商談ってどういうもの?目的や具体的なプロセスを1から解説
日頃当たり前のように使っている「商談」という言葉ですが、商談のなかにはさまざまなプロセスがあり、商談を成功させるためにはそれぞれのプロセスを意識しなければなりません。今回は、商談という言葉の考え方や目的、具体的なプロセスについて解説します。
目次
商談とは
商談とは、「商品の販売や取引について交渉を行うこと」です。さらにわかりやすく表現すると、「見込み客に対して、自社商品やサービスをアピールし、契約を獲得するためのプロセス」ともいえるでしょう。
商談では自社の商品やサービスの特徴や効果、メリットなどを説明した後、具体的な費用や契約後のサポート体制などについて言及し、お互いの合意が取れれば契約に至るのが一般的です。
販売側としての商談の目的
販売側(営業側)の商談の目的は、自社の商品やサービスを購入してもらうことにあります。
当たり前のことではありますが、会社の売上を上げるためには自社の商品やサービスを取引先や見込み客に購入してもらう必要があり、そのためには商談というプロセスが欠かせません。
そのため、営業は取引先や見込み客に対して課題のヒアリングをしたり、有益な情報を提供したりして、自社の商品やサービスに関心をもち購入してもらうためのさまざまなアプローチを行います。
商談前のプロセス
商談前のプロセスとしては、次の2点が挙げられます。
接点をもつ
商談は、「購入者となる見込み客に自社の商品やサービスを認知してもらうこと」から始まります。購入するかどうかを判断するためには、自社の商品やサービスの特徴やメリットを理解していなければならないためです。
もし既に自社の商品やサービスを認知した状態の相手にアプローチする場合は次項の「コミュニケーションをはかる」からスタートしますが、一般的には接点をもって自社の商品やサービスを認知してもらう時点から「商談」に含まれます。
コミュニケーションをはかる
自社の商品やサービスを認知した見込み客に対して、コミュニケーションをはかって商品やサービスへの興味・関心を高めていくプロセスになります。
一般的には見込み客にアポイントメントを取って営業が直接見込み客に自社商品の魅力を売り込みますが、商談の獲得方法には「インバウンド営業」と「アウトバウンド営業」の2種類が存在します。
インバウンド営業とは、自社の商品やサービスに問い合わせがあった時に、問い合わせをした見込み客に対して商品を購入してもらえるようにメールやセミナーなどでアプローチする営業方法です。自分たちで営業リストを作成して電話をかけたりメールを送信したりするのではなく、反響を待つことから「反響営業」とも呼ばれています。
一方のアウトバウンド営業は、見込み客が自社に全く関心をもっていない状態であっても関係なく、自社が自主的にアプローチして成約を目指す営業手法です。営業リストを作成してテレアポやDMを行ったり、飛び込み営業を実施したりする例が代表的です。
関連記事はこちらアウトバウンド営業とは。インバウンド営業との違いや代表的な手法・コツも解説!
