「株式会社医師のとも様」の配配メール導入事例
医師のさまざまな悩みを解消したい、その思いで2012年に設立された医師のとも社。転職を支援するワークサポート事業をはじめ、婚活イベントなどを開催するイベント事業や開業を支援する開業サポート事業などを展開している。医師の「リアル」なお声からサービスを発展させる企業でありたい、医師の各「ライフ」ステージを通したお付き合いをしていきたい、さまざまな医師の「ドリーム(夢)」をできる限り叶えたい、この「リアル(対面)」「ライフ(人生)」「ドリーム(夢)」を柱に"医師の人生に寄り添う、リアルなドリームサポーターになりたい"というビジョンのもと、医療業界へ貢献している。
はじめに
転職や開業、交流会や婚活イベント、出版など、医師にとって、なんでも気軽に相談できる「友(とも)」として、人生に寄り添った総合的なサポートを行う医師のとも様。現在は展開しているサービスの利用者が約10,000人と多くの医師に支持されております。 そんな医師のとも様はメルマガ経由での人材紹介や開業支援、イベントなどの問い合わせ件数の増加と医師のともブランドの認知を目的にメール配信を活用されております。今回は目的達成のために行ったメール配信方法やMA(マーケティングオートメーション)の導入から運用、そして終了に至るまでと、MAで得た知見を活かした配配メールの現在の運用状況について、経営戦略室の中谷様と流石様にお話を伺いました。
【メール配信施策の第一次成長期】配配メールの導入で効果検証を!
目的に応じたメール配信で問い合わせ件数が約150%UP!
ー配配メールを導入いただいた経緯と当時の運用についてお聞かせいただけますでしょうか?
導入前の2016年7月以前は、もともと無料のメール配信ツールを使っていて、求人の案内などをテキストメールにて配信しておりました。そのような状態でも少なからず反響がありましたので、効果検証をキチンとすれば、より効果が出せるのではと思いました。そこから複数社検討しまして、最も管理画面が見やすくて配信結果が分かりやすいと思った配配メールを導入しました。
目的1:メルマガ経由での問い合わせ件数の増加
配信後1時間以内が最も読まれますので、どの時間帯、曜日にメールを送るかは開封率を上げるうえで「重要」な要素になります。弊社で効果検証した結果、配信時間は12時 or 18時の10分前、つまりお昼休み前か退勤前の時間帯でメールを配信することが、最も効果的ということが分かりました。配信日はセグメントによって最適な曜日が違いまして、医師の方ですと金曜日、企業や病院の方ですと火曜日 or 木曜日が最も開封率が高かったです。
また、主にメール配信でご案内している求人のなかでどの求人情報がよりクリック率が高いのかも検証しました。そのなかで最も効果があった求人情報は「自由診療系の求人」でした。自由診療以外は基本的に科目が決まっており、該当科目の医師でないとクリックされないのですが、自由診療だと専門性を問われず、科目も不問なものが多いため「医局を離れて稼ぎたい!」と思っている医師の方々にはズバリ響く求人でした。自由診療に関してはクリック率が高いゆえにCV率も高く、弊社の当時の売上も自由診療の求人が上位を占めておりました。保険診療の中ですと、最も医師の人数が多い内科系の求人がクリック率およびCV率が高かったです。
そのほか、登録医師に対して状況伺いアンケートメールを、登録いただいている医師(約8,000名)向けに年に数回の頻度で一斉配信しております。こちらは掘り起こしが目的で、主に転職活動状況のお伺いや、医師の知見を活かし健康や美に関する啓発活動・情報発信を行うユニット( 女医+ ・ 医師+ )への登録を促す内容を送っております。1回の配信で500件ほど反応がありますので、CV率としては約6.2%です。
目的2:ブランド認知
問い合わせ件数の増加を目的としたメール配信は、人材紹介、女医+・医師+、開業・継承支援、婚活イベントなどの事業部別でセグメントを分けて配信しております。一方で、ブランド認知を目的として登録者全員に「医師のとも通信」という弊社のサービス全般の紹介メールも配信しております。実際に人材紹介にて登録いただいた方から、婚活イベントの参加申込が発生するなど、他事業部のサービスに展開していくこともあり、『医師のとも』ブランドの認知拡大にもメール配信は大変貢献しています。
これまでのテキストメールから配配メールを導入したことで、効果検証が可能になり、メール配信の最適化を行ったことで、メルマガ経由での問い合わせ件数は全体的に150%程度件数を増加させることができました。また、配配メールでHTMLメールを活用し始めまして、登録者の方々に見やすいメールとは何か?を意識して作成するようになりました!
