kintoneからメール配信をする3つの方法とは?各手法の違いやおすすめ連携ツールのご紹介
kintoneの顧客情報を活用してメール配信を実施したいと考えている方も多いのではないでしょうか。
そもそもkintoneからメール配信はできるのか、kintoneで管理している顧客に効率的にメール配信をする方法があるのかなどさまざまな疑問をお持ちの方に、kintoneからメール配信を行う方法についてご紹介いたします。
kintoneから大量配信・ステップメールが可能なメール配信システム「配配メール」
目次
kintoneからメール配信する3つの方法とそれぞれの違い
kintoneは業務改善プラットフォームであり、顧客情報の管理が可能ですが、kintoneの標準機能では管理している顧客情報に対してメール配信をすることはできません。
メール配信を行うには、kintoneの機能拡張や異なるシステムとの連携が必要になります。ここでは、kintoneから直接メール配信を行う3つの方法をご紹介します。開発の手間をかけずに大量配信や一斉送信を行いたい場合は、1つ目にご紹介している「外部サービス(メール配信サービス)との連携」がおすすめです。
外部サービス連携 | プラグイン | API開発 | |
---|---|---|---|
特徴 |
・開発が不要 ・顧客情報を連携するだけですぐにメール配信可能 ・一斉・大量配信が可能 |
・ファイルをインストールするだけで手間なく拡張可能 ・大量のメール配信には不向 |
・プログラミングやセキュリティの知識が必要 ・開発にかかる費用が高い ・カスタマイズ性が高い |
こんな人に おすすめ |
・手間をかけずにメールの一斉・大量配信を行いたい方 | ・1to1でのメール配信や社内報の配信が目的の方 | ・メール配信以外にも複数のシステムと連携させたい方 |
外部サービス(メール配信サービス)との連携
外部サービスとの連携は、ベンダーが提供しているメール配信サービスとの連携です。
kintoneの顧客情報を外部サービスに自動連携することで手間なくメールを配信することができます。
前述したように、外部サービス連携の場合は、kintoneで管理している顧客に対してメールを大量配信する用途に適しています。
しかし、すべてのメール配信サービスがkitnoneと連携することができる訳ではないため、サービス選定をする際は事前にkintoneと連携することができるか把握しておく必要があります(kintoneと連携できるメール配信サービスはこちらの章でご紹介しています)。
プラグイン
プラグインとは、kintoneの機能を拡張することができる追加プログラムです。
kintoneの管理画面からファイルをインストールするだけで機能を拡張できる点が大きな特徴です。
そのため、この後ご紹介するAPIのように別途開発する必要がなく、簡単に利用することができます。
プラグインを使用する際の注意点としては、メール配信の目的や想定のメール配信数を予め想定して使用することです。
プラグインを使用したメール配信は1to1でのメール配信や社内報の配信で使用されるケースが多いです。
これはメールを配信する際の配信サーバーが関係します。
一般的なメール配信サービスであれば、大量のメールを配信することを前提に専用の配信サーバーを設けていることから大量のメール配信の負荷にも耐えることができます。
しかし、プラグインの場合専用の配信サーバーを設けているケースが少ないため、顧客リストへの大量配信や一斉配信を想定している場合は、先述した外部のメール配信サービスとの連携をおすすめいたします。
API開発
API(Application Programming Interface)とは、ソフトウェアやシステム間でデータや機能を共有できる仕組みのことです。
簡単に言うと、異なるシステムを組み合わせることで、新たな機能を付け加えることができるということです。
しかし、APIを行う場合、プログラミングやデータベース、セキュリティ関連の知識が求められます。
また、開発するのに人的リソースや外部に委託するとなると費用が発生するため手軽にメール配信をしたいと考えている方には不向きな手法になります。
kintoneと連携できる外部サービス(メール配信システム)2選
この章では、kintoneで管理している顧客に、「大量配信をしたい」「メール配信を通じて営業活動を効率的に行いたい」と考えている方におすすめの外部メール配信サービスを2つご紹介いたします。
kMailer
kMailerはトヨクモ社が提供するメール配信サービスです。
初めてkintoneと連携できるメール配信サービスの提供を開始したサービスであることから実績が豊富なことが大きな特徴です。