商談中のプロセス
アポイントメントを取れたら、実際に見込み客を訪問して自社の商品やサービスの魅力を伝える「商談中」のプロセスになります。ここでは、商談中のプロセスを順番にご紹介します。
挨拶・自己紹介
見込み客と顔を合わせたら、まずは挨拶と自己紹介をして、必要に応じて名刺交換を行います。その後、今回の商談は何を目的としているのかについて簡単に伝え、お互いに目的を共有して意識をすり合わせます。
ただし、商談の時間が限られている場合などは、挨拶を最低限にとどめてなるべく早く本題に入るほうが望ましい場合もあります。
ヒアリング
相手の現状を聞きながら課題になっている部分を明らかにし、課題を解決するためには何が必要なのかを導き出します。その上で解決方法を自社の商品やサービスと結びつけて、「自社の商品やサービスをお使いいただければ、御社の課題を解決できます」と伝える方向性にもっていきます。
この時、売り急ぐあまり押しつけるように自社の商品をすすめるのは逆効果になります。あくまでも課題解決を最優先し、見込み客に寄り添った商談を心がけましょう。
商品の特徴・メリット解説
見込み客の課題を解決するための商材が決まったら、なぜその商品やサービスがおすすめなのかを特徴やメリットになぞらえて説明します。
ここでは、「この商品には〇〇というメリットがあり、このメリットが御社の〇〇という課題にマッチします」のような形で、理論立てて説明することが大切です。説明の際に具体的な導入事例や実績なども交えると、より説得力が高まります。
疑問の解消
商品の特徴やメリットの解説によって、見込み客にとって課題を解決するための方法は明確になります。その上で、解説を聞くなかで見込み客側が疑問に感じたことや不安な点などを質問してもらい、ひとつずつ解消していくのが「疑問の解消」プロセスです。
見込み客に購入を決意してもらうためには、疑問や不安を解決して「この商品を購入すれば自社にとって利益がありそうだ」と感じてもらう必要があります。そのため、投げかけられる疑問を的確に解消するための切り返しが必要です。
クロージング
疑問や不安を解消した上で見込み客が商品を購入する判断を下せば、具体的な注文や契約の手続きを進めていきます。もし今回の商談で契約まで至らなかったとしても、今後どのような流れで商談を進めていくのかをお互いにすり合わせておくことが大切です。
商談後のプロセス
商談後、契約を獲得できていない場合はお互いに確認した今後の流れに沿って新たな商談に向けた取り組みを進めていきます。クロージングになり、契約を獲得した場合は、事務手続きなどを進めましょう。
加えて、契約後も顧客が継続的に商品やサービスを利用してもらえるように積極的にアプローチし、自社が新商品や新サービスをリリースした時に追加の商談を行えるようにするためのアフターフォローも行う必要があります。
商談の各プロセスで重視したいポイント
最後に、商談の各プロセスにおいて重視したいポイントをそれぞれご紹介します。
商談前
商談前のプロセスで重要なことは、「見込み客をどれだけ集められるか」です。
商談前のプロセスでは、見込み客と接点をもち、コミュニケーションをはかってアポイントメントを取る必要がありますが、見込み客が少ないとアポイントメントを取れる数は減っていく可能性が高いためです。
できるだけ多くの接点をもち、アプローチできる対象を増やすことが、結果的に契約に至る確率を引き上げることにもつながります。
商談中
商談中に意識したいポイントは、「相手の話によく耳を傾ける」「相手の課題を引き出す」の2点です。
「商談は自社の商品やサービスを売り込むことである」と思われがちですが、実際には見込み客の話をよく聞き、課題を引き出して解決策を提案することが主題になります。したがって、自分ばかりが話すのではなく、見込み客に積極的に話してもらうための雰囲気づくりが重要になります。
見込み客の話をよく聞き、課題を理解した上で自社の商品やサービスを課題に絡めて提案することが大切です。
商談後
商談後は、契約に至った場合もそうでない場合も、コミュニケーションを絶やさないことが重要になります。
契約後の顧客に自社の商品やサービスを使い続けてもらうためには、満足度を高めて「この先もこの商品を使いたい」と思ってもらう必要があります。もし契約に至らなかった場合でも、コミュニケーションを絶やさずにいれば、自社が新商品を発表したタイミングで再び商談に持ち込める可能性は高いといえます。相手との接点を切らすことなく、いつでも連絡を取れる環境を維持することを意識しましょう。
まとめ
取引先に商品を購入してもらうための交渉を行う商談は、商談前、商談中、商談後の3つのプロセスに分かれています。それぞれのプロセスにおいて注意したい点は異なるため、本記事でご紹介した内容も参考にしながら自身の商談を振り返ってみることをおすすめします。
もし商談がクロージングに至らなかった場合でも、その後のフォロー次第で新たな商談につながる可能性があります。商談後の行動まで見据えながら、計画性のあるアプローチを意識しましょう。