ー開封率であれば配信日や時間帯、クリック率であればメール内容といった各フェーズで効果検証を行い、常に成果を求めてPDCAを回されているからこそ、メール配信で5%と素晴らしいCV率を達成されているのだと思います。また、配配メールの管理画面はひと目で配信結果が分かる=効果検証しやすい仕様になっているので、導入前の思いとしっかりマッチした、ということが言えるのではないでしょうか。また、メール配信で横断的に各サービスを知ってもらいブランド認知を上げるという施策もとられていることで、目的別に最適な配信を心がけられていることがひしひしと感じられました。その結果が問い合わせ件数150%UPにつながっているのですね!
【メール配信施策の転換期】もっとメール配信で成果を出したい!
という想いからMA(マーケティングオートメーション)へ!しかし…
ーメール配信で順調に成果を出していた医師のとも様ですが、MAの導入に踏み切った理由と終了しなければならなくなった課題を教えていただけますでしょうか?
先ほどお話したメール配信の取り組みで、一定の効果を出していたのですが、より上質なコンテンツを作って配信することで、もっとファンを増やしていき、問い合わせ件数を増加させたいという想いと、営業のサポートとして、これまでの実績で弊社では有効なマーケティング手法となっていた「メール配信」を活用したいという想いからMAツールの導入を決定しました!しかし、導入から1年経たないうちに、営業との連携不足やコンテンツ作りの壁、専任者不在といった理由により運用終了となりました…。
MA導入時の課題 その1:営業との連携不足
問い合わせがきたら、営業メンバーは自分で架電やメール送付で接触して、医師との信頼関係を作っていくという営業手法をとっているため、メールを自動で送らないでほしいという声が多くあがってしまいました。もう少し現場の営業スタイルや風土を十分に理解できていればと反省しております。
MA導入時の課題 その2:コンテンツ作りの壁
MA導入にあたり、このタイミングでこういう内容のコンテンツをステップメールで送り、態度変容を促す、といったカスタマージャーニーマップを作成しました。求人であれば、「医師の今の転職市場は?」のようなコラムを作り、それをコンテンツ化して配信するということを考えていたのですが、メール配信を担当しているメンバーは営業と兼務で行っており、営業活動以外の業務はどうしても後回しになってしまいます。結局期日になってもコラムを作成することができませんでした。そういった状況もあり、なかなかコンテンツ作成が進みませんでした。
MA導入時の課題 その3:専任者がいない
弊社が導入したMAツールはラベル作成やシナリオ作成など配信までに13工程ほどのステップが必要で、それらの設計に多くの時間を割かざるをえませんでした。また、途中でメールの修正が入ると配信リスト全てにおいてセグメント分の変更を行う必要があり、そこでもかなりの工数が必要になります。各事業部のメール配信担当と同じく、私たちも別業務との兼務でしたので、残業しないと配信ができないという状態で、やはり専任者がいないとそもそも配信までもっていくことが困難であることを痛感しました。
導入後から最初の3ヶ月をAPI連携に費やし、その後の3ヶ月でシナリオ設計や配信テストを行ってようやく配信にこぎつけたのですが、最後の3ヶ月あまりで上記の課題が表面化し、その課題をどうしても拭うことができず、導入から9ヶ月でMAツールの運用は終了となりました。
ー実績を積み重ねてきた「メール配信」という強みを出す前の部分での課題解決はなかなか難しかったということは、医師のとも様のメール配信を二人三脚で担ってきた弊社としても、非常に残念です。やはり、別部署との兼務となると、カスタマージャーニーマップの作成から、ラベル作成、シナリオ設計など、MA活用前の準備の段階からいろいろな作業が発生し、時間を取るにも取れない状態となってしまったのですね…。2019年10月にリリースした配配メールBridgeはメール配信の効果をもっと出したいが、業務を兼任しているため、MA運用の時間が取れない方やMAは多機能すぎて使いきれない方向けのメールマーケティングサービスです。今回お話いただいた内容であれば、まさに弊社の配配メールBridgeで「もっとメール配信で成果を出したい!」という想いを解決できるのではないかと思います。
【メール配信施策の第二次成長期】自社の状況に合わせた配配メールで、
今まで以上に多様な運用施策にチャレンジ!
ーMA終了後の配配メールを活用した自社の状況に合わせた施策とはどのようなものでしょうか?
