サイコグラフィックをマーケティングに取り入れるための方法を解説!

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サイコグラフィックをマーケティングに取り入れるための方法を解説!

「サイコグラフィック」とは人のライフスタイルや個性、価値観などをあらわすための定性的な指標のひとつで、マーケティングに取り入れることで高い効果が期待できます。今回は、サイコグラフィックをマーケティングに取り入れる方法についてご紹介します。

目次

    サイコグラフィックとは

    サイコグラフィックとは人々の考え方やライフスタイル、趣味などの心理的な傾向をあらわすデータのことで、「サイコグラフィック変数」と呼ばれることもあります。
    マーケティングの分野においては「主に休日はどのように過ごしているか」「趣味の傾向」「よく読む雑誌」など、心理面が影響するセグメントでユーザーを分類するために使われます。

    多種多様な市場が存在するなかで自社の商品やサービスを効果的に販売するためには、商品やサービスを求めている顧客がいる市場に参入することが必要不可欠です。サイコグラフィックはそこで活用されるデータのひとつであり、新しい参入先の市場を選ぶ際のセグメンテーションを行う上で役立ちます。

    サイコグラフィックは、後述するデモグラフィックやジオグラフィックと併用して市場調査に活用されるケースが多いです。複数の変数を併用することによって、より自社に合った市場を見極めやすくなるといえるでしょう。

    デモグラフィックやジオグラフィックは「どのような人が商品を購入しているか」という表層的な情報を捉えたもので、サイコグラフィックはユーザーが「どのような動機で購入しているか」という心理的な情報を捉えたものであるといえます。

    デモグラフィックとの違い

    デモグラフィックとは、年齢や性別、職種、年収など事実に基づいた情報のことです。
    デモグラフィックにおけるセグメンテーションには人口統計学が活用されており、サイコグラフィックのように心理的な情報は含まれず、客観的な事実だけが情報として提示されます。

    前述のとおりサイコグラフィックは「消費者心理」をあらわす変数であるといえますが、デモグラフィックはあくまでも定量的なデータを参照して導き出された変数です。例えばサイコグラフィックでは「美容に興味をもっている人たちは美容情報の雑誌をよく購入している」などのセグメンテーションが可能で、デモグラフィックでは「30代の女性は美容雑誌をよく購入している」といったセグメンテーションになります。

    ジオグラフィックとの違い

    ジオグラフィックもデモグラフィックと同じように、事実に基づいた情報です。
    ジオグラフィックでは地理的属性のデータが活用されており、主な分類としては国や地域、居住エリア、現在地などの地理情報が代表的です。加えて気候や地域別の特性など、地理情報に関連したセグメントでユーザーを分類するのがジオグラフィックの活用方法です。

    例えば「〇〇という国に住んでいる人は△△の商品をよく購入する傾向にある」「〇〇地域では雨の日に△△がよく売れる」のようなデータの活用方法が検討されます。

    サイコグラフィックをマーケティングに取り入れるメリット

    サイコグラフィックをマーケティングに取り入れるメリット

    サイコグラフィックをマーケティングに取り入れることによって、デモグラフィックやジオグラフィックだけでは見えにくい潜在ニーズの発掘がしやすくなるというメリットがあります。
    潜在ニーズを発見できれば、まだ自社の商品やサービスを認知していない潜在顧客へのアプローチが可能になり、顕在化している顧客以外の新規開拓が可能になります。そのため、販路の拡大や売上向上に大きく貢献する施策であるといえるでしょう。

    例えば「ダイエットしたい」というニーズは、表面上だけを捉えると「体重を落としたい」というニーズでしかありません。しかし実際には「痩せてきれいになり、周囲から賞賛されたい」「ダイエットして健康になりたい」などのように、さまざまな理由でダイエットしたいと考えているユーザーがいます。
    このようなユーザー自身もはっきりと自覚できていない本質的なニーズを把握できれば、ターゲットに即したより効果的なマーケティング施策を打ち出せるでしょう。

    市場を選定するにあたり、デモグラフィックやジオグラフィックから導き出された情報にサイコグラフィックを加えることで具体性のあるペルソナを設定することができ、ターゲット選定がしやすくなります。

