プロセスと事例から学ぶ!効果的なリードナーチャリング(顧客育成)の方法

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プロセスと事例から学ぶ!効果的なリードナーチャリング(顧客育成)の方法

顧客とコミュニケーションをこまめにはかり関係性を構築するリードナーチャリングは、マーケティングを強化するために効果的な手法の一種です。長期的にユーザーをフォローし、適切なタイミングで情報を届けることで、顧客の購買意欲を促進できます。
リードナーチャリングの手法には複数種類があるため、自社に合ったものを選ぶことが重要になります。
そこで今回は、リードナーチャリングのメリットやプロセス、事例に関する情報をまとめてご紹介します。

目次

    顧客の購入意欲を刺激する「リードナーチャリング」

    リードナーチャリングは、マーケティングにおいて大切な「顧客を育てる」ためにかかせない手法です。一度でもコンタクトをとったことがある顧客に対して、定期的にアプローチをとることも方法のひとつです。他にも、現在顧客ではない潜在顧客、見込み客の購入意欲を刺激して購入に結びつけることができます。また、購入を決めるまでに時間がかかる商品のマーケティングにも有効です。例えば、購入までに多くの方の合意を得なければいけないBtoBのシステム商品や、慎重に購入するかどうかを決めていかなければいけないマンションやウェディングなどの高額商品のマーケティングにもピッタリでしょう。

    顧客の育成が売り上げアップやビジネスの拡大にかかせないことは言うまでもありませんが、その方法は年々難しくなり続けています。

    現在は、ネットの普及によって顧客は自らさまざまな情報を求めるようになり、徐々に買い手が主導権を握って購買行動をするようになっています。
    従来は売り手側が顧客に対して情報を提供することによって主導権を握ることができていましたが、今日では顧客がさまざまな情報を自発的に得ることができるようになりました。そのため、それぞれの顧客のニーズに対応しつつ定期的にアプローチを行うことが求められるようになっているのが現状です。

    このような背景もあって、ビジネスシーンにおいてリードナーチャリングが注目されるようになっています。

    リードナーチャリングが注目された理由とメリット

    リードナーチャリングはアメリカ発祥のマーケティング手法なのですが、近年どんどん日本でも注目されてきており、マーケティングに取り入れる企業が増えています。ここでは、リードナーチャリングが注目されはじめた理由と、リードナーチャリングのメリットを併せてご紹介します。

    リードナーチャリングが注目された背景

    リードナーチャリングが注目されている背景には、ユーザーの購入スタイルの変化が関わっていると言われています。インターネットが普及する前は、商品などの情報は企業が発信した内容を受け取って検討するのが主流でしたが、インターネットが広く浸透しはじめてからは、ユーザー自身で気になる商品の情報を集めることができるようになりました。ユーザーは集めた情報でサービスや商品を比較するため、1~2回の営業活動では購入に至らないケースが増え、商品購入に至るまでの検討期間が長期化しました。そのため、検討期間が長い商品やサービスのマーケティングに有効的なリードナーチャリングが注目されはじめたのです。

    リードナーチャリングのメリット

    リードナーチャリングの手法は、変化してきたユーザーの購入スタイルに合わせるために活用されていますが、他にも色々なメリットがあります。そこで、リードナーチャリングのメリットをいくつかご紹介します。

    1. 長期的にユーザーをフォローする仕組みができる

    購入プロセスの長期化に伴い、企業は見込み客などを長期間かけてフォローしなくてはいけません。しかし、営業担当者で顧客一人一人をフォローし続けることは難しく、効率的ではありません。そこで、リードナーチャリングの手法を用いて顧客に対してフォローができる仕組みを作れば、効率的に長期間フォローすることができるようになります。

    長期間ユーザーをフォローし続けることによって信頼関係を築くことができるだけでなく、新たな商品購入のきっかけなどを与えることもできます。つまり、常に新しい商品やサービスを売り込むチャンスを得ることにも繋がるのです。

    さらに特定のユーザーを長期的にフォローし続けることによって、別のユーザーの獲得に繋がることもあります。信頼関係がしっかりとしていれば、知人や友人などに商品やサービスを紹介する可能性もあるでしょう。つまり、既存顧客を大切にすることが結果として新規顧客の獲得に繋がるのです。

