人数が絞り込まれていくため、「ファネル(漏斗)型」と呼ばれているのです。
マーケティングにおけるKPI設定で最初のポイントとなるのが、このファネルを描くことです。
ファネルを描くことで、これまで一見繋がっていないように思えたマーケティング施策の繋がりが、「認知」→「関心」→「比較・検討」→「購入」といったひとつの流れとして可視化できます。その流れの中でどこにKPIを設定すべきなのかも明確になるのです。
コンテンツの役割から目的を整理してKPIを設定
ファネルを描くと、それぞれのステップに応じたアプローチの方法や提供するコンテンツの役割が明確になります。
たとえば見込み客の注目を集める「認知」の段階であれば、多くの人の目につくウェブ広告などのコンテンツを作成して提供するといった方法がとられます。この「認知」の役割の中から、「見込み客を自社サイトに誘導する」といった目的を明確にしてKPIを設定していきます。
具体的には、広告のクリック数やメルマガ登録の数などがKPI設定の対象になるでしょう。
同じ役割のコンテンツでも目標が複数ある場合もあります。この場合、それぞれの目標に対するKPI設定が必要です。
顧客の温度感に応じたKPI指標の設定
同じ見込み客であっても温度感はそれぞれ異なります。すぐに成約に繋がる可能性は低く、これから態度を変容させていくコールドリードと、あと一押しで顧客になるホットリードではベストな対応の方法が異なります。
そこで、顧客の温度感に応じたKPI指標の設定も重要といえます。
初回接触に関するKPI
初回接触に関するKPIというと、ウェブサイトのアクセス数や動画の再生数のみに注目してしまいがちです。しかし、アクセスされたとしてもすぐに離脱されてしまっては意味がありません。そのため、サイト滞在時間や動画であれば再生時間などもKPI設定の対象となります。
ランディングページのセッション
サイト全体のアクセス数のみでなく、ブログやオウンドメディアなどからの流入数も重要な要素です。オウンドメディアの活用はウェブマーケティングの世界では一般的になっていますが、どのくらいの流入があるのかをKPIとして設定して測定することが大切です。
メールの開封率
メールも初回接触のひとつの機会になります。メールにおけるKPI設定でもっとも重要となるのが、メールの開封率です。せっかくメールを配信しても開封してもらえなければ意味がありませんので、メールによるマーケティングの効果を測定する上でまずKPI設定すべきなのは開封率です。
メールに関しては、その他にも内部リンクのクリック率などもKPIとして設定すべき要素です。
いますぐ客に関するKPI
成約に繋がりやすい「いますぐ客」に関しては、見込み顧客からの育成や直接獲得などいくつかのパターンがあります。そのため、設定すべきKPIにもいくつかのパターンが考えられます。
キラーコンテンツへの送客数
いますぐ客に関するKPIとして最初に考えられるのは、キラーコンテンツへの送客数です。ここで言うキラーコンテンツとは、成約への意識が強い人向けのコンテンツのことを指します。たとえば「すでに購入はほぼ決まっている方が最後に検討するようなオプションの紹介」といったコンテンツが、キラーコンテンツにあたります。
コンテンツを経由したセミナー・勉強会申し込み数
BtoBビジネスにおいては、商談のみでなくその前段階の接触への誘導も重要です。
具体的にはセミナーや勉強会などが「接触」に該当します。もちろんセミナーや勉強会にはさまざまな形で申し込みがありますが、中でも重要となるのがコンテンツマーケティングからの送客数です。ここもKPIとして設定すべきポイントです。
既存顧客に関するKPI
既存顧客への対応もマーケティングにおいて重要な要素のひとつです。
最後に、既存顧客に関するKPIをご紹介します。
利用頻度
既存顧客に関するKPIの中でもっとも重要なのは、利用頻度です。
販売する商品やサービスによってその重要性には差がありますが、利用頻度が高い顧客はそれだけ優良顧客になりやすい傾向があります。そのため、利用頻度を高めるための施策を行うケースも多いでしょう。
その効果を計るという意味でも、KPI設定は重要です。
解約率
KPIは、マーケティングでは当たり前に用いられる指標のひとつです。
KPIはひとつだけ設定すればいいというものでもなく、新たなマーケティング施策を行うのであればその都度追加する必要があります。マーケティングの効果をより高めるために、設定しているKPIで問題ないか、設定している要素とマーケティング施策にズレがないかなど、改めて見直してみてはいかがでしょうか。
まとめ
KPIは、マーケティングでは当たり前に用いられる指標のひとつです。
KPIはひとつだけ設定すればいいというものでもなく、新たなマーケティング施策を行うのであればその都度追加する必要があります。マーケティングの効果をより高めるために、設定しているKPIで問題ないか、設定している要素とマーケティング施策にズレがないかなど、改めて見直してみてはいかがでしょうか。