今は人材部門以外の部署の婚活イベントや開業支援などのメールと「医師のとも通信」を配信しています。そのなかで、「医師のとも通信」ではメールの見やすさやセグメント別の配信、ABテスト機能などを活用してメール配信を行っております。
ボタン・画像を活用したメールの見やすさを追求
弊社から配信しているメールでは約8,000名のリストのうち、1,500名はスマホで閲覧しています。そのため、スマホ/PCでメールのデザインを分けて配信しています。
スマホは画像を使ってリッチなメールを送付していますが、PCですと、画像を入れると、画像読込アラートが出てしまい、怪しさが感じられるメールとなってしまうので、テキストのみでできるだけシンプルなメールを配信しています。また、全てのメールにおいて、クリックポイントを分かりやすくする、ファーストビューにCTAを配置する、ということは意識しております。このあたりのノウハウは御社のセミナーから教えていただきました。セミナーでインプットしたものを持ち帰ってすぐにアウトプットしたところ、すぐに数字に表れました。今まで思いつきで作っていたものがロジックで作れるようになったのでセミナーの参加は本当に意味があったと思います!
ABテスト機能
件名でのABテストを実施しています。機能としても効果検証がより正確にできるようになったので、重宝しております。そういった効果のほかに、管理画面が非常に分かりやすいので、ABの勝ち負けが分かりやすく、メール配信担当のアシスタントも自発的に考えてABテストを実施するようになったので、社員教育にも役立っています(笑)
ー弊社のサポートの取り組みに対して、即実行、そして評価いただき嬉しい限りです!配配メールでは、毎月ユーザ様向けの無料セミナーを開催したり、ユーザ様同士が交流して情報交換ができるユーザ会を開催しております。医師のとも様も仰っていただいているこちらのセミナーでは、クリックポイントやCTAの位置などを効果的に挿入するコツ、また実際に医師のとも様も活用いただいているABテスト機能やGoogle Analytics連携機能の活用方法などメールマーケティングにおいての知見を惜しみなくお伝えしております。ぜひこれからもご参加ください!
セグメント別にメール内容を出し分ける
事業部別に5つほどセグメントを分けており、セグメント別にメール内容を出し分けています。例えば、婚活事業経由でメルマガ登録いただいた方には、「医師のとも通信」でも婚活事業の記事が最上部に配置しているメールを送っています。変えている部分としては記事の配置と件名です。
最も申込を獲得できた内容は節税対策セミナーの紹介です。節税に関する書籍プレゼントという企画だと、3,000名にメールを送付して100名ほどの申込がありました。また、状況伺いメールはCVのハードルを情報のアップデートに設定しております。例えば、登録の時点では電話番号などを必須項目としていないのですが、状況伺いメールをきっかけに電話番号を入力いただくと、情報がアップデートされたのでCVとしてカウントする、という形です。約8,000名に配信して最大500名程度の反応があったこともありました。
STARTTLS
暗号化されていないメールはGmailだと「暗号化されませんでした」というアラートが発生してしまいます。医師のともから送られてくるメールは「暗号化された状態だから安心」と思っていただくことで、医師のともの信頼度を高めることにつながるので、STARTTLSを利用し、暗号化された状態でメールを送っています。
【メール配信施策の今後について】そして新たなステージへ!
ー医師のとも様のメール配信施策の未来像を教えていただけますでしょうか。
配配メールBridgeのリリースに先駆けて営業担当の方にご案内いただきました。MAツールに関しては、上手く軌道に乗せられなかったのですが、やはりメール配信でもっと効果を上げたい!という想いは全く変わっておりません。ステップメールにチャレンジしてみたいですし、実際に婚活事業部でもステップメールをやろうという話も出ています。
また、トリガーメールやホットリード抽出などの機能を使えば、メール配信の効果が上がると感じました!さらに、配配メールBridgeなら、今活用している配配メールと管理画面も変わらないので、操作がしやすく、最小限の工数でこれまで同様に効果検証できると思いますので、ぜひ配配メールBridgeを活用させていただきたいと思っています!
ー現状の配信方法やその効果も含めていろいろ教えていただき、ありがとうございました!配配メール導入後の効果検証からMA導入~終了までの流れ、現状の配配メールの運用施策とお話いただきましたが、全てのお話で共通するのが「メールマーケティングで成果を上げる」ということでした。そのための効果検証や効率改善方法はBtoBのメルマガ配信を行っている身として非常に勉強になりました。私どもとしても医師のとも様の想いを汲んで、これからもサポートさせていただきます。また、配配メールBridgeについても、ご検討いただき、ありがとうございます。こちらはリリースしましたら、すぐに営業担当からご連絡させていただきます!また、Bridgeを活用いただいた際には、今度はBridgeの内容でインタビューさせていただけると幸いです。本日は本当にありがとうございました!
関連リンク:医師のとも様コーポレートサイト
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