DM(ダイレクトメール)の開封率を上げるコツは?開封率や反応率の計算法なども解説
DM(ダイレクトメール)はメールマガジンといったオンラインで手軽に行える宣伝手段よりも、開封率が高いとされています。アナログな手法であるDMが今なお活用されている理由や、効果がでない原因、開封率と反応率を上げるコツなどを詳しくご紹介します。
目次
DM(ダイレクトメール)とは?
DMはダイレクトメールの略語で、企業が宣伝や集客のために、顧客や担当者などの個人宛てに送付する印刷物を指します。DMの送付先は、主にサービスや商品を利用したことのある顧客や、サービスや商品を購入する可能性のある見込み客などです。
宣伝したい内容をデザインし、印刷・郵送する手間がかかりますが、現在でも多くの企業がDMでの販促や集客を実施しています。インターネットの普及で簡単にオンラインで広告を出したり、メールやSNSで告知をしたりすることができるにも関わらず、DMが活用されているのには理由があります。
メルマガとの違い
一般社団法人日本ダイレクトメール協会研究開発委員会が実施した「DMメディア実態調査2022」によると、本人宛のDMの開封率は75.4%を誇っています。一方で、メルマガの開封率は、平均20%程度です。
企業の商品やサービスに関心の高い顧客の場合でも、メルマガの開封率が20%程度であることを考えると、DMはかなり高い訴求力を持つことがわかります。費用や効率の面ではメルマガに劣ってしまいますが、確実に相手にアピールする手法として今なおDMは有効です。
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DMが使われる理由
多くのものがデジタルに移行している時代に、アナログな手法であるDMが生き残っているのは、費用対効果や開封率が高いからです。DMは狙ったターゲットに直接的にアプローチができるため、興味を持ってもらいやすくなります。
ただし、DMの作成・送付にかかる費用や時間は決して少なくありません。印刷や郵送の費用をかけてでも、DMを送って確実に顧客に告知をしたいというシーンで利用されることが多いでしょう。
DMの開封率や反応率は?
DMを有効活用するためには、開封率や反応率についての知識を付けておくことが大切です。自社のDMの成果がご紹介する平均値よりも低い場合は、何らかの原因が隠れている可能性があります。
「DMメディア実態調査2022」の情報を元に、DMの一般的な開封率と反応率をご紹介します。また、自社DMの成果を確認するために知っておきたい、それぞれの計算方法を解説します。
開封率と反応率の調査結果
そもそもDMの開封率と反応率の意味は、以下のとおりです。
- 開封率:DMを受け取った人が開封して内容を確認する確率
- 反応率:DMを受け取った人が購入・来店・問い合わせなどの行動を起こす確率
世帯で受け取ったDMの開封率は65%です。DMの宛先が本人か家族かに関わらず、半分以上のDMが開封されていることになります。
先にもご紹介したように、このうち本人宛のDMを開封する確率は75.4%と8割近くに上昇します。ターゲットを絞ったDMの送付は、情報を届けるという宣伝広告の重要なポイントを達成しているのです。
さらに、自分宛てのDMを受け取った場合の反応率も20%前後と、他の宣伝手法に対してかなり高くなっています。
開封率の計算方法
DMの開封率は、開封された数を送付した総数で割って求めることができます。開封率を導き出す公式をおさらいしておきましょう。
開封率(%)=開封された数÷送付した総数×100 |
500通のDMを送付したなかで、315通が開封された場合の開封率は以下のとおりです。
315÷500×100=63(%) |
反応率の計算方法
DMの反応率は、反応の数(問い合わせ数や来店数など)と送付した総数を使って導き出します。反応率の計算方法は、次のとおりです。
反応率(%)=反応の数(問い合わせ数や来店数など)÷送付した総数×100 |
500通のDMを送付して、95件の反応があった場合の計算式を確認しておきましょう。
95÷500×100=19(%) |
開封率・反応率の低いDMの特徴は?
一般的なDMの開封率は6割程度だといわれています。もし自社のDMの開封率が明らかに平均より低い場合は、何かしらの問題点がある可能性があります。
開封率・反応率が低く成果につながりにくいDMには、次の3つの特徴があるようです。
- 魅力が伝わらない
- 不要な挨拶から始まっている
- 購入方法がわかりづらい
DMの開封率・反応率を改善するには、まずどのような原因が隠れているかを知ることから始めましょう。
魅力が伝わらない
一瞬で目を惹きつけるような魅力が伝わらないDMは、開封率が下がる傾向があります。DMを受け取った際に、受け取り手は瞬間的に開封するかどうかを判断しています。
目に付く部分に単なる商品・サービスの紹介が連なっているDMは、受け取り手がすでに興味を持ってくれているケースを除いて、なかなか開封してもらえないでしょう。開封することで何かしらのメリットを得られると感じさせるようなデザインやレイアウト、宣伝文句を工夫する必要があります。
不要な挨拶から始まっている
代わり映えのない挨拶が冒頭に来てしまっている場合も、DMの開封率や反応率に悪影響を及ぼす可能性があります。DMの目的は、商品やサービスの魅力を伝え、受け取り手に購入や問い合わせなどの行動をおこさせることです。
まずはDMを開封し、中身を見てもらうことが先決です。形式ばった挨拶は、ある程度商品やサービスに興味を持ってくれた後でも構いません。
DMの開封率を上げるには、形式よりもインパクトを優先するとよいでしょう。
購入方法がわかりづらい
