ルート営業の仕事内容やメリット・デメリットを徹底解説!

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ルート営業の仕事内容やメリット・デメリットを徹底解説!

ルート営業とは、既存顧客に対して新商品の提案やヒアリングを行い、良好な関係を維持しつつ新たな契約に結びつけることを主な目的とした仕事です。なかには新規営業とルート営業のどちらが良いのかお悩みの方もいらっしゃるのではないでしょうか。そこで今回は、ルート営業の仕事内容やメリット・デメリットを徹底解説します。

目次

    ルート営業とは

    ルート営業とは、「自社の取引先である既存顧客への営業活動」のことです。
    自社の製品を既に購入・導入している取引先を訪問して、自社が所有するほかの製品を購入してもらったり、導入済みの製品のサポート対応を行ったりするのが主な業務になります。

    ルート営業の最も重要なミッションは「既存顧客との関係を維持し、さらに関係性を深める」ことであり、既存顧客と長期的に良好な取引を行う上で重要なポジションといえます。

    一般営業との違い

    「一般営業」と「新規営業」はしばしば同じ意味合いで使われている言葉であり、「まだ自社の取引先ではない見込み客に対して提案活動を行い、自社の製品を購入してもらうこと」がミッションになります。
    ルート営業は既存顧客、一般営業は新規顧客を対象とした営業活動だとイメージするとわかりやすいでしょう。

    一般営業は自社の製品の魅力を最大限に伝えて、購入したいと思ってもらうためのアプローチが重要になります。一方で、ルート営業は既存顧客へのきめ細かいフォローを行い、良好な関係性を築くための営業活動であるといえます。

    ルート営業の仕事内容

    ルート営業と一般営業の違いについてお伝えしましたが、ルート営業は具体的にどのような業務を行うのでしょうか。ここでは、主な3つの仕事内容について解説します。

    既存顧客の深耕・関係維持

    前述のとおり、ルート営業は「既存顧客との関係維持および深耕」を行う仕事です。
    企業が売上を立てるためには一般営業で新たな顧客を獲得することも重要ですが、既存顧客との関係性を良好に維持して安定的な売上を確保することも大切になります。既存顧客のもとを定期的に訪れて、困りごとはないか、自社に対して求めているものは何かを的確にヒアリングしつつ、定期的にコミュニケーションをはかることで関係性がより強固になります。

    自社との信頼関係を強めた取引先は、自社製品を追加購入したり、よりグレードの高い商品に移行したりする可能性が高まります。

    購入した商品のアフターフォロー

    既存顧客が購入した自社商品の使い方に悩んでいれば、スムーズに使用できるようにアフターフォローを行うのもルート営業の仕事のひとつです。
    顧客はニーズを満たしてくれる取引先を求めていることから、アフターフォローが不十分だと「あの企業は自社に対して十分なサポートをしてくれない」と不満を抱く原因になります。

    日頃から十分なサポートを行わずにいるといつの間にか競合他社に乗り換えてしまうことも考えられるため、ルート営業によるこまめなフォローが必要不可欠です。

    顧客のニーズを拾い上げる

    既存顧客は自社の商品やサービスを納得の上で購入しますが、使用しているうちに改善点や不満点などが浮かび上がってくる可能性があります。
    例えばシステムを新規導入した顧客であれば使いにくい部分をアップデートしてほしい、ある機能の便利な使い方を教えてほしいなど、さまざまなニーズが出てくるでしょう。

    顧客のニーズを的確に拾い上げて、一つひとつ適切なタイミングで解決することは、既存顧客からの信頼を獲得する上で重要です。
    ルート営業によって定期的にコミュニケーションをはかっていれば、その時々の顧客のニーズを見逃さずに最適なタイミングで捉えて解決に導くことができます。ルート営業は毎日変化がある仕事というわけではありませんが、顧客のニーズが変化した時にスムーズに対応することが求められます。

