テレアポを成功させるコツとは?事前準備やトークの極意を解説
テレアポは、見込み客に直接アピールできる効果的な方法です。事前準備やトークのコツをつかむことで、効率的にアポをとることができます。
本記事ではテレアポの基本的な流れや事前準備・トークのコツ、成約率を高めるポイントを解説します。テレアポに苦手意識をもつ方は、ぜひ参考にしてください。
目次
テレアポが必要な理由
営業でテレアポを苦手とする人は少なくありません。しかし、テレアポは新規開拓に効果的であり、見込み客に対してこちらから積極的にアプローチができる営業手法です。
まだ自社の商品・サービスを知らない企業に連絡をして営業をかけることができ、リアルタイムで質問や疑問に答えることができます。
インターネットの普及した現代では自社のWebサイトを利用して集客するといった方法もありますが、Webサイトを訪れるのは基本的に自社を知っている、もしくは自社の課題を認識して課題解決方法を探している顕在顧客なので、成約や受注に至りやすいものの、数は限られてしまいます。また、Webサイトでの集客に頼りすぎてしまうといつか顧客が枯渇してしまいます。
一方、テレアポであればこちらから見込み客へのアプローチができます。
苦手という人もいるとは思いますが、コツをつかめば高い効果が期待できる営業手法であることは把握しておきましょう。
テレアポの基本的な流れをチェック
まず、テレアポの基本的な流れを確認しておきましょう。テレアポの一連の流れは、以下のとおりです。
- 挨拶・自己紹介する
- 商品・サービスの必要性を説明する
- 質問をして課題やニーズを聞き取る
- アポをとる
それぞれの過程で、押さえておくべきポイントがあります。特に第一印象は大切であり、最初の挨拶には十分注意してください。
それぞれ、詳しくみていきましょう。
挨拶・自己紹介をする
最初の挨拶は、一般的に「お忙しいところ恐れ入ります」と、突然電話したことをお詫びすることから始めます。堅苦しくならないよう、明るめの声で挨拶しましょう。
自己紹介は会社名と名前、提供している商品・サービスについて簡潔に伝えます。
一例は、以下のとおりです。
「△△を提供しているA社の〇〇と申します。」
「B社の〇〇と申します。△△を提供しています。」
早口にならないよう注意し、挨拶から自己紹介まで20秒程度で済ませましょう。
商品・サービスの必要性を説明する
次に、電話をかけた理由と、自社が提供する商品・サービスの必要性を説明します。相手の課題をヒアリングし、課題を解決するために商品・サービスがどのように役立つかを伝えます。長い説明にならず、簡潔に説明することがポイントです。
実際に導入している事例や企業名を入れるのも効果的です。商品・サービスをイメージしやすく、信頼性も高まるでしょう。
質問をして課題やニーズを聞き取る
商品・サービスの説明では一方的に話すのではなく、質問をして相手の課題やニーズを引き出します。
質問は、以下のようなフレーズを投げかけましょう。
「~でお困りではありませんか?」
「~がもっと安くなったらいいと思うことはありませんか?」
明らかに必要がない場合はすぐに断られますが、少しでも課題やニーズがある場合は回答までに間ができたりします。そのような相手の反応をすかさず読み取り、具体的な提案をすることが成功のポイントです。
アポをとる
商品・サービスの提案で良い反応を引き出せたら、アポイントメントを獲得します。
アポを確実に得るためにはこちらから日程を提案すること、提案は複数提示することが大切です。
相手側に日程の選択を任せると、返事を留保される可能性があります。「予定がわからないのでまた連絡します」という返事になることが多いでしょう。そのまま連絡がこないパターンになりがちです。
そのため、日程は必ずこちらから提示しましょう。その際、日時が1択では「都合が悪い」と断る理由を与えてしまいます。複数の日程候補を提案することで、どちらかを選ぶ返答を得られる可能性が高まるでしょう。
テレアポのアポ率を高める方法について知りたい方は、以下の記事も参考にしてください。
関連記事はこちらテレアポ・メール営業にてアポ率を上げる方法6選!
