失敗しない!インサイドセールス導入のやり方と3つのポイント
企業にとって営業は売り上げに直結するセクションです。それだけに多くの手法があり、自社に合うものを選ぶことが重要です。営業手法の中でも、近年特に注目されているのがインサイドセールスです。今回は、失敗しないインサイドセールス導入のやり方と3つのポイントをご紹介します。
目次
インサイドセールスとは?
インサイドセールスというと、まったく新しい営業手法というイメージを抱く方もいるのではないでしょうか。しかし、手法そのものは特別に新しいものではなく、古くから使用されていました。
インサイドセールスとは、電話やメールなどを使って社内から顧客へアプローチをかけるという手法です。国土が広く、直接顧客のもとへ足を運ぶのが難しいアメリカで生まれ、今では一般的なものとなっています。
直接顧客を訪問する必要がないことから効率的な営業が可能となるため、近年日本でも注目されるようになりました。
また、日本では営業活動の一部をインサイドセールス化し、フィールドセールスと組み合わせることで効率アップを図るケースも増えています。
インサイドセールス立ち上げのメリット
インサイドセールスの導入を考える際、真っ先に確認したいのがメリットです。
ここではインサイドセールスを立ち上げるメリットをご紹介します。
コスト削減
インサイドセールス立ち上げの最大のメリットは、コストの削減です。社内から直接顧客にアプローチできるので、人が移動する必要がなく、交通費などを削減することができます。さらに、少人数でも多くの顧客を担当できることから、人件費の削減にもつながります。小規模な組織や、立ち上げたばかりで営業担当者を十分に確保できない場合にもインサイドセールスの導入は有効です。
効率的な営業件数の増加
営業の効率向上もインサイドセールス導入のメリットです。前述の通り、日本ではこれまでのフィールドセールスに加えて、フィールドセールスにインサイドセールスをかけ合わせるケースが増えています。インサイドセールスによって顧客にアプローチをかけておくことによって、成果につながりやすい顧客を事前に選別しやすくなります。
さらに、インサイドセールスでは一人あたりがアプローチできる顧客の数も増えますので、営業件数の増加も期待できるでしょう。
ナーチャリング(顧客の検討伺い)がしやすい
インサイドセールスはナーチャリング(顧客の検討伺い)においてもメリットがあります。これまでのフィールドセールスの場合、効率を考えると頻繁に顧客にコンタクトを取ることができません。
それに対して、インサイドセールスは直接顧客のもとに出向く必要はありませんので、頻繁にコンタクトを取ることでナーチャリングがしやすくなります。
フィールドセールスによる対面営業と組み合わせることができれば、さらに顧客との信頼関係を構築しやすくなるでしょう。
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インサイドセールスの業務範囲
インサイドセールスの業務範囲は、主に次の4種類があります。ここでは、それぞれの特徴について詳しくご紹介します。
1.リード発掘型
リード発掘型インサイドセールスは、新規リードの発掘・創出が主な役割です。
自社の顧客リストなどを参照し、電話やメールなどを駆使してコミュニケーションを取り、新たに案件化する可能性を秘めているリードを発見するまでが業務範囲となります。
2.リード育成型
リード育成型インサイドセールスの役割は、自社のリードに対してさまざまな手段でアプローチすることによって興味・関心を高めることにあります。
コミュニケーションを継続するうちに確度が高まってきたら、フィールドセールス部門に引き渡して案件化します。一般的に「インサイドセールス」というと、このリード育成型をイメージする人も多いでしょう。
自社の商品やサービスの特徴、メリットを的確に紹介しながら相手の関心を高めて、アポイントメントを獲得するまでがリード育成型インサイドセールスの業務範囲です。
3.訪問営業協業型
訪問営業協業型インサイドセールスは、フィールドセールス部門と連携して営業活動に参加します。
新たなリードを発掘したり確度を高めたりするだけでなく、場合によってはアポイントメントを獲得した後で自らフィールドセールスの商談に同行するなど、業務範囲は比較的他のインサイドセールスよりも広いのが特徴です。
4.営業クローズ特化型
営業クローズ特化型インサイドセールスは、クロージングをメインに行います。自社の商品やサービスを導入する可能性があるリードに対して、具体的なメリットなどを交えながら提案活動を行い、受注に結びつけるのが仕事です。
単にリード創出や確度の向上を担う他のインサイドセールスとは異なり、自ら受注に関わるのが特徴的です。
インサイドセールス導入のやり方とポイント
インサイドセールスを取り入れることは、企業において重要度の高い営業の手法を変えることになるので、現場の混乱を避けられるよう慎重に導入することが大切です。
ここではスムーズにインサイドセールスを導入する方法とポイントをご紹介します。
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営業プロセスの洗い出し
インサイドセールス導入の最初のステップは、営業プロセスの洗い出しです。現時点でどのようなプロセスで営業が行われているのかを確認しましょう。
全面的にインサイドセールスに切り替えるのではなく、フィールドセールスと組み合わせる場合は、それぞれのプロセスをどちらの手法で行うのかを検討する必要があります。できるだけ詳細に営業プロセスを把握することが必要になります。
部門別の役割分担
部門別の役割分担を明確化することも重要です。マーケティング部門、インサイドセールス部門、フィールドセールス部門のそれぞれがどの範囲の業務を受け持つのかを明確に切り分けた上で、相互に連携しましょう。
KPIの設定
役割分担が明確になったら、部門ごとに売上目標を達成するためのKPIを設定します。