    このように、一見関連性がないように思えても別の形で売り上げに繋がるケースもあります。これもリードナーチャリングのメリットであり、大きな強みと言えるでしょう。

    2. 適切なタイミングで情報を届けることができる

    リードナーチャリングで、見込み客の興味や行動を可視化していきます。そうすることで、見込み客が必要としている情報を、必要なタイミングで届けることができるようになるので、効果的にアプローチが可能です。適切なタイミングのアプローチはユーザーにとっても企業にとっても大きなメリットです。

    3. ブランドのイメージを高めて信頼を築ける

    適切なタイミングで必要な情報を提供することができると、ユーザーは良いイメージを抱きます。また、長期にわたってユーザーをフォローする仕組みを整えておけば、ユーザーとコミュニケーションをとれる機会を増やすことができます。そうすることにより、ブランドのイメージアップを行いながら、ユーザーと信頼関係を築くことができます。

    4. 継続的に売り上げをだすことができる

    リードナーチャリングの実践で検討段階の顧客を抱えている企業ほど、継続的に売り上げをだすことができるようになります。見込み客の検討段階に合わせてリードナーチャリングの手法を変えていき、信頼関係を築きながら購入までのフォローを行い、定期的に売り上げをだすことができるのは大きなメリットです。

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    リードナーチャリングの事例と手法

    実際に、リードナーチャリングを行おうと考えた場合、どのような手法で行うのかイメージがつかない方も多いと思います。リードナーチャリングをマーケティングの手法に組み込みたいと考えている方は、下記にリードナーチャリングの手法と、活用事例についてまとめたので、ぜひ参考にしてください。

    リードナーチャリングの手法

    ・SNS

    現在のマーケティングにおいて、SNSは重要な役割を担っています。SNSはユーザーとの関係性を構築する場として、近年は広く活用されはじめています。SNSで企業のアカウントを作成して、情報を求めてくれているユーザーに向かって日々発信することにより、顧客との良好な関係を築いていけます。

    ・セミナー

    顧客が求めている課題、自社の商品・サービスに関することをテーマに置いて、セミナーを開催します。セミナーは、基本的に面と向かって対話をすることが多いため、ユーザーとの距離も近くなり、関係性が強化されます。また、文面よりもより細かい部分の内容を伝えやすく、ユーザーの反応を直接感じることができます。

    ・メルマガ

    メルマガは定期的に多くのターゲットに向けてアプローチをすることができます。定期的なアプローチで見込み客を育成して購入へ繋げる効果は高いのですが、メルマガの登録と同様、登録解除のハードルも低いため、有益な情報を提供し続けないといけません。継続的に送ったメルマガを読んでもらうためには、タイトルなどを工夫して配信するようにしましょう。

    ・オウンドメディア

    オウンドメディアとは、自社の所有するWebサイトなどのメディアのことです。オウンドメディアを通じてブログ記事をはじめとしたコンテンツを継続的に発信することで、商品やサービスへの関心を高めると同時に自社を認知してもらうきっかけにもなります。SEO対策やSNS運用などと併用することでさらに集客力が高まります。

    ・オンライン接客

    最近では、Web会議システムなどを応用したオンライン接客もよく行われています。商品やサービスについてインターネットを通じて対面で説明することにより、商品の使い方が伝わりやすくなるだけでなく、その場で質問を受けつけるなどの双方向のやり取りができるというメリットがあります。

    ・インサイドセールス

    電話やメールを通じて見込み客の関心を高めるインサイドセールスは、リードナーチャリングの代表的な手法のひとつです。これまで顧客の元に直接足を運んで関係構築を行っていたものが、会社にいながら顧客との関係を深められるようになるので、業務効率を高めつつ人件費や交通費などのコストを削減できます。

    ・Web広告

    広告を運用することによってリードナーチャリングを行うこともあります。企業のWebサイト上の広告枠に広告を出稿して商品の認知度を高めたり、検索結果にユーザーが検索したキーワードと関連性の高いページを表示させて購入意欲を高めたりするなど、運用する広告の種類によってさまざまな効果が期待できます。

    ・ホワイトペーパー

    ホワイトペーパーとは、企業がWebサイトなどでビジネスや技術的なノウハウをまとめたダウンロード資料のことです。ホワイトペーパーをダウンロードするためには企業情報や氏名、メールアドレスなどを入力しなければならないケースが多く、この仕組みによって新たなリードを獲得すると同時に、ある程度自社に関心があると判断できます。