しかし、送信元のアドレスは固定で1つのみの固定、また配信サーバーは利用するアドレスドメインに準ずる形となっています。
そのため、営業担当者ごとに配信先を変更したり、大量配信をする運用の場合は賄いきれない可能性があるため注意が必要です。
< 特徴 >
- HTMLメール配信など基本的なメール配信機能を標準搭載
- 添付ファイルの個別配信にも対応可能
- 送信元アドレスが固定になるため、送信元を変更するような柔軟な運用が難しい
配配メール
配配メールは、楽楽精算などを提供するラクス社のメール配信サービスです。
配配メールは導入社数10,000社以上の導入実績があり、メールマーケティングのトレンドや事例を研究・検証し、成果の出た運用ノウハウや成功事例を配配メールというサービスを通じて提供しています。
2023年3月にkintoneとの連携をリリースし、既に数多くの企業様に導入されています。
kintoneで管理している顧客情報を開発不要でkintoneと連携ができ、kintoneで管理している顧客ステータスの変更に応じてステップメール配信などの販促活動に適したメール配信サービスです。
< 特徴 >
- 毎時100万通の大量配信が可能
- 送信元のアドレスは配信設定時に選択が可能
- ステップメール配信やセグメント配信など目的に応じた配信手法が選択可能
- 配信結果をkintoneに自動同期できるため、メールに反応した顧客に応じた即時フォローが可能
関連記事はこちらkintone × 配配メール連携
kintoneと連携できるプラグイン3選
メールワイズ
メールワイズはkintoneを提供しているサイボウズ社のメール管理・共有サービスです。
基本的には、社内でのメール共有や問い合わせメールの対応・管理といった用途で使用されるケースが多いです。
ただ、HTMLメールの作成や配信、一斉配信といった機能も搭載されているため、kintoneの顧客情報を活用したメール配信が可能となっています。
< 特徴 >
- サイボウズ製品のため、サーバーなどのセキュリティ面が安心
- メール対応を一元管理し業務効率化することができる
- メールワイズを利用するユーザーに応じた課金体系のため、少数で運用する際はコストを抑えることできる
- 単純な一斉配信は可能だが、ステップメールのような配信機能は搭載されていない
SendGrid
SendGridは、株式会社構造計画研究所が提供しているクラウド型メール配信サービスです。
kintone上の管理画面上でプラグインを追加することで、kintoneからSendGridを利用できるようになります。
配信通数の上限はありますが無料プランから始めることができ、kintone上の顧客リストに対して、メールの一斉送信を行うことができます。宛先を絞り込んで送付することも可能です。
このプラグインを利用するためには、事前にSendGridのアカウントを用意しておくことが必要です。
< 特徴 >
- kintone上の顧客リストに対してメールの一斉送信が可能
- 配信通数が少ない場合は無料で利用可能
- 宛先ごとに、メール本文に文字の差し込み(宛名やクーポンコード等)を行うことが可能。
- 単純な一斉送信は可能だが、ステップメールのような配信機能は搭載されていない
メール一斉送信プラグイン
メール一斉送信プラグインは、M-SOLUTIONS株式会社が提供するメール一斉送信用のプラグインです。
kintoneアプリに登録した年齢や性別、居住地など、様々な属性情報で宛先を絞り込むことができます。もちろん、一斉送付だけでなく個別送信にも対応しています。
このプラグインを利用するためには、SendGrid法人プランの契約が必要です。
< 特徴 >
- kintone上の顧客リストに対してメールの一斉送信が可能
- HTMLメール、メールテンプレートの作成が可能
- 単純な一斉送信は可能だが、ステップメールのような配信機能は搭載されていない
kintoneと連携できる外部サービス/プラグイン比較表
これまでご紹介した5つの外部サービス/プラグインを表形式でまとめました。
機能や料金体系など、比較の際にぜひ参考にしてみてください。
製品名 | 配配メール | kMailer | Mailwise | SendGrid | メール一斉送信プラグイン |
---|---|---|---|---|---|
料金体系 | プランに応じて変動 | 月額15,000円~/1ドメイン | 月額500円~/1ユーザー | ■Freeプラン:0円 ■Essentialsプラン:月額3,000円~/1ドメイン ■Proプラン:月額14,000円~/1ドメイン |
年間10,000円/1ドメイン |