購入方法がわかりづらい場合は、せっかく興味をもってくれた見込み客を逃してしまうことにつながります。DMの反応率を上げるためには、受け取り手が行動を起こすために必要な情報を網羅しておく必要があります。
注文方法をフローチャートを使ってわかりやすく解説したり、問い合わせ窓口の情報を目につきやすい場所に記載したりするとよいでしょう。DMの内容をわかりやすくまとめることで、受け取り手が商品やサービスの購入を具体的にイメージしやすくなります。
DMの開封率を上げるコツ
ここからは、DMの開封率を上げる4つのコツをご紹介します。
- 送付する相手を選定する
- 興味・関心を引くメッセージを入れる
- 送るタイミングを調整する
- サンプルやプレゼントを同封する
DMは計画性を持たず大量に送ってしまうと、費用対効果が下がってしまいます。開封率を上げるコツを意識し、1つでも多くのレスポンスを獲得できるようにしましょう。
送付する相手を選定する
ターゲティングをおろそかにしてしまうと、せっかくDMを送っても思ったような成果を得られないでしょう。DMの開封率を上げるには、まず送付する相手をしっかりと選定するようにします。
DMに興味を持ってくれやすいターゲットに絞ることができれば、効果的にDMで商品やサービスの魅力を伝えられます。例えば、過去に購入履歴がある顧客や、問い合わせや商談を行った顧客などにDMを送れば、すでに自社のサービスを知っていて、他の人よりも興味を持っているといえるので、開封率は高くなると期待できるでしょう。
むやみやたらに数だけで勝負をするのは、費用対効果の悪化につながりおすすめできません。
興味・関心を引くメッセージを入れる
DMを受け取る人が、思わず中を確かめたくなるような仕掛けを凝らすのも1つの方法です。数多くのDMのなかから、自社のDMを開封してもらうには、他とは違う魅力が欠かせません。
ついつい開封してしまうようなキャッチコピーをのせたり、開ける前からクーポンの存在がわかるようなメッセージを記載したりすれば、メリットを感じた受け取り手がDMを開く確率が高まります。
送るタイミングを調整する
BtoCであれば金銭的な余裕があるときや、購買意欲が高まっているときであれば、DMを確認してもらえる確率が高まります。一般的なボーナスの時期とされる、6月や12月にDMを送れば、ボーナスで買い物をしようとしている見込み客の目に留まる可能性があります。
顧客や会員の情報を入手している場合は、誕生日月にクーポンを配布する形でDMを送付することもできます。それぞれにピッタリのタイミングでDMを送付できれば、開封率の向上が期待できるでしょう。
BtoBの場合は、繁忙期を避けたり、新たな施策を検討し始める期末や期初といったタイミングを狙うと良いでしょう。
サンプルやプレゼントを同封する
受け取り手がDMを開封する大きな理由として「メリットを感じること」が挙げられます。特に興味のない分野のDMに関しては、印刷物のみが入っていると判断されてしまうと、中身を見ることなく捨てられてしまう可能性もあるでしょう。
そこで開封してもらう仕掛けとして、サンプルやプレゼントの同封が有効です。開封してもらえなければ意味がないため、開ける前にサンプルやプレゼントの存在を知らせるメッセージを載せるようにしましょう。
DMの反応率を上げるコツ
DMの開封率が改善できたら、次は実際の利益につながる反応率に注目しましょう。DMの反応率を上げるには、次の3つのコツがあります。
- 送付対象に合わせた商品を紹介する
- 購入や反応の導線を作る
- お得になる情報を載せ行動する理由を作る
ご紹介する反応率を上げるコツを実施し、DMの成果を改善してみてください。
送付対象に合わせた商品を紹介する
魅力的な印象を与えることができれば、DMを開封させるところまではスムーズに進む可能性があります。しかし、実際に購入や問い合わせなどの行動を起こしてくれるかどうかは、DMで紹介する商品の影響が大きいです。
送付対象が興味を持つであろう商品を紹介できれば、DMの反応率を上げられるでしょう。ニーズに合わせたDMを送付するには、事前のリサーチが欠かせません。
反応率の高いDMに仕上げるために、ターゲット層と商品がマッチしているかを必ず確認するようにしましょう。
購入や反応の導線を作る
興味を持ってくれた見込み客を購入や問い合わせに促すには、わかりやすい導線を作っておくことが大事です。申し込み用の返信ハガキを同封すれば、サービスの利用を検討している見込み客をスムーズに誘導できるでしょう。
また、サービスや商品のより詳しい情報を紹介する手立てとして、Webサイトに誘導するためのQRコードも有効です。DMにはのせきれなかった魅力を伝える機会となるため、目に付きやすい場所にQRコードを記載しておきましょう。
次の行動に移ろうとするユーザーに、迷う隙を与えないような導線を確保しておくことがDMの反応率を上げるカギです。
お得になる情報をのせ行動する理由を作る
「DMを読んで興味を持ったけれど、いきなり購入や申し込みをするのは不安…」という考えの見込み客がいることも想定できます。そのような場合は、今申し込むことのメリットを強調するのも手です。
お得な値段でのトライアルの情報や、期間限定のセール情報があれば、見込み客が今行動を起こすための後押しとなります。「DMを受け取った人限定!」などの特別感を出すと、前向きに検討してくれる確率も高まるでしょう。
まとめ
DMは印刷物の郵送というアナログな方法でありながらも、高い開封率と反応率のあるアプローチ手段です。いまいちDMの成果が上がらない場合は、どこかに原因が隠れている可能性があります。
DMの開封率と反応率に関する知識を付けて、自社のDMの問題点を改善するために役立ててみましょう。DMを上手く使いこなせば、商品やサービスの魅力を効果的に伝えられるようになるはずです。