DM営業とは?効果を上げるコツやメリット・デメリットなどを簡単に解説
DM営業とは、商品やサービスを紹介する宣伝資料を郵送して見込み客にアプローチをかける手法です。相手に直接届けることができ、開封率や反応率が高いのがメリットです。メールマガジンとの違いや、DM営業を成功させるコツ・注意点などをご紹介します。
目次
DM営業とは?
DM営業とは販促や集客のために、顧客や会員に製品やサービスを紹介したダイレクトメールを送付する営業手法です。宣伝したい内容をデザイン、印刷して郵送で個人や企業の担当者に郵送します。
すでに入手している顧客や会員の情報を使ってDMを送付するため、ターゲティングがしやすく、確実に情報を届けられるのがメリットです。
オンライン広告やSNS、メルマガなどのマーケティング手法が盛んに実施されているなかで、あえてアナログなやり方であるDMを選択する企業も少なくありません。DM営業はやり方のコツを押さえれば、高い効果を出せる可能性があります。
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DM営業のメリット
手間や時間がかかるDM営業ですが、他の営業手段にはない次のようなメリットがあります。
- 開封率が電子メールより高い
- 読み手に特別感を与えやすい
- メールでアプローチできない層にも届けられる
現在では一般的になっているメールマガジンの配信よりも早くから、DMは営業手法の1つとして活用され続けています。文面の作成や郵送の費用がかかるものの、DMならではのメリットを活かせるのであれば、非常に魅力的な選択肢になります。
DM営業の3つのメリットを詳しくご紹介します。
開封率が電子メールより高い
一般的なメールマガジンの開封率は、20%程度ですので、8割の人には読まれていないということになります。
一方で、一般社団法人日本ダイレクトメール協会研究開発委員会による「DMメディア実態調査2022」におけるDMの開封率は、約65%と電子メールよりはるかに開封率が高いことがわかります。さらに自分宛てのDMの場合は、75.4%が開封されたとの結果が出ています。
電子メールのほうが気軽にチェックできるのにも関わらず、開封率ではDMが圧勝しているのが現実です。開封率が高く確実に情報を届けられる点が、DMの大きなメリットといえるでしょう。
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読み手に特別感を与えやすい
DMは主に顧客や会員の個人情報を得ている場合に送付されるため、ターゲット層に合った内容を選定できるなど特別感を持たせやすいのがメリットです。誕生日が近い顧客にサービスクーポンを配布したり、利用から時間が経っている会員にセールのお知らせをしたりすることもできます。
DMは作成と送付の手間やコストがかかるため、多くの企業ではメールマガジンを主流としているようです。そのため、内容にこだわったDMを送れば、他の企業との差別化を図ることもできるでしょう。
メールは、毎日何通も届くため、見落とされることもありますが、直接自宅に届くオリジナリティのあるDMであれば興味を持ってもらえる可能性があります。
電子メールでアプローチできない層にも届けられる
オンラインでのマーケティング施策が盛んになっていますが、アナログだから伝えられるターゲット層がいることを忘れてはいけません。メールアドレスを登録していない会員や、そもそもインターネットの利用に慣れていないシニア層などに、DMを使えばターゲットを広げられます。
同じ商品やサービスを紹介する際にも、サイト上の紹介文と実際の印刷物では与える印象が異なる場合もあるでしょう。ターゲット層の行動パターンや特徴などを分析し、ニーズにマッチしたマーケティング手法を選ぶことが大切です。
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DM営業のデメリット
メリットが目立つDM営業ですが、デメリットを把握して準備を進めないと、思わぬ失敗をしてしまう可能性があります。DM営業の主なデメリットは、次の2つです。
- 電子メールと比べて時間やコストがかさむ
- 住所情報が古いと届かない場合がある
電子メールと比べて時間やコストがかさむ
メールマガジンの配信と比べると、どうしても時間やコストがかさんでしまうのが、DMのデメリットです。メールマガジンは送付する文面を入力すれば、数多くの宛先に一気に情報を送信できます。
時期に合わせて配信内容の一部だけを変更して定期的にメールマガジンを送る場合は、業務にあたる担当者の負担もかなり軽減されるでしょう。
一方のDMは告知内容のデザインから印刷、宛先の情報管理、封入、郵送とメールマガジンとは比べものにならない程の手間がかかります。宛先を選別せずにDMを送ってしまうのは、時間やコストの無駄づかいになりかねません。
