MAのシナリオ設計で効果を高めるためのポイントとは

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MAのシナリオ設計で効果を高めるためのポイントとは

MA(マーケティングオートメーション)を行う上で特に重要となるのが、自動化を行う際のルールにあたる「シナリオ」の設計です。シナリオ設計の考え方はパーソナライズマーケティングの概念に基づいて行うのが基本ですが、効果的な設計の方法がわからないという方も少なくありません。今回は、MAのシナリオ設計においてより効果を高めるためのポイントをご紹介します。

目次

    シナリオとは

    一般的なシナリオとは、映画や舞台のストーリーや設定などの「筋書き」を意味します。マーケティング用語としてのシナリオも同様に「筋書き」という意味で、「顧客に対してもっとも効果的なアクションを定めたもの」をシナリオと呼びます。言い換えると、「マーケティングにおけるルール」ということです。

    MAにおいてシナリオが重要な理由

    MAの代表的な手法であるメール配信においてシナリオは重要な要素です。配信を自動化したとしても、やみくもにメールを送っていては十分な効果は得られません。
    逆に言えばしっかりとしたシナリオ設計をすると、同じコストをかけたメール配信であっても最大限の効果を期待できます。

    シナリオ設計で得られる効果

    前述の通り、MAにおいてシナリオ設計はもっとも重要なポイントのひとつです。
    ここでは、シナリオ設計によって得られる効果を具体的にご紹介します。

    見込み客獲得数の向上

    シナリオを設計することでマーケティングの精度を高めることができ、結果として見込み客獲得数の向上が見込めます。
    同等の手間をかけてマーケティングを行ったとしても、より精度が高い方がその分だけ効率も良くなり多くの成果に繋がります。

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    コスト効率の向上

    MAのシナリオ設計を行うことによって、マーケティング業務の多くが人の手から離れることになります。結果として多くの企業で悩みとなっている人手不足の問題を解消し、限られたリソースをコア業務に充てることに繋がります。

    あらゆる顧客に対応できる

    顧客に合わせたシナリオを設計することで、あらゆる顧客に対応することができます。
    たとえば、自発的に行動する顧客に対してはうまく誘導してより成果に結びつきやすくし、行動を分析してデータを蓄積できるようなシナリオを設計します。
    なかなか自発的に行動しない顧客に対しては、行動を引き起こすように誘導するシナリオを設計します。
    このようにパターン別にシナリオ設計することで、あらゆる顧客に対応できます。

    シナリオ設計の手順

    MAのシナリオを設計する際には、踏むべき4つのフローがあります。

    ここでは、それぞれのポイントに分けてご紹介します。

    目的を明解にする

    まず初めに、何を目的とするかを明確にしましょう。

    目的がないまま、シナリオを設計し施策を行うと、期待する効果が得られない、シナリオの良し悪しを判定できないということもあります。

    ターゲットの選定

    次にシナリオ設計でもっとも重要となる「ターゲット」を選定します。ターゲットによって取るべきアクションはまったく異なるためです。
    まずターゲットとなる顧客を「見込み客」「新規顧客」「休眠顧客」といった形で分類し、それぞれの行動や属性に分けて絞り込みます。

    ターゲットの選定は、後にご紹介する「タイミング」「コンテンツ」「手段」にも大きく影響しますので、しっかりと設定することが大切です。

    タイミングの設定

    アプローチのタイミングによっても、マーケティングの効果に差が出ます。過去の顧客行動などを分析した上で、もっとも効果的なタイミングを検討しましょう。
    もちろん商材によっても異なりますが、基本的には過去のデータを分析し、多くの顧客が決断に至ったタイミングの少し前にアプローチをかけます。顧客の背中を少しだけ押してあげるようなイメージです。

    コンテンツを決める

    続いて、具体的なコンテンツの内容を決定します。基本的にはターゲットが何に興味を持っているのか、また持つ可能性が高いのかを考えます。
    顧客の分類がしっかりとできていれば、提供するべきコンテンツが自然と見えてきます。

    手段を決める

    ここまで設定したら、最後にターゲットにどうコンテンツを届けるか、手段を検討します。

    具体的にはチャネルを選択しますが、チャネルには複数の選択肢があります。
    たとえば、EメールやLINEなどのSNSのほか、ダイレクトメールやアウトバウンドコールなどです。コストなどを鑑み、複数のチャネルの中からベストなものを選ぶことが大切です。