    ・ダイレクトメール

    ダイレクトメールは自社商品の広告やカタログなどを郵送する方法です。古くから用いられている手法であり、現在でもよく行われます。読まずに捨てられてしまうリスクもありますが、商品を大きな写真でじっくりと眺められるなどのメリットがあります。

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    リードナーチャリングの事例

    ・SNSを活用したユーザーとのコミュニケーション

    衣料品で有名なUNIQLOは自社のFacebookアカウントにて、お得なキャンペーン情報や新商品の情報を投稿しています。自社の商品やサービスを「買ってみたい、使ってみたい」と思ってもらえるように、定期的にユーザーが求める情報を提供し、見込み客の育成を行っています。

    ・高い効果を得たオンラインセミナー

    SNSを活用したリードナーチャリングの他にも、オンラインセミナーを開催して大きな効果を得た企業もあります。SAP社では、ウェブキャストなどを活用して実際にサービスや製品を使っている人から話を聞いたり、質問を受けつけたりするオンラインセミナーを行い、10億ドル以上の売り上げに繋げました。

    効果的にリードナーチャリングを行うためのプロセス

    ここまで、リードナーチャリングの手法や事例、メリットなどをご紹介しました。しかし、実際にリードナーチャリングで効果的に見込み客を育てるためには、どのような流れで取り組んでいけばいいのか分からないという方は多いかと思います。そこでリードナーチャリングの4つのプロセスをご紹介します。

    1. 見込み客を集めて情報をまとめる

    セミナーやWebでの広告、名刺交換などで集めた見込み客の情報を、しっかりと整理してまとめておきましょう。ここでまとめた情報は、リードナーチャリングの基盤になります。

    2. 商品が購入されるまでのプロセスを理解する

    見込み客に商品をアプローチするためには、実際に商品が購入されるまでの流れやプロセスを知っておかなくてはなりません。自社の商品やサービスが購入されるまでのプロセスが分かれば、どのようにアプローチをすれば、顧客の購入意欲を効果的に刺激できるかということも分かるからです。また、その顧客が商品を購入するまでのプロセスをカスタマージャーニーマップで可視化しておくと、次のステップの「見込み客のジャンル分け」がしやすくなります。

    3. 見込み客をランク分けしていく

    カスタマージャーニーマップを作成したら、次はまとめた見込み客の情報をランク分けしていきます。ランク分けには基本的に「スコアリング」が使用されており、見込み客が行った行動に対し点数をつけて、どの顧客がカスタマージャーニーマップのどの位置にいるのかを分けていきます。スコアリングの点数は「問い合わせページを見たら10点、サービス紹介ページを見たら5点」というイメージで、購入意欲や商品への興味が高い顧客が割り出せるようにつけていきます。

    4. 割り当てたランクに応じてアプローチをする

    見込み客をランクで分けたあとは、それぞれにアプローチをしていきましょう。アプローチ方法は先ほどご紹介した「SNS・メルマガ・セミナー」などさまざまな方法があるので、適切な方法を選ぶようにしてください。

    関連記事はこちらリードナーチャリングとは?具体的な実践方法を5つのステップでご紹介

    リードナーチャリングの事例やプロセスを知ろう

    現在注目されているリードナーチャリングは、見込み客を効率的に育てることができる手法です。しかしリードナーチャリングは、見込み客のランク分けをして適切なアプローチをしなければ、高い効果を得るのは難しいと言えます。そのため、今後自社のマーケティングでリードナーチャリングを取り入れていきたいと考えている場合は、今回ご紹介したリードナーチャリングの手法や事例、また効果的なリードナーチャリングを行うためのプロセスをしっかりと押さえておきましょう。

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    この記事の執筆者

    山盛 有希子執筆者のXへのリンク
    株式会社ラクス
    ラクスクラウド企画部 オンラインプロモーション課
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    山盛 有希子

    自動車部品メーカーで広報として3年間従事し、2020年6月にラクス入社。

    オンラインマーケティングチームに所属し、メルマガ運用やメルラボの企画・コンテンツ作成を担当。

    社内外向けにセミナーや勉強会を行い、メールマーケティングのナレッジを提供している。