    ルート営業のメリット【営業担当者】

    企業がルート営業を配置することには、さまざまなメリットがあります。ここでは、営業担当者から見たルート営業のメリットをご紹介します。

    新規営業よりも売上を立てやすい

    前述のとおり、ルート営業は既存顧客に対して営業活動を行います。このことから、新規営業よりも売上を立てるのが比較的容易であるというメリットがあります。

    新規営業で売上を立てるためには、一切の信頼関係が構築されていない見込み客と根気よくコミュニケーションを取りながら、自社の商品やサービスの魅力を伝えなければなりません。まだ具体的な検討段階に入っていない段階から関係を密にして、見込み客が購入を検討し始めたタイミングを逃さない瞬発力も重要になります。

    一方で、ルート営業は既に自社の取引先となった顧客を相手に営業することから、一定の信頼関係は既に構築されています。なかには周期的に購入する必要がある消耗品などによる売上が期待できる業種・業態もあるため、新規営業に比べると売上を確保しやすいといえるでしょう。

    売上の管理が比較的容易

    多くの企業において、営業担当者に対するノルマを課しています。営業担当者は与えられたノルマを達成するために日々営業活動を行いますが、新規営業に比べると、ルート営業は目標に対する売上の管理が比較的容易であるというメリットもあります。

    新規営業の場合、失注してしまうと売上はゼロです。売上を立てるためにはほかの有望な見込み客と一から商談を行わなければならず、売上を確保するための労力は非常に大きいといえます。
    一方のルート営業は定期的に自社製品の購入が期待できる業種も多く、ある程度の売上を確保した状態から目標達成に向かって営業活動を行うことができます。
    目標と実績に大きな差が生まれにくく、安定的な売上を確保しやすいのは営業担当者の精神面にも良い影響をもたらしやすいでしょう。

    ルート営業のデメリット【営業担当者】

    ルート営業には多くのメリットがありますが、デメリットもいくつか存在します。ここでは、営業担当者にとってのデメリットを2つご紹介します。

    事務処理に工数がかかりやすい

    新規営業と比較して、ルート営業は発注が頻繁になりやすく、事務処理の工数が膨らみやすいというデメリットが考えられます。

    新規営業は1件あたりの受注総額が大きくなりやすいため、一度受注してしまえば事務処理は単発で終了します。しかしルート営業は消耗品などの定期購入も多く、購入のたびに発注書のやり取りや請求書の発行などを行わなければならないことから、新規営業の事務処理よりも手間がかかります。
    煩雑な事務処理が降りかかってくる点は、営業担当者にとってデメリットといえるでしょう。

    定型業務が多い

    ルート営業は既存顧客のもとを訪れて、必要なものはあるか、困っていることはないかなどをヒアリングし、関係を維持・構築する仕事です。そのため何も変わったことが起こらない日も多く、新規営業に比べると業務が単調になりやすいという側面もあります。

    同じルートをまわる定型業務が繰り返されると、変化のない毎日にモチベーションが低下する人もなかにはいます。
    ルート営業は、「決まった仕事に落ち着いて取り組みたい」と考える、ルーティン業務が得意な人に向いている仕事です。

    ルート営業のメリット【マネージャー】

    マネージャー目線で見ても、ルート営業にはメリットがあります。マネージャーとして組織全体を管理する上でどのような点がメリットになるのか、早速見ていきましょう。

    組織全体の売上を予測しやすい

    ルート営業は、新規営業に比べて組織全体の売上を予測しやすいのがメリットです。
    前述のように、営業担当者にとってもルート営業は目標達成までの売上管理が比較的容易です。一人ひとりがどのくらいの売上を上げるのかを高い精度で予測できれば、組織全体の売上も明確になりやすいといえます。

    一年を通して組織全体でどの程度の売上を確保しなければならないのかを把握し、その目標に近づけることは、企業にとって重要なミッションです。
    新規営業はどれだけ工数をかけても失注すると売上がゼロになってしまうリスクを抱えており、見込んでいた売上を失ってしまうことも考えられます。安定性を重視するなら、ルート営業による売上確保は有効な選択肢のひとつです。