    サイコグラフィックのデータを集める方法

    サイコグラフィックのデータを集める際は、インタビューやアンケートが活用されるのが一般的です。ここでは、主な3つの方法についてご紹介します。

    パーソナルインタビュー

    パーソナルインタビューとは、「1対1で行う個人へのインタビュー」のことです。
    パーソナルインタビューが行われる場面はさまざまですが、例えば自宅や街頭、企業のオフィス、人が集まるショッピングモールなどが代表的といえるでしょう。インタビュアーが個人に対して直撃し、「〇〇についてどう思われますか?」といった質問を投げかけるケースもパーソナルインタビューの一種です。

    パーソナルインタビューを実施するためにはインタビューを行うスタッフを用意する必要があることから、アンケートなどに比べると比較的コストは高額になりやすいといえます。しかし、より実態に即した情報を得るための手段としては高い効果を発揮するといえるでしょう。

    無作為に選ばれた対象者へパーソナルインタビューを行う場合、選んだ対象者が商品やサービスの利用者でないケースも多いに考えられます。また、利用していたとしても数回程度の利用にとどまる場合もあります。
    インタビューの対象者が商品やサービスを利用していないと「なんとなく」のイメージによる回答が集まってしまう可能性があるため、十分な利用経験がある人にインタビューするのが望ましいといえます。しかし対象を利用者のみに絞り込むと、インタビュイーを見つけるまでに時間がかかるというデメリットがあります。

    さらに、インタビュアーの品質によって意見が誘導されてしまう可能性もあるため、対象者を絞り込んだり十分な経験を積んだインタビュアーを配置したりといった工夫が必要になるでしょう。

    フォーカスグループインタビュー

    フォーカスグループインタビューとは、6名前後のインタビュー対象者を集めて座談会のような形で特定のテーマに沿って会話を進めてもらいながら、意見を引き出していくインタビュー手法のことです。
    モデレーターが進行役を担い、参加者に対して商品やサービスへの意見を募ったり、なぜそう感じるのかを突き詰めたりしてユーザーのリアルな声を集めていきます。

    フォーカスグループインタビューではユーザーの商品やサービスに対する評価を確かめられるだけでなく、潜在ニーズの可視化にも役立つといえるでしょう。
    加えて、直接顔を合わせてインタビューを行うため、ターゲットのライフスタイルや趣味、考え方などを深く知ることができ、より具体性のあるペルソナ設定につながるというメリットがあります。

    アンケート

    アンケートとは、事前に用意した質問事項に回答してもらうことでデータを集める手法のことです。
    アンケートは消費者が店舗に来店したときや、イベント前後などに実施されるケースが比較的多いといえます。さらにWebを活用したアンケートもよく行われており、SNS上で「アンケートにお答えください」とアンケートページへの誘導を行うケースもあります。

    アンケートは実施の手軽さがメリットですが、複雑性の高い質問が難しいことや、アンケート結果の正確性を担保しにくいというデメリットもあります。

    サイコグラフィックをマーケティングに活用する方法

    サイコグラフィックをマーケティングに活用する方法

    サイコグラフィックを集めたとしても、そのままの状態では活用範囲は市場やターゲットを選定するためのセグメンテーションのみにとどまります。そのためサイコグラフィックをマーケティングに活用するには、集めたサイコグラフィックを正しく分析した上で「どのようにマーケティングに活用するのか」を検討する必要があります。

    サイコグラフィックをマーケティングに活用する方法の例としては、販促方法の変更やサービス価格の改定、サービス名の変更などが挙げられます。自社の商品やサービスを必要とするユーザーのニーズを適切に把握した上で、適切なマーケティング施策を立案することが重要です。

    まとめ

    心理的な側面をデータとして収集できるサイコグラフィックは、デモグラフィックやジオグラフィックだけでは導き出せない「ユーザーがなぜ購入しているのか」を判断するために効果的な変数です。セグメンテーションの際にターゲット像がより明確になるため、積極的に活用することをおすすめします。

    サイコグラフィックのデータ収集方法にはパーソナルインタビューやフォーカスグループインタビュー、アンケートなど複数の手法があります。メリットやデメリットも考慮した上で、自社に合ったものを選択しましょう。

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    この記事の執筆者

    大塚 陽生執筆者のXへのリンク
    株式会社ラクス
    ラクスクラウド企画部 オンラインプロモーション課
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    大塚 陽生

    広告代理店の営業&ウェブ広告の運用担当として6年間従事し、2019年4月ラクス入社。

    オンラインマーケティングチームに所属し広告運用や営業メールの運用を担当。

    メルラボでは、主に自身のメール配信実績をもとにした記事を作成。