連携方法 | システム連携/プラグイン | システム連携 | プラグイン | プラグイン | プラグイン |
HTMLメール | 〇 | 〇 | 〇 | ✖ | 〇 |
ステップメール | 〇 | ✖ | ✖ | ✖ | ✖ |
分析機能 | 〇 | △ | △ | △ | △ |
外部サービス/プラグインを選ぶ際の4つのポイント
kintoneと連携できる外部サービス/プラグインを5つご紹介しましたが、導入するサービスを選定する際に、どのような基準で選定すればよいか迷われる方もいらっしゃるかと思います。
そこで、これらのサービスを選定する際に知っておきたいポイントを4つご紹介します。
メール配信をする目的の整理
どのような目的でメール配信をするか明確にすることが最重要ポイントです。
社内報など情報周知、イベントやサービスに関する情報周知、メール配信を通じて見込み客の醸成や商談獲得のような営業用途など目的に応じて、使うべき機能が変わってきます。
そのため、自社の配信目的がなにか何か、その目的を達成するためにはどのような機能が必要かを予め想定し、適切なメール配信サービスを選定することが成果への近道です。
関連記事はこちらメルマガ配信ソフト選びは目的と機能が大事!失敗しないメルマガ配信ソフトの選び方
配信性能の確認
メール配信を行っても、送信先にメールが届かないと意味がありません。
そのため、メール配信サービスの配信速度や到達率を確認しましょう。
配信速度
配信速度とは、1時間あたりに配信できるメールの件数を表します。
一般的なメール配信サービスであれば、毎時数十万から数百通と言われています。
しかし、GmailやOutlookなどのメーラーと呼ばれる配信サーバーを使用する場合、配信速度が毎時500通と制限されています。
また、1日あたりに送信できるメール配信数にも制限が存在するため、これを知らずに運用をしてしまうと思い描いていた運用ができない可能性があります。
そのため、大量配信を想定されている場合は、GmailやOutlookのようなメーラーではなく、ベンダーが提供するメール配信サービスをおすすめします。
到達率
到達率とは、送信したメール件数のうち、受信者のメールサービスに届いた割合を表す指標です。(到達率=配信成功数/配信総数)
到達率が低いとメールが読者に届いていないことを意味するため、到達率もメール配信サービスを選定する上で重要な指標の1つです。
セキュリティ対策の有無
企業で利用する場合、メール配信サービスのセキュリティ対策が万全かどうかも重要なポイントです。
誤送信のような人為的なミスから起こりうる個人情報の漏えいを防ぐために、ログインできる人を制限する権限設定ができるメール配信サービスもあります。
また、メール配信には送信先つまり顧客のメールアドレスなどと言った個人情報を扱うことになり、メール配信をする際はメール配信サービスにその情報を預けることになります。そのため、預けている顧客情報が適切に管理されているかも重要なポイントです。
関連記事はこちらメール配信におけるセキュリティは大丈夫?情報漏洩しないための配信サービスの選び方
サポート体制の有無
操作方法で困った時、なにか不具合が生じた時などに問い合わせができる窓口があると安心してメール配信をすることができます。
サービスによっては、そもそも問い合わせできる窓口がない場合や問い合わせ窓口があってもメールやチャットのみで直接電話で確認できないと言うこともあります。
そのため、担当制によるサポートや、電話やメールなどでいつでも問い合わせができるサービスをおすすめします。
kintoneの顧客リストに営業メールを送るなら「配配メール」
kintoneからメール配信する目的が、顧客リストへの一斉送信、もしくは見込み客のフォローのフォローや商談獲得のような営業用途の場合、「配配メール」と連携させるのがおすすめです。
配配メールでは、単純な一斉配信・大量配信機能だけではなく、メール配信後の分析機能やステップメール機能などにより追客メールの自動化を実現できます。
メールの開封やクリックといった配信結果をkintoneに自動反映させることも可能なため、営業担当者の追客をさらに楽にすることも可能です。
kintone×配配メールでできることの詳細は、下記資料よりご確認ください。
まとめ
kintoneからメールを送る方法や外部サービスと連携する際に押さえておきたいポイントなどをご紹介しました。
一番重要なこととして、「どのような目的でメール配信をするか」「ゴールはなにか」ということをまず決めることです。
目的を明確にした上で、どのメール配信サービスがマッチするか選定していくことで、その先の成果が変わってきます。
kintoneからメール配信を検討される際は、本記事を参考にしていただければ幸いです。