テレアポのコツ1【事前準備】
テレアポは、準備段階とトークそれぞれに成功のためのコツがあります。準備段階では、自社が提供する商品・サービスと関連性がある企業をリスト化して調査すること、設定したペルソナに合わせたトークスクリプトを作成することがポイントです。
ここでは、テレアポの準備段階で工夫したい3つのコツをご紹介します。
リストを作り調査する
テレアポを成功させるには、自社が提供する商品・サービスと関連性がある企業をリスト化することが必要です。関連性のない企業では、どれだけ数多く電話をしても効果は得られません。
効率の良いテレアポをするためにも、自社の商品・サービスにニーズのある、または役立つと思われる企業のリストを作成するようにしましょう。
リスト化した企業については、事業内容などを詳しく調査しておきましょう。特に企業が力を入れている商品・サービスや課題などをよく調べておいてください。相手先の企業について熟知した状態で電話することが、説明に説得力をもたせてテレアポを成功させるコツです。
リストの情報は最新であることも大切です。オフィスの移転や部署名の変更、担当者の異動などはよくあることで、一度作成したリストでも定期的な見直しが欠かせません。テレアポの際は、常に最新の状態にしておくようにしましょう。
リストの作り方については、以下の記事で詳しく説明しております。ぜひご参考ください。
関連記事はこちらテレアポリストの作り方!営業に役立つリスト作成のコツも紹介
トークスクリプトを作成する
リストができあがったら、トークスクリプトを作成します。トークスクリプトとは、テレアポの流れを書き出した台本です。トークスクリプトがないと会話の着地点が見えず、切り返しがうまくできないこともあります。
トークスクリプトを用意することで咄嗟の質問にも対応でき、話の内容がそれたときもすぐに戻せます。スクリプトがあることで安心感が生まれ、会話に余裕が生まれるでしょう。
その際に大切なのは、ペルソナの設定です。ペルソナとは、自社の商品・サービスを購入する可能性の高い具体的な人物像のことで、できるだけ詳細に描いた人物を設定します。
ペルソナの設定により、ペルソナのもつ本質的な課題・要望を見極めることができます。課題やニーズに直接訴求できるトークスクリプトを作ることができるでしょう。
トークスクリプトの作り方については、以下の記事で詳しく紹介しています。合わせて参考にしてください。
関連記事はこちら【徹底解説】本当に使えるテレアポのトークスクリプトの作り方
時間帯を先方に合わせる
電話をかける時間帯は、相手方の都合に合わせることが鉄則です。相手方が電話を迷惑に感じる時間帯や営業時間外に電話をしても、テレアポに成功する確率は低いでしょう。
例え自社の商品・サービスを購入する可能性が高い企業に厳選して電話をかけても、忙しい時間帯や繁忙期に電話をかければ、忙しいからと断られる可能性が高くなります。
効率的にアポを獲得するためにも、電話をとりやすい営業時間内にかけることが大切です。営業時間内でも、業種によって電話を受けやすい時間帯は異なります。
例えば飲食業の場合、ランチタイムが始まる前や、ランチタイム後からディナーが始まるまでが電話をかけやすい時間帯です。
業種ごとに適切な時間帯を調べ、タイミングの良い時間にかけるようにしましょう。
テレアポの最適な時間帯については以下記事で詳しく紹介しています。こちらもご参考ください。
関連記事はこちらテレアポ営業の時間帯は業種や個人・法人で選ぶ!タイミングを紹介
テレアポのコツ2【トーク】
テレアポではトークにも成功率を高めるコツがあります。商品・サービスの説明は必ず結論から話すこと、相手との関係性を構築することを心がけるといった点があげられます。
一方的に話さず、相手に考える時間を与えることも大切です。また、スクリプトがあるときも、トーク内容は相手に合わせて変えるようにしましょう。
ここでは、テレアポでトークをする際のコツについて解説します。
結論から話す
商品・サービスの説明は、結論から話すことを心がけましょう。いつまでも結論が出ない話は相手に真意が伝わりません。結論から話す方法はPREP法と呼ばれ、ビジネスでは基本とされています。
PREP法で話す順序は、以下のとおりです。
- Point:結論を示す
- Reason:理由を述べる
- Example:具体例で相手を納得させる
- Point:再度結論を示す
