メールで添付ファイルを送る際は「添付いたします」が正解?例文とマナー
ビジネスメールを送信するときは、失礼がないように気をつけなければなりませんし資料などの添付ファイルがあるときは特に注意が必要です。円滑に仕事をしていくためにも、マナーはきちんと身につけましょう。
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目次
添付とは
添付とは「(書類や様式に)他のものを付け添える」という意味の言葉です。例えば「応募書類をご提出の際は、年齢確認ができる書類の写しを添付してください」と記されている場合、健康保険証やパスポート、自動車の運転免許証など、自分の年齢を証明できる書類のコピーを用意する必要があります。
「2点以上のものを1セットとして扱う」というニュアンスも含まれており、クリップなどですべての書類がひとつにまとめられた状態がイメージに近いです。電子メールにもよく使われる言葉で、「添付ファイル」であれば「メールに付け添えるファイル」という意味をもちます。
「貼付」との違い
「貼付」は「ちょうふ」と読み、あるものに別のものをはりつけることを意味します。「てんぷ」「はりつけ」と読まれるのを耳にするケースもありますが、正式な使い方ではありません。特に、実際に物体同士を貼り付けるわけではない「添付」とは、意味合いが少し異なります。
「枠内に収まるように写真を貼付してください」「ハガキに切手を貼付してご応募ください」のように使用します。
「あるひとつのものを、物理的に別のものにくっつけて離れない状態にすること」のイメージで、水のりやスティックのり、セロハンテープなどを使う場合も「貼付」が用いられます。
「別添」との違い
別添とは、「すでに用意されているものに付け加えること」を指します。補足の意味合いで使われる場合が多く、まったく異なる内容の資料などを添えることもある「添付」とはやや異なるニュアンスの言葉です。
例えば「見積書の詳細は別添の資料をご参照ください」などの使われ方が一般的です。添付と別添では、「別添」のほうが「メインの資料の他にも書類が用意されていること」をより強く協調できます。
「送付」との違い
送付とは、「ある場所から別の場所へ物品や書類を送達すること」を指します。運送会社に依頼して、現在地とは異なる宛先にものを届けるシチュエーションなどが該当します。送付物の内容や送付の意思を示す文書は一般的に「送付状」と称されます。「物品を送り届けることそのもの」を指す単語なので、FAX・メールなどで文書のみを送る場合は「送信」が用いられますが、書類などを一緒に送るのであれば「送付」としても構いません。
添付ファイルのあるメールの書き方
1.件名と本文にファイルの内容を書く
ビジネスメールで相手に添付ファイル付きのメールを送信するときは、件名と本文にどのようなファイルを添付しているのかを書く必要があり、これには2つの理由があります。
1つ目は、メールを受け取った相手が、どのようなファイルが届いたか分かるようにするためです。メールをやり取りしているのは、社内の人間だけではありません。取引先や顧客などの社外の人は、他の相手先やその社内のメールなど、やり取りをしている数もたくさんあります。その中で、何も件名が記載されていない添付ファイルのメールが届いても、一目見て分からなければ放置される可能性があります。また、どのような案件のファイルか不明な場合、最悪ウイルス付きのメールと勘違いされることもあるため開封されないまま見過ごされる可能性があります。
2つ目は、添付漏れがないようにチェックするためです。ビジネスメールで資料を相手に送信するときは、必ずチェックすることが大切です。重要な案件のメールほど、添付漏れや間違いがないようにしておかなければなりません。そのため、メール本文に自分が送る添付ファイルの内容を書いておくと、「何を添付したのか」「どれを添付し忘れているのか」という確認ができるため、ミスを防ぐことにも繋がります。
2.問い合わせ先を明記する
添付ファイルの中にある資料について、質問や不明点があれば、問い合わせをしなければいけません。そのときに、誰に問い合わせればよいのか分からなければ、相手が困ってしまいます。メールに添付されている資料について、問い合わせを受付する担当者(メール送信者以外であればその担当者名)を記入しておくと安心です。
添付ファイルのあるメールの注意点
1.容量に注意する