マーケティング部門はターゲットに見合った新規リードの獲得件数、インサイドセールス部門はリードへのアプローチによって案件化につながった件数、フィールドセールス部門は提案から受注につながった件数などがKPIに設定されやすいといえます。
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シナリオ設計
リードの性質に合わせて「どのようにアプローチしていくのか」をシナリオ設計に落とし込み、インサイドセールス部門としてのスケジュールを組み立てます。
「現在、リードの確度がどの位置にあるのか」を正確に認識した上で、各フェーズに対して適切なアプローチを行うことが大切です。
顧客特性に応じたマニュアル作り
インサイドセールスの顧客への効果的なアプローチ方法は、フィールドセールスとは異なります。そのため、インサイドセールスを導入する際には新たにマニュアルを作ることが大切です。
マニュアル作りにおいてもっとも大切なのは顧客特性です。それぞれの顧客の特性を把握し分類した上で、最適なアプローチやフォローが記載されたマニュアルを作成しましょう。
マニュアルはただ作成するだけではなく、営業を行う担当者はもとより、マーケティングなど関係するセクションとも連携して周知を徹底することも大切です。
まずは部分的に始める
営業部門をまるごとインサイドセールスに切り替えるという企業もあります。しかし、従来の手法から急な変更を行うと社内だけではなく、顧客を混乱させてしまう恐れもあります。そのため、まずは部分的に導入してみましょう。
実際に導入・運用してみなければ見えてこない問題点もあります。部分的な運用をしながらデータを集計し、全体運用前に改善策を検討することも大切です。
インサイドセールスに役立つツール4選
インサイドセールスの効果を最大限に高めるためには、ツールの活用が重要となります。インサイドセールスの効果を高め、役立てるためのツールを4種類ご紹介します。
CRMツール
「CRM(customer relationship management)」は顧客関係管理または顧客管理を意味します。つまり、CRMツールとは顧客情報などを管理するツールです。
顧客によってニーズや商談の進行状況は異なります。それぞれに応じたアプローチを行うためには、正確に情報を管理し、部門全体で把握することが大切です。
インサイドセールスにおいて、顧客情報は大きな武器ともいえます。フィールドセールスと組み合わせる場合も、各部署がリアルタイムで顧客情報を共有する必要がありますのでCRMツールは欠かせません。
Web商談ツール
もともとインサイドセールスは電話やメールなどで行うのが一般的でした。しかし、インターネットの普及によってWeb上で商談を行うためのツールも登場し、多くの企業が導入をはじめています。
電話の場合、基本的に音声のみでのやりとりになりますが、Web商談ツールであれば従来の対面営業と同様にお互いの顔を見ながら営業することも可能です。資料の共有も可能なので、より効率的な商談をすることができます。
SFAツール
「SFA(Sales Force Automation)」は「営業活動支援システム」とも呼ばれています。
その名の通り営業活動をサポートするためのツールで、営業部門全体の連携や、進捗状況、結果などの共有をすることができます。営業部門内の連携はインサイドセールスの効果をあげるためにも必要不可欠です。
MAツール
業務の効率化もインサイドセールス導入の目的のひとつです。しかし、インサイドセールスを行うための情報管理など、別の業務に手間がかかっていては業務全体の効率化はできません。そこで、MAツールを導入してルーチンワークなどを自動化することで、インサイドセールスによる効率化をさらに加速することができます。
近年、MAツールは多くの企業・組織で導入されるようになってきています。
MAツールは、1.リードジェネレーション(創出)、2.リード管理、3.リードナーチャリング(顧客の検討伺い)、4.リードクオリフィケーション(抽出)といった4つの代表的な役割を持ちますので、リードナーチャリングとリードクオリフィケーションを担うインサイドセールスはもちろん、リードジェネレーションや管理を担うマーケティングやフィールドセールスの一部でも利用されているツールです。
先に述べたMAツールの4つの役割の中で、マーケティング・インサイドセールス・フィールドセールスの業務をスムーズに接続するだけでなく、御礼メールや検討伺いなどの定型化した顧客とのコミュニケーション、検討意欲の高い顧客の抽出などの業務を自動・効率化できます。既に顧客との効果的なコミュニケーション方法や検討意欲の高い顧客の条件などの勝ちパターンが明らかになっているのであれば、導入を検討することをおすすめします。
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逆に、まだまだ勝ちパターンが明らかになっていないという企業でも、MAツールに備わっている機能を部分的に活用しながら、自社の販促での勝ちパターンを見つけることができるサービスもあります。配配メールはメール配信サービスではありますが、MAツールでの中核的な機能であるメールマーケティングに特化したサービスです。
メールマーケティングに特化することで、シンプルな作りとなっており、直感的な操作で少人数かつ誰でも運用ができます。また、メールマーケティングを実践する中で、勝ちパターン、つまり最適な顧客とのコミュニケーション方法や検討度が高い顧客の条件などを探っていくことができます。販促での勝ちパターンの発見ができていない企業や、運用体制に不安がある企業は、こういったサービスから始めてみるのも手段のひとつです。
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まとめ
営業にはさまざまな手法があります。それぞれの手法に異なった特徴がありますが、中でも近年特に注目されているのがインサイドセールスです。今回ご紹介した通り、スムーズに導入できれば多くのメリットが期待できます。
営業担当者の人手不足や営業効率の低迷で悩んでいるのであれば、導入を検討してみてはいかがでしょうか。