ハウスリストとは?メリットや作り方、活用方法を解説

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ハウスリストとは?メリットや作り方、活用方法を解説

営業活動を行う際に自社と接点のある顧客を取りまとめたハウスリストを活用することで、効率的に新規顧客の獲得を目指すことが可能になります。全く接点のない相手に営業するよりも成約率が高まるため、ハウスリストを整備して営業活動に臨むことは大切です。
そこで今回は、ハウスリストの基礎知識や活用メリット、具体的な活用方法などについて解説します。

目次

    ハウスリストとは何か

    ハウスリストとは、Webサイトへの訪問ユーザーやセミナー・展示会などのイベント、営業活動などによって収集した、企業がもつ見込み客情報のことを指しています。

    個人情報保護法によって顧客情報の保護が厳格になり、近年では顧客リストの購入が容易ではなくなったため、ハウスリストをもとにした営業活動が積極的に行われるようになりました。
    営業リストとして活用される機会が多く、企業にとっては少なくとも1回以上接触をはかっている見込み客であることから、確度が高まりやすいという特徴があります。

    コールドリストとの違い

    コールドリストとは「これまで自社と一切接点がなかった見込み客」のことを指しています。例えば企業のWebサイトを参照して営業リスト化した企業や、電話帳からリストアップした企業、業者から購入した見込み客情報などが挙げられます。

    これまで全く自社と接点がないためハウスリストに比べると情報の正確性に欠けるなど、実際にアプローチしてみなければ実態がわからないのが特徴で、ハウスリストと比べると確度は低い傾向にあります。
    なかには情報が古いままになっており、テレアポを試みたものの連絡がつかないといったケースもよくあります。

    ハウスリストは何故重要なのか

    前述のように、近年では個人情報保護の重要性が高まっており、リスト販売業者から見込み客の情報を気軽に購入することが難しくなっています。
    コールドリストを利用した飛び込み営業は従来型の営業手法としてよく行われていましたが、セキュリティの観点から社員の専用ゲートなどを設ける企業も増えてきており、訪問したものの門前払いとなってしまうケースも少なくありません。

    また、飛び込み営業やテレマーケティングはかかる稼働に対して、十分な成果を獲得しづらいというのが実情です。そのため「数を打てば当たる」という従来型の営業スタイルから、「見込み客の質を高めて成約率を引き上げる」現代型の営業スタイルへの切り替えが求められています。

    ハウスリストは展示会やセミナー、メルマガ、Webサイトなど、なんらかの形で一度は接点をもったことがある見込み客であることから、コールドリストの見込み客に比べると自社に対して一定の好感があり、アプローチしやすいといえます。

    こういったことから、ハウスリストの存在は自社の営業活動の効率を高めるために重要です。

    ハウスリストを活用するメリット

    ハウスリストを活用することによって、次のようなメリットがあります。

    新規リード獲得コストを削減できる

    ハウスリストを活用した営業活動は最初から自社との関係がある程度できているため、門前払いになる確率が低く、新規リード獲得コストを削減しやすい営業手法であるといえます。

    一方で、コールドリストを利用した営業活動は数を重視した取り組みになりやすい傾向にあります。
    事前に用意したリストに上から順番に電話をかけたり、次から次へと飛び込み訪問したりするなど、無駄なコストが発生しやすい手法であるといえるでしょう。

    意思決定者の名前や連絡先が把握できている

    ハウスリストを活用した営業活動では、既に見込み客の情報がある程度明らかになっており、意思決定者の名前や連絡先を把握できているケースが多いといえます。

    一方のコールドリストを利用した営業活動では、見込み客との商談にたどり着けても意思決定者とコンタクトを取れるまでの時間がかかり、結果的に受注までの期間が長期化したり、タイミングを逃して失注したりする可能性があります。
    このことからも、ハウスリストを利用した営業は受注確度を高める上でメリットがあるといえるでしょう。

    外部環境の変化を受けにくい

    ハウスリストを十分に保有している企業は、ハウスリストを保有していない企業と比較すると、顧客の新規開拓を目的として施策への依存度はそこまで高くないため、外部環境の変化を受けにくくなるというメリットもあります。

    新規営業の手法のなかでも、コンテンツマーケティングは特に外部環境の変化を受けやすい傾向にあります。そのため検索エンジンの評価の仕組みが変わってアクセスが激減したり、SNSがなんらかの事情で凍結されてしまったりするリスクがあるため、安定的に営業活動を行えるハウスリストの存在は重要です。

    顧客の特性に合わせて柔軟なアプローチが可能

    顧客の特徴をある程度把握できているハウスリストをもとにした営業活動では、顧客の特性に合わせて柔軟なアプローチが可能です。
    顧客の興味を惹く情報を積極的に提供し、検討段階に合わせた適切なアプローチを行うことで、確度の高い営業につながります。