まず結論から入ることで、相手は話のゴールを把握できます。そのうえで理由や裏付けとなる具体例を示すことで話に説得力が生まれるでしょう。最後に再び結論を伝えることで、相手を十分納得させることができます。
相手に何か聞かれたときも最初に答えを端的に伝え、根拠を説明するようにしましょう。
相手との関係性を構築する
テレアポでは相手からの信頼を得て、関係性を構築することが成功のポイントです。相手の課題を丁寧に聞き取り、解決策を提案します。コミュニケーションを図ることで、信頼関係を築けるでしょう。
また、相手の話には耳を傾けることが大切です。話を遮らず、最後まで聞く姿勢をとります。売り込もうとするのではなく、相手に寄り添うことを心がけましょう。
売り込みの気持ちが強いと説明しすぎる傾向があり、良い印象を与えません。相手のニーズに応え、課題を解決するという気持ちに立って話をすることが信頼を獲得するコツです。
相手に考える時間を与える
テレアポでは一方的に話すのではなく、相手に考える時間を与えることが必要です。相手は会話しながら、「自社の課題を解決できるか」「ニーズに合うか」などさまざまな思考を巡らしています。会話が途切れたら、考えていると予想できるでしょう。沈黙を恐れ、考える時間を与えずに話を進めてしまうと相手はよく考えることができず、断られてしまう可能性が高くなります。
また、テレアポでは詳細な情報を話しすぎないよう注意しましょう。テレアポは売り込みではなく、あくまでアポイントの獲得のために行うものです。商品・サービスの詳細な情報は実際の商談で伝えられるため、テレアポでは詳しく話す必要がありません。
電話口で詳細な情報を伝えても、すべてを理解してもらうことは難しいでしょう。まずは興味を持ってもらうための説明を行い、詳細な説明は営業資料などを見せながら商談の際に説明するようにしましょう。
トークスクリプトは相手に合わせて変える
トークスクリプトを用意していても、その通りに会話が進むとは限りません。実際にはズレてくるのが普通ともいえます。スクリプトをただ機械的にそのまま伝えようとするのではなく、相手に合わせて変えていくことが必要です。想定した内容からズレてしまったとしても、無理やり話をスクリプト通りに修正するのはやめましょう。相手に違和感を与えてしまいます。
相手の課題を聞き取りながら、内容に応じて柔軟に対応していきましょう。自然な会話をしながら現れた相手の課題を解決していくことで、信頼関係を築くことができます。話が想定から逸れた場合の対策として、よくある質問の回答リストを用意しておくのも効果的です。
トークスクリプトは挨拶からアポ獲得までの大まかな流れを記載したものと、見ながら会話できる詳細なものの2種類を作成することをおすすめします。大まかな流れのあるスクリプトであれば、ゴールを確認しつつ柔軟な対応が可能です。
クロージングを工夫する
テレアポはアポ取得が目的のため、クロージングが重要です。
電話では挨拶や最初の説明で断られることが多いので、本題に入ることができればアポが取れる可能性も高まります。しかし、クロージングで断られることもあるでしょう。断られるのは、「不安や疑問が解消しなかった」「必要性を感じなかった」といった理由が考えられます。
相手の話をあまり聞かず、一方的に話していると不安や疑問は解消されず、クロージングで断られる可能性が高くなります。質問を挟みながら、相手に寄り添った会話が必要です。
必要性を感じられないと断られるのは、商品・サービスの説明がうまく伝わらなかった可能性があります。相手の課題をうまく引き出し、解決のために自社の商品・サービスがどう役立つのかを説明できれば、アポの獲得につながるでしょう。
テレアポを成功させるポイント
テレアポを成功させるには、以下の点に留意しましょう。
- 言葉を選び、特別感を出す
- ゆっくりと落ち着いたトーンで話す
- 相手のメリットを押し出すこと
- 断られたときのトークを用意しておく
同じ説明をするにも、言葉選びひとつで印象は変わります。特別感を出すことで、アポ率も違ってくるでしょう。
ここでは、テレアポの成約率を高める4つのポイントをご紹介します。
言葉を選び、特別感を出す
テレアポでは、売り込みの印象を与えない言葉選びが大切です。「販売」や「ご案内」という言葉を聞くと、セールスだと判断して断られる可能性が高まります。営業電話というネガティブな印象を与えないよう、「ご提案」「お役に立てる情報」「ご確認いただきたいこと」など、「話を聞きたい」と思わせる言葉を選ぶようにしましょう。