    ルート営業のデメリット【マネージャー】

    メリットに続いて、マネージャーにとってルート営業はどのようなデメリットをもたらすのかを見てみましょう。

    新規営業に比べると成長性が低い

    ルート営業は既存顧客に対して営業活動を行うことから、新規営業に比べると成長性が低いというデメリットがあります。
    顧客にはそれぞれ一定の予算があるため、既存顧客の深耕によって確保できる売上には限界があります。企業が大きな成長を遂げるためには、新規営業によって新たな顧客を見つけていくことが必要不可欠です。

    ほかにも、新規営業に比べると単調になりやすいルート営業のモチベーションをどのように保つかという課題もあります。
    マネージャーにとっては営業担当者のモチベーションコントロールも大切な仕事ですが、ルート営業にどのようなモチベーションをもたせるかを工夫しなければならないといえるでしょう。

    ルート営業に重要な5つの要素

    ルート営業を成功させるためには、次の5つの要素を押さえておくことが大切です。

    1.顧客の目線に立って営業する

    ルート営業にとって重要なことは、「顧客が求めているものが何かをヒアリングする力」です。そのため、ルート営業を行う際は顧客の目線に立って営業することが求められます。

    例えば新商品が発売になったからといって、既存顧客に安易に導入を迫っても、「この営業はいつも自社の商品を押し付けてくるな」「相談したいことがあるのに全然聞いてくれない」と思われてしまうでしょう。あくまでも顧客の目線で「このお客様は今何を求めているのか?」を常に考えながら営業活動を進めることが大切です。

    2.顧客のニーズを引き出す

    顧客のニーズを引き出すことは、ルート営業にとって非常に重要な仕事になります。
    「お客様が現在必要としていることを最適なタイミングで解決する」ように意識してルート営業を行うと、顧客からの信頼が深まり、さらに頼ってもらえるようになったり新たな相談を持ちかけられたりする可能性が高まります。

    時には顧客自身がどのような課題を抱えているのか気がついていないケースもあるため、会話のなかで顧客の課題を引き出して解決策を提案する力も身につける必要があります。

    3.積極的にコミュニケーションをはかる

    ルート営業は既存顧客と関係を維持・構築することが重要なポジションです。そのため、積極的にコミュニケーションをはかって何か困っていることや必要なものがないかどうかを定期的に尋ねてみましょう。

    長い間連絡を取っていないと疎遠になりやすく、顧客側としても困りごとが発生した時にすぐに相談しにくい関係性になってしまいます。反対に、こまめに自社に訪問や連絡をしてくれている営業にはちょっとした悩み事や、課題といえるほどのものではないものの提案のヒントになるような情報を話してくれることもあるでしょう。
    「いつ行っても何も要望がないから」と通うことを止めずに、密なコミュニケーションを心がけることが大切です。

    4.提案力を身につける

    ルート営業は顧客のもとを訪問して課題や悩みを解決するのが主な仕事ではありますが、単に「御用聞き」のようになってしまうのでは良い営業とはいえません。
    自社の商品やサービスを十分に理解した上で、顧客のニーズを捉えてどのような手段で解決できるのかを提案する「提案力」を身につけることが重要になります。

    困っていることを相談された時にスムーズに解決策を提示できれば、顧客からの信頼は深まり、今後も困った時には相談しようと思ってもらえるでしょう。しかし具体的な解決策を提示してくれない営業だと「話しても意味がない」と思われてしまい、次第に関係が疎遠になってしまう危険性があります。

    5.顧客と会社の利益を考慮する

    営業活動を行う際は、顧客と会社双方の利益を考慮することが大切です。
    顧客に歩み寄りすぎてしまうと自社の利益を確保できませんが、自社の利益を優先しすぎるあまり顧客をおろそかにしてしまうと、信頼関係が壊れてしまいます。「顧客のニーズを満たしながら、自社の利益も確保する」ことを意識して、バランスの良い営業活動を行うことが求められます。

    そのためにも、前述のように自社の商品やサービスをよく理解した上で最適な提案を行うだけの提案力を身につけることが大切です。
    「顧客の目線に立って課題を解決する」ことを忘れずに、なおかつ自社にとって利益をもたらす営業活動を行いましょう。

    新規開拓とルート営業はどちらを選ぶのがおすすめ?