添付ファイル付きのビジネスメールを送信するときは、容量の大きさに注意して送信する必要があります。例えば、3MB超のファイルを送信すると、サーバーや容量の関係上、相手が受け取れなくなってしまう可能性があります。大容量のファイルをメールに添付するときは、ZIPで圧縮して送信するなどの対策をしておけば、容量を小さくして相手も受け取れるようになります。
もし、10MB以上の添付ファイルを送信しないといけなくなった場合は、大容量ファイル転送サービスの利用をすれば、メール上の容量をとることがありませんのでスムーズに送付できるでしょう。ただし、このサービスは相手のセキュリティの関係上使用できないときもあるので、どのような形で送信するのか、先に相手と相談してから利用するようにしてください。
2.受け取り側の環境に合わせる
こちらから添付ファイル付きのメールを送信するときは、まず相手がどのようなネット環境なのか確認してください。PCの容量や機種によって、添付ファイルの拡張子(docx、xlsx、pdf、jpg)を使い分けることで、相手に手間をとらせることなくメールのやり取りができます。ネット環境を確認せずに送ってしまうと、送信先のPCでファイルが開けないトラブルが起こる可能性もあります。
3.セキュリティに留意する
日頃からPCやネットワーク環境のウイルス対策をしておく必要があります。ウイルスに感染した場合、自分だけでなく取引先や顧客の会社全体にも影響を及ぼす可能性があります。セキュリティは日々進化していますが、ウイルスも同様に進化しています。何かあってからでは遅いので、お使いのPCはもちろん、メールに添付するファイルに対してもセキュリティ対策を実施するようにしておきましょう。
4.冒頭で添付ファイルがあることを伝える
ファイルを添付したメールを送る際は、本文の冒頭に添付ファイルがあることをあらかじめ伝えておくことも大切です。どのような添付ファイルなのかを断っておくことによって、受信側も安心して添付ファイルを開封できます。
さらに事前に添付ファイルがあることを添えておけば、該当のファイルを添付し忘れたりうまく受信されなかったりした場合でも相手が気づきやすく、早急に送り直すことができます。
5.内容が分かりやすいファイル名を設定する
メールに添付されている間は、本文内に記載されている内容を読み取ることでどのようなファイルなのかを認識できます。しかしファイル名が分かりづらいものの場合、ダウンロードした後に「何のファイルなのか」が認識しにくくなる可能性があります。そのため添付ファイルには、内容が分かりやすいファイル名を設定することも重要です。
添付ファイルのよくある問題
1.ファイルが壊れて開けない
添付ファイルについてよくある問題が、ファイルの破損です。送信したときは問題なくても、受け取り側のPCで確認すると破損して開けない状態になっていることもあります。もし、相手側からファイルが開けないという問い合わせがあった際は、メールソフトの簡易修正ツールの利用を促すと大抵のファイルが開けます。
2.パスワードが分からなくて開けない
重要な資料を送信するときに、添付ファイルにロックをかけて送付するときがあります。そのときに、パスワードも一緒に送らなければいけませんが、「別のメールでパスワードを送信するのか「クリックすると自動でパスワードが送信されてくるのか」など、送り方は様々です。この場合は「別メールでパスワードを送信します」など、一言入れると相手に分かりやすくなるので親切です。
3.文字化けして内容が分からない
特にMacのPCからWindowsのPCに、添付ファイル付きのメールを送信すると、文字化けをおこしているときがあります。MacとWindowsでは規格が違うので仕方のないことなのですが、受け取る側が文字化けしている添付ファイルを見て「ウイルスかもしれない」となれば一大事です。そうならないためにも、ZIPで圧縮や拡張子を変更するなど、必要な対策をしておきましょう。
4.誤ったファイルを送ってしまう
本来送信しなければならないファイルとは異なるファイルを誤って送信してしまうのは、よくあるミスのひとつです。送り間違えたファイルの内容によっては重大な機密情報の漏えいに繋がる可能性があるため、ファイルを送るときは必ず正しいものが添付されているかを確認しましょう。
万が一取引先やお客様の機密情報を送信してしまうと大規模なトラブルに発展する可能性もあるため、細心の注意を払う必要があります。
5.サイズが大きすぎて読み込みに時間がかかる
添付ファイルのファイルサイズが大きすぎると、受信側が読み込むのに長い時間を要する可能性があるため注意が必要です。