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住所情報が古いと届かない場合がある
DM営業を実施するには、顧客情報の管理をしっかりと行う必要があります。何年もデータの更新を怠っていると、引っ越しなどで住所が変わった場合に、DMを届けられなくなってしまいます。
外部から企業データなどを購入している場合も、データの精度について確認を徹底しましょう。せっかく手に入れた企業情報であっても、住所が古くてDMが届けられないのでは意味がありません。
定期的な顧客情報のデータ更新を社内でルール化したり、関連のシステムを導入したりするのも手です。
DM営業の効果を高めるコツ
DM営業で成果を上げるには、ただ単に数を送付すれば良いわけではありません。次にご紹介する5つのコツを実行してこそ、開封率が上がり商品やサービスの認知度向上につながります。
- 送付するターゲットを明確にする
- 開封されやすくなる時期に送付する
- 興味を持ってもらうための工夫を凝らす
- DM以外の営業方法と併用する
- PDCAを回して改善を試みる
DM営業に掛かる時間やコストを無駄にしないためにも、5つのコツを今すぐ実践してみましょう。
送付するターゲットを明確にする
DM営業の成功のカギを握るのは、徹底したターゲティングです。自社のサービスや商品の購入・契約にいたりやすい見込み客を明確にして、L優先的にDMを送付し反応をみながらアプローチをするのもよいでしょう。
単価の高いものを定期的に購入してくれている顧客、まとめ買いをしてくれる傾向にある企業はどんな企業かを分析・調査して購入にいたりやすい顧客層に向けて行うことで得られる成果にも期待ができるでしょう。
開封されやすくなる時期に送付する
DMは開封してもらえないと、なにも始まりません。ターゲットがDMを開封してくれるだろうと期待できる時期に、DM営業をするようにしましょう。
例えば、大型連休前やボーナス前などは、資金に余裕があるケースが多いです。これらの時期を狙ってDMを送れば、普段よりも開封率が上がる可能性があります。
なにかと買い物が必要になる新生活がスタートする、4月や1月などにDMを送るのも手です。「どうせものを新調するなら、DMに付いているクーポンを使おう」と思ってもらえるかもしれません。
消費者の心理を読み、適切なタイミングでDM営業をかけるのがポイントです。
興味を持ってもらうための工夫を凝らす
DMは相手の住所を記載して郵送するため、確実に届けられるのが強みです。ただし、受け取り手が中身を確認してくれるかどうかは、DMの与える第一印象が影響しています。
DMだとわかると、何も考えずにゴミ箱に捨ててしまう習慣になっている人もいるかもしれません。「内容を確認してみよう」という気にさせるパッケージデザインや、キャッチコピーにこだわる必要があるでしょう。
開ける前にクーポンの封入がわかる仕組みにしたり、お得な情報を目立つところに記載したりするのも1つの方法です。DMを読めばメリットがあるという点を伝えられれば、中身を確認してもらえる可能性が高まります。
DM以外の営業方法と併用する
いくらDMの開封率が高いからといって、送りっぱなしでなにもしないのでは、劇的な営業の成果向上は難しいでしょう。DMは他の営業手法と組み合わせることで、より力を発揮します。
例えば、DMに対する反応が得られない場合は、電話でDMを見てもらえたかどうか確認してみるのも手です。しつこく営業をしてしまうのは逆効果ですが、アフターフォローをすることで確認忘れの防止や意識づけをすることができます。
電話や訪問をすると相手に負担を与えてしまうような場合には、リマインドのDMを送ってみましょう。DMでセール期間を再度お知らせしたり、今だけの特典を伝えたりすることで、興味を持ってくれている見込み客の取りこぼしを防げます。
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PDCAを回して改善を試みる
DM営業は、初めから上手くいくとは限りません。DMを送付した後は、成果の分析を忘れずにするようにしましょう。
ターゲット層とDMの内容はマッチしているか、反応が見られた顧客にはどのような特徴があるか、次の送付時期はどうするか、などを検討します。得られた問題点は次回のDM営業に活かすようにし、確実に成果を上げられるように毎回PDCAを回して改善をするのがポイントです。
数をこなしていくうちに、より効果のある送付時期やコンテンツなどがわかってくるでしょう。成果分析の内容は、DMを作成するチームにも共有し、デザイン面の磨き上げもおこないます。
DM営業を行う上で気をつけるべき点
DM営業で成果を上げるには、次の5つの点を意識するようにしましょう。
- 伝える情報を必要以上に増やさない
- 書き方やレイアウトを工夫して読みやすくする
- 不必要な挨拶で書き出さない
- 読み手に売り込み感を抱かせない