その際は、「ご利用いただくのにふさわしい企業様だけに電話しています」など、特別感を出すのも効果的です。
ゆっくりと落ち着いたトーンで話す
テレアポは、言葉選びだけでなく声のトーンも重要です。落ち着いたトーンで話すことで営業電話という印象が緩和され、テレアポに不慣れな方でも話しやすくなります。明るく元気に話すよう指導されることもありますが、初心者が実践するとむしろ不自然になりいかにも営業電話らしく感じられることもあるため注意が必要です。
相手のメリットを押し出すこと
テレアポは商談の約束を取り付けることが目的であり、まずは相手にどのようなメリットがあるかをシンプルに伝えることが必要です。「メリットがあるのなら、詳しく話を聞いてもいい」と感じるでしょう。
事前調査やトークの会話で把握した相手の課題・ニーズに沿って、メリットとなることを伝えます。「現在お困りの〇〇をこのように解消できる」「同業のA社様ではすでに活用いただいている」など、「もっと話を聞きたい」と思わせるような具体的なメリットを伝えましょう。
断られたときのトークを用意しておく
テレアポの多くは断られます。断られたらいったんそれを受け止め、切り返しのトークで断った真意を確かめましょう。典型的な断り文句を想定し、切り返しのトークを用意しておくことをおすすめします。
典型的な断り文句の例としては、「忙しい」「必要ない」などがあげられます。
よくある断り文句と切り返しのトーク例をみてみましょう。
忙しいのでお断りします | お忙しいところ申し訳ございません。 3分ほどだけでもお時間をいただくことは難しいでしょうか? |
今は必要ありません | 今後のご参考にお話だけでも聞いていただけませんでしょうか? |
検討しておきます | 何か気になる点がございましたら、今この場でお話しいただけませんでしょうか? |
予算がありません | いただいた金額に見合ったサービスを提供しています。 |
上司に相談します | 直接ご説明したいのですが、いつ頃ご連絡差し上げればよろしいでしょうか? |
テレアポのアポ率を高める方法は、以下の記事でご紹介しておりますので、参考にしてください。
関連記事はこちらテレアポのアポ率が確実に向上する!効果的な3つの改善方法
メール×テレアポで効率UP
ここまでテレアポ施策について説明してまいりましたが、メールとテレアポを組み合わせることで、テレアポの効率を高めることができます。テレアポ効率を上げるメールの活用ポイントをご紹介します。
【事前準備】テレアポ前にメールを送る
急にテレアポをかけるよりも、メールを送った後に「お送りしたメールの件で」とテレアポをすることで、よりスムーズに会話を進められるようになります。メールはテレアポの当日に送り、本文は自身の名乗りからはじめ、以前どのような接点があったか、今回の提案内容はなにかをシンプルに記載しておきましょう。メールは1通ずつ送付してもかまいませんが、架電リストがある場合は一斉配信でお名前や接点を差し込んで配信するのも効率的です。
【事前準備】メールの反応者を架電リストにする
架電リスト作成後に一度メールを配信し、メール内のリンクをクリックした方のみを抽出して架電リストとして利用するのもよいでしょう。リスト全体にテレアポするよりも、メールで紹介した内容に興味のある方に絞ってアプローチできるようになります。テレアポの際には上でご紹介した「お送りしたメールの件で」の頭出しも利用でき、スムーズな会話ができるのも魅力です。このとき、メール配信に利用する配信ツールは効果測定ができるものを利用するようにしましょう。誰が開封・クリックしているかわかるツールでないとこの施策が実施できない点に注意が必要です。
関連記事はこちら「配配メール」ではメールの反応者の抽出が可能!
まとめ
テレアポの成約率を高めるには、コツがあります。初めての会社からテレアポの電話がかかってきたら警戒するのは仕方ないことです。挨拶や導入の説明など工夫することで相手に安心感を与え、質問を挟んだトークで信頼関係を築くようにしましょう。
事前調査やトークでの質問などで相手の課題・ニーズを把握し、メリットを伝えることも大切です。また、メールとテレアポを組み合わせることで、テレアポの効率を上げる方法もあります。本記事の内容も参考に、テレアポのコツをつかんでアポ率を高めましょう。