受信側のサーバーの設定によっては一定以上の大きなファイルサイズの添付ファイルは受信できない設定になっていたり、受信サーバーに届いた時点で削除されたりすることもあります。そのためファイルサイズが大きい場合は圧縮するなど十分に配慮して、相手が開きやすいファイルを送ることが大切です。
情報漏えい問題
機密情報を含んだ添付ファイルを誤送信してしまい、重大な情報漏えいに繋がる事故は少なくありません。本来の送信先とは異なる宛先に送信が完了した段階で、相手がメールを開いていなくても「情報漏えいが起こった」と解釈されます。
限りなくゼロに近づけられたとしても、事故が発生する可能性を完全になくすことはできないのが実情です。添付ファイルにパスワードを設定するなどの対策を講じると、万が一の場合でも情報を守れる可能性が高まります。それでも専門的な技術を駆使すれば解読できてしまうファイルは多いので、送信する前に宛先が正しいかどうかを確認する習慣を徹底することが重要です。
ネットワーク負荷
メールに大容量のファイルを添付して送信すると、自社のネットワークに多大な負荷がかかります。契約している回線などの環境によっては、拠点全体でシステムのパフォーマンスが低下したり、送信が完了するまでに膨大な時間がかかったりするケースもあるため注意が必要です。
受信できるメールの容量を制限している企業もめずらしくないので、大容量のファイルは送信不能と判断されてリターンメールが通知される場合もよくあります。仮に受信できたとしても、あまりにデータ量が大きいファイルはダウンロードに時間がかかり、相手のネットワークに負荷をかける可能性もあるので、適切なサイズにすることを心がけるのが大切です。
メールの例文
ここからは、上記のことを踏まえたビジネスメールの例文をご紹介したいと思います。どちらも、あくまでひとつの例なので、送り先の状況や送信する内容によって文章を使い分けしてみてください。
- 件名
- 【資料添付】○○様のお見積もりの件
- 本文
- 株式会社◎◎ ○○様
いつも大変お世話になっております。
ご依頼をいただいておりましたお見積もりの件について資料を添付ファイル(pdf)にてご案内いたします。
ご確認ください。
・送付内容:◎◎社様へのお見積もりの件(1ファイル)
どうぞよろしくお願いします。
-------------------------------------
株式会社△△ ××部
□□(氏名)
(会社の住所)
TEL:(電話番号)/FAX:(FAX番号)
(HPのURL)
(メールアドレス)
-------------------------------------
- 件名
- 【資料添付】○○様のお見積もりの件
- 本文
- 株式会社◎◎ ○○様
いつも大変お世話になっております。
株式会社△△の□□です。
○○様からご依頼頂いていた見積もりを作成しましたので
ご連絡いたします。
・数量---個
・追加発注のお見積もり
以上の見積書を添付いたしますので
ご確認ください。
(添付ファイル:見積01.pdf)
また、納期や見積もりでご不明な点がおありでしたら
このメールにお問い合わせくださいませ。
よろしくお願いします。
-------------------------------------
株式会社△△ ××部
□□(氏名)
(会社の住所)
TEL:(電話番号)/FAX:(FAX番号)
(HPのURL)
(メールアドレス)
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企業によって、メールの文体や構成などの形式が異なる場合もあります。統一した形式で送る場合は、テンプレを作って活用することをおすすめします。
メールは受け取り側に分かりやすく送信する
ビジネスではいろんなマナーがありますが、基本的に相手のことを考えて親切に対応することが大切です。親切に対応するということは、メールの内容がすぐに分かるようにするなどの小さなことです。ちゃんと問い合わせ先が書かれてあると、相手が安心感を覚えます。PCの環境に合わせてくれるだけでも、互いに気持ちよく仕事をすることができます。
互いに顔が見えない状況で、文字だけのやり取りというのはとても難しいものです。それだけ、相手に失礼がないように、マナーには気をつけなければいけません。分かりやすくメールを送信することは、その1歩なのかもしれません。
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