- 個人情報保護法に抵触しないようにする
いくら他の手法よりも開封率が高いからといって、DM営業の方向性を間違ってしまうと得られる効果が限定的になってしまうでしょう。DM営業の注意点を知り、今後の営業活動に活かしてみてください。
伝える情報を必要以上に増やさない
DMでは、商品やサービスの魅力を簡潔に印象付けることが大切です。記載する情報を選別し、優先的に伝えたい内容で構成するようにしましょう。
ダラダラとした説明書きを載せてしまうと、DMの受け取り手が「なんだか面倒くさそうだ……」と感じて読むのも躊躇してしまう可能性があります。詳しい説明をするのは、DMで興味を持ってくれた見込み客を、Webサイトや資料請求に誘導することで解決できます。
DMではまず開封し、中身に興味を持ってもらうことを目的に作り上げるようにしてみてください。
書き方やレイアウトを工夫して読みやすくする
DMが読みづらく、内容が伝わりにくい場合は、書き方やレイアウトの見直しが必要です。いくらデザイン的に優れていても、核となる情報伝達を妨げてしまうものであれば適切とはいえません。
視覚的にインパクトを与えつつ、読みやすいDMに仕上げるポイントをまとめました。
- テキストの内容に合わせた画像やイラストを挿入する
- 回りくどい表現を避ける
- フォントや文字のサイズを調整して視認性を上げる
- 見出しをつけて内容を整理する
- 文字を邪魔しない背景色を選ぶ
- 適度な余白を残す
読みやすさを意識したDMであれば、読み手がスムーズに最後まで情報を確認してくれる確率も高まるでしょう。
不必要な挨拶で書き出さない
形式的な挨拶は、DM上では省いてしまうのも1つの手です。簡潔に伝えたい内容をまとめる場合、挨拶文よりも商品やサービスの概要・サービス価格・申し込みフロー・セール期間などの情報を優先する必要があります。
特に「突然のお便りで失礼いたします」などの文句はセールス感が強く、読み手に敬遠される原因ともなりかねません。礼儀を守ろうという気持ちは大事ですが、DMでは形式的な書き出しがマイナスな印象につながってしまうことがあるのです。
また、挨拶文を掲載することで、DMが長くなりすぎてしまう恐れもあります。堅苦しい挨拶でスタートしていると、読み手がDMの内容を読み進めるのに負担を感じてしまう可能性があるため注意しましょう。
読み手に売り込み感を抱かせない
DMの最終的な目的は、見込み客を購入や申し込みといった行動に移させることです。しかし、目的達成だけを優先してDMをデザインしてしまうと広告感が強まり、逆に警戒されてしまう可能性があります。
せっかく商品やサービスに興味を持ってもらえそうな場合でも、DM自体にマイナスな印象を持たれてしまうと目的達成にはつながりません。見込み客の購買意欲をいかに高めるかを重視し、DMの内容を構成する必要があります。
例えば、商品やサービスを利用することのメリットを強調したり、「まさにこの商品で悩みを解決できそうだ」と当事者意識を持たせるための工夫をしたりするのも効果的です。
個人情報保護法に抵触しないようにする
DM営業はルールを見落としていると、個人情報保護法に抵触してしまう場合があります。会員登録や商品購入によって取得した顧客の個人情報を、好き勝手に利用していいわけではありません。
顧客の個人情報を取得する際にはその利用目的を本人に公表または通知する必要があり、DM営業に利用することを本人に通知または公表していないにも関わらず当該顧客にDM営業をしてしまうと、個人情報保護法に違反してしまう可能性があるでしょう。顧客自身が提供した個人情報であっても、利用に関しては細心の注意を払うことが大前提です。
DM営業を始めようとする場合は、個人情報の入手方法や取り扱いについて、いまいちどルールを確認し社内で徹底を図るようにしましょう。
まとめ
DM営業とは、企業が商品やサービスの販促や集客を目当てに印刷物を郵送しておこなう営業手法です。主に購入履歴のある顧客や、会員登録済みの会員に向けてDMを郵送します。
郵便で確実に相手に情報を届けられるため、デジタルなマーケティング手法が主流になった現在でも多く用いられています。
DMはメールマガジンよりも費用と手間がかかりますが、開封率が高いのが特徴です。ターゲティングをしっかり行えば、見込み客を商品購入などの目的に誘導しやすいともいわれています。
効果的なDMに仕上げるには、読みやすさを意識するのはもちろん、印象的なデザインや魅力的なキャッチコピーにも気を配る必要があります。ターゲット層が行動を起こしやすいと思われる時期に郵送するのも、効果を上げる1つのアイディアです。
ただしDM営業は、顧客の個人情報の取り扱いに注意する点を忘れてはいけません。個人情報の利用に同意が得られていなければ、個人情報保護法に抵触する可能性があります。
DM営業は、うまく活用すれば高い効果が見込める営業手法です。他の施策と組み合わせながら、自社なりのDM営業スタイルを確立してみましょう。