    本記事ではルート営業についてお伝えしてきましたが、実際に営業職に就こうと考えた時、新規営業とどちらを選ぶのが良いのでしょうか。ここでは、それぞれどのような人が向いているのかについて解説します。

    給与の高さや成長性を求める場合は新規営業

    高い給与をもらいたいと考えている人は新規営業を選ぶのがおすすめです。業種や業態によっては新規営業の達成度やノルマの達成率によって給与が変動する場合もあるため、より多くの給与を得ることをモチベーションに頑張れる人は新規営業が向いているでしょう。

    定型的な業務が多いルート営業に比べると、日常的にまだ取引のない見込み客と接する新規営業は提案の幅も広くなりやすく、さまざまな案件を通して自身を成長させるきっかけになります。
    営業活動を通して経験を積み、成長していきたい人にとっても新規営業が適しています。

    給与の安定性があり落ち着いて仕事をしたい場合はルート営業

    安定した給与をもらいながら、大きな変化がない環境で落ち着いて仕事をしたい人にとっては、ルート営業が向いています。
    受注か失注かで売上が0か100かになりやすい新規営業とは異なり、ルート営業は既存顧客との関係を維持するなかで少しずつ売上を積み上げていく仕事です。そのため新規営業に比べて売上が大幅に変動しにくく、給与は安定しやすい傾向にあります。

    日常に変化がないとモチベーションを保ちにくい人にとってはルート営業が退屈に感じられやすい面もありますが、毎日決まった業務をこなしながら取引先とコミュニケーションを取ることが苦にならない人にとってはルート営業が働きやすいといえます。

    ルート営業にはメール配信サービスが役立つ

    これまでお伝えしてきたように、ルート営業には既存顧客とのこまめなコミュニケーションが必要不可欠です。どれだけ良好な関係を構築できたかが、将来的な売上確保にもつながります。

    とはいえ、多くの顧客を継続的に訪問し続けるのは大変です。特に少数の営業が複数の既存顧客を担当しなければならない状況においては、全ての顧客を手厚くフォローしきれない場面もあるでしょう。
    そんな時は、メールによるアプローチが役立ちます。メール配信サービスをCRM(顧客管理システム)などと連携させて次の訪問までに少し間が空いてしまいそうな顧客を抽出し、メール配信を行うことで、直接訪問しなくても顧客とコミュニケーションを取り続けることが可能です。

    まとめ

    既に自社の取引先となっている顧客に対して営業活動を行うルート営業は、新規営業と比べて安定性が高く、落ち着いて業務に望みやすいのが特徴です。給与が安定した環境で腰を据えて業務に取り組みたいと考えるのであれば、ルート営業を選ぶのがおすすめです。

    ルート営業は1人の担当者が多くの顧客を担当するケースも多いため、直接的に訪問せずコミュニケーションを取ることで、少ない人数でも多くの既存顧客を手厚くフォローできます。
    効率的にフォローするためにはメール配信サービスなどの利用も検討すると良いでしょう。

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    この記事の執筆者

    大塚 陽生執筆者のXへのリンク
    株式会社ラクス
    ラクスクラウド企画部 オンラインプロモーション課
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    大塚 陽生

    広告代理店の営業&ウェブ広告の運用担当として6年間従事し、2019年4月ラクス入社。

    オンラインマーケティングチームに所属し広告運用や営業メールの運用を担当。

    メルラボでは、主に自身のメール配信実績をもとにした記事を作成。