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    BtoB/BtoCのシナリオ例

    シナリオの作成フローについてご紹介しましたが、どのようなタイミングでどのような内容のシナリオを作成すればいいのか明確になっていない方もいるでしょう。

    ここでは、一般的によく設定されるシナリオ例をBtoB企業とBtoC企業別でご紹介します。

    BtoBのシナリオ例

    BtoB企業でよく設定されるシナリオには以下のようなパターンがあります。

    【資料請求を促す】

    ・自社サイトに再訪しているが資料請求には至っていない顧客に対して、ポップアップで資料請求フォームやCTAを表紙

    【商談獲得】

    ・資料請求後連絡のない顧客に対して、1週間置きに顧客にとって役立つ情報を提供する送付、反応があった顧客に商談依頼メールを送付

    BtoCのシナリオ例

    BtoC企業でよく設定されるシナリオには以下のようなパターンがあります。

    【リピート創出】

    ・購入者の誕生日や特別なイベントに合わせて、クーポンやオファーを送付

    【サービス利用率の向上】

    ・購入者に対して、購入後1週間を目途に活用例や他商品と組み合わせて効果の出た事例を送付

    効果的なシナリオを作成するポイント

    ここからは効果的なシナリオを作成するポイントやコツをご紹介します。

    ペルソナの設定

    効果的なシナリオを作成するためには、ペルソナの設定が重要です。

    ペルソナとは、自社のターゲットとして理想的な顧客像を設定し、その顧客像の特性や行動、ニーズ、課題をまとめたものです。

    ペルソナを設定することで、自社のターゲットに対する理解が深まり、効果的なコミュニケーション戦略を構築することができます。

    カスタマージャーニーの作成

    カスタマージャーニーとは、顧客が製品やサービスを初めて認知した瞬間から購入に至るまでの一連の体験をまとめたものです。

    自社の顧客データをもとに、カスタマージャーニーを作成しておくと、顧客の購入プロセスの理解につながるだけでなく、プロセスごとの顧客のニーズや課題も見えてきます。これにより、各プロセスにおいてどのようなコンテンツをどのように届けるかといったアプローチ方法が見えてきます。

    実際のデータも参考にする

    効果的なシナリオを作成する上で、ペルソナやカスタマージャーニーの重要性をお伝えしましたが、どちらも仮説を含んで作り上げていくものです。

    とはいえ、すべてを仮説で作り上げてしまうと、実際の顧客像と異なっていてシナリオがうまく作用しないということも。

    そのため、シナリオ設計をする上では、実際の顧客の情報やデータも参照しながら、ペルソナやカスタマージャーニーを作成するようにしましょう。

    シナリオの効果検証と改善をくり返す

    シナリオは一度作成したら終わりではありません。

    ペルソナやカスタマージャーニーをもとに作成したとしても、一度で完璧なシナリオを作成することは難しいです。そのため、作成したシナリオによって効果が出ているかを定期的に検証し、期待していた効果が得られていない場合は改善をして、シナリオの精度を高めていくことが大切です。

    複雑なシナリオにしない

    前述の通り、シナリオを定期的に効果検証を行い、改善を繰り返し、精度を高めていくものです。

    初めから複雑なシナリオを作成してしまうと、効果検証や改善にも時間がかかります。またシナリオの運用や管理の手間もかかります。

    まずは2~3ステップ程度のシンプルなシナリオを作成して、効果によってさらにステップを増やしたり、減らしたりと調整するのをおすすめします。

    シナリオを考える際の注意点

    シナリオの基本的な考え方は上記の通りですが、いくつかの注意点があります。
    ここでは、効果的なMAのシナリオを考える際の注意点をご紹介します。

    コスト効率を考える

    コスト削減もMAの目的のひとつです。とはいえ、シナリオ設計にもある程度のコストがかかります。ターゲットを絞りきれずに多くのシナリオを用意するとなれば、それだけ余計なコストがかかります。
    そこで、コストをかけるべき場所をしっかりと見極めることが大切です。十分な成果が期待できる部分であればある程度のコストをかけても十分に回収できますが、成果が見込めない部分に関しては切り捨てるという選択も必要となります。
    常にコスト効率を考えながらマーケティングを展開することが大切です。

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    考え方の軸をしっかり決める

    シナリオ設計においては、考え方の軸をしっかりと決めることも大切です。ターゲット選びにおいても行動や属性などいくつかの軸がありますし、業種や商材などによってもっとも効果が得られる軸は異なります。
    ただ、「何を軸にすればいいのかまったく見当がつかない」という場合は、顧客の行動を重視することをおすすめします。というのも、ライフタイムや属性のみの分類では正確に顧客の興味を予測し、絞り込むことができません。それに対して行動には顧客の興味が反映されているケースが多いため、効果的なシナリオ設計に繋がりやすい傾向にあります。

    もちろん行動以外の軸でも効果的なシナリオ設計は可能ですが、事前に顧客のデータを集めるためのシナリオが必要となるケースもあります。当然、その分コストがかかりますので十分な検討が大切です。

    まとめ

    今回はMAにおけるシナリオ設計の基本的な考え方や、注意点などをご紹介しました。MAはマーケティングの世界で一般的なものとなり、多くの企業で採用されるようになりました。MAの効果をより高めるために重要なのがシナリオの設計ですが、具体的な方法がわからずビジネスを展開する上での悩みになってしまいがちです。
    マーケティング成功のポイントとなる部分でもありますので、自社にマッチするシナリオ設計を行いましょう。

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    この記事の執筆者

    山盛 有希子執筆者のXへのリンク
    株式会社ラクス
    ラクスクラウド企画部 オンラインプロモーション課
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    山盛 有希子

    自動車部品メーカーで広報として3年間従事し、2020年6月にラクス入社。

    オンラインマーケティングチームに所属し、メルマガ運用やメルラボの企画・コンテンツ作成を担当。

    社内外向けにセミナーや勉強会を行い、メールマーケティングのナレッジを提供している。