    アプローチを不快に思われにくい

    既に一定の接点があるため、アプローチを不快に思われにくいのもハウスリストのメリットです。テレアポをしたもののすぐに切られてしまって聞く耳をもってもらえないなどの失敗例が少なく、安定的に提案の機会を確保できます。

    ハウスリストの作り方

    施策に活用しやすいハウスリストを作るには、事前の計画が重要です。以下の4つのステップで、具体的な手順を解説します。

    情報項目を設定する

    まず、リストに含める情報項目を設定します。基本的には下記のような項目を管理します。

    • 企業名
    • 業種
    • 担当者名
    • 所属部署
    • 役職
    • 連絡先
    • アプローチ履歴

    他にも「受注確度」や「導入予定時期」、「競合の検討状況」、「接点を持った経路」などを追加するのもよいでしょう。

    受注率の高い業種や、顧客の関心とかかわりの深い特性があれば、情報項目で判別できるようにしましょう。後述するセグメンテーションに活用できます。

    ただし、項目を増やしすぎると、入力に手間がかかって未入力が増えたり、管理が大変になりますので注意しましょう。

    リスト化する対象を設定する

    次に、どのような顧客をリストに含めるのかを決定します。大きく分けると、すべてのリードをリスト化するパターンと、有効なリードのみをリスト化するパターンの2つがあります。すべてのリードをリスト化する場合、ハウスリストの数は大きくなりますが、商談や受注につながらない質の低いリードが含まれるというデメリットもあります。有効なリードのみをリスト化する場合は、その判断基準を明確にしておきましょう。

    また、既に取引を行っている既存顧客が含まれていないか入念なチェックも必要不可欠です。既存顧客が含まれていると「既に取引があるのに、知らずに連絡してきたのか」と不信感を抱かせてしまう可能性があるためです。

    情報を入力する

    項目と対象が決まったら、実際に情報を入力していきます。入力ミスがないように、必ずWチェックを行いましょう。名刺管理ツールなどを活用して効率化を図るのもよいでしょう。

    情報を更新する

    ハウスリストは定期的に更新して、常に最新の状態を維持しましょう。
    担当者や住所・メールアドレスなどの基本情報のほか、変更点があれば常時更新することで、効率的かつ顧客に寄り添った営業活動を実施できます。

    ハウスリストを活用する方法

    ハウスリストを活用するなら、次の6つのポイントを意識することが大切です。

    ハウスリストの件数を充実させる

    ハウスリストの数が少なければ、アピールできるチャンスもそれだけ少なくなってしまいます。
    日頃からWebサイトの充実やイベント開催などにより積極的に見込み客の獲得をはかり、ハウスリストの件数を充実させましょう。

    セグメンテーションを行う

    ハウスリストの情報は、特定の属性や要素によってセグメンテーション(グループわけ)を行うことで、より効果的なアプローチが可能になります。
    年齢や性別、興味・関心、所属、趣味などさまざまな要素に基づいたセグメンテーションを行うことをおすすめします。

    関連記事はこちらセグメンテーションが注目される背景と分類方法について詳しく解説

    カスタマージャーニーマップを作成する

    カスタマージャーニーマップとは、「自社の製品を認知し、購入の意思が高まり、実際に購入に至るまでの道筋を整理したロードマップ」のことです。
    カスタマージャーニーマップを作成することで、受注に結びつくまでの一連のプロセスを可視化し、効率的な営業活動につながります。

    関連記事はこちらカスタマージャーニーとは?定義やマップの作り方まで徹底解説

    顧客にとって価値のあるコンテンツを提供する

    ハウスリストの見込み客は自社に対して一定以上の興味を抱いている可能性が高いものの、顧客にとって価値のあるコンテンツを提供し続けなければ、自社に対する関心は高まりません。
    「顧客は自社に何を求めているのか」をよく検討した上で、顧客にとって有用なコンテンツを発信しましょう。

    まとめ

    ハウスリストを活用することで、自社と接点のある顧客に対して確度の高い営業活動を行えます。
    Webサイトの訪問者やイベントで出会った見込み客などを定期的に取りまとめて、自社が営業しやすいハウスリストの作成を目指しましょう。

    作成したハウスリストを活用する際は顧客にとって価値のあるコンテンツを提供するよう意識することが大切です。どのような情報を提供すると顧客の関心を高められるのかをよく検討し、心をつかむような情報を発信しましょう。

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    この記事の執筆者

    大塚 陽生執筆者のXへのリンク
    株式会社ラクス
    ラクスクラウド企画部 オンラインプロモーション課
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    大塚 陽生

    広告代理店の営業&ウェブ広告の運用担当として6年間従事し、2019年4月ラクス入社。

    オンラインマーケティングチームに所属し広告運用や営業メールの運用を担当。

    メルラボでは、主に自身のメール配信実績をもとにした記事を作成。