ビジネスメールでお断りする際のポイントとシーン別の例文を紹介
ビジネスにおいて、取引や依頼へのお断りを伝える場面も多いでしょう。数あるメールの中でも特に気遣いが必要な「お断りメール」。今後も良好な関係を維持する上で重要な役割を果たすので、慎重かつ丁寧な文面を心がけましょう。
今回は、お断りメールを送る際のポイントやシチュエーション別の例文についてご紹介します。
目次
お断りメールの内容で今後の関係性も変化する
ビジネスを続けていると、どうしても相手に断らなければならないシーンに直面することがあります。たとえば、契約やイベント招待など、さまざまなシチュエーションで相手にお断りのメールを送付しなければならないことがあるでしょう。相手との関係が継続する場合は上手な断り方をしなければ相手との関係性が崩れてしまう可能性があるため、慎重に対応する必要があります。
たとえ二度と取引する可能性がないように見えたとしても、今後何らかの形でかかわる可能性がないとはいえません。
今回の検討では候補から外れて製品の購入を辞退することになったとしても、数年後にその企業が発表した新商品を購入する可能性はあるでしょう。展示会やセミナーなど、ふとしたきっかけで縁がつながる場合もあります。
未来を見据えつつ相手との関係を円滑に維持する上で、どのような場面でもスマートに対処することが重要です。
お断りメールを送る際のポイント
お断りメールを送るときは、次の5つのポイントに注意しましょう。わかりやすく簡潔に記載することが大切ですが、かといって切り捨てるのではなく柔らかい表現を使うことも重要です。
用件を明確にする
お断りメールを送付する際は、「断りである」ということがひと目で見てわかる内容にすることが大切です。曖昧な表現だと断られているのかを判断しづらく、相手を困らせてしまう可能性があります。「検討中」「条件によっては」などの表現ではなく、「できません」「不可です」などの断定表現を使いましょう。
理由を説明する
「なぜ断るのか」といった理由を具体的に説明できると、相手も納得しやすくなります。理由がわかりづらいと相手に不信感を与える可能性があります。今後の関係性を維持するためにも、簡潔に理由を添えておくことをおすすめします。
柔らかい表現を使う
相手に不快感を与えないように注意して、「クッション表現」と呼ばれる柔らかい表現を使うのが効果的です。「せっかくですが」「恐縮ですが」「あいにくですが」など、断りの言葉を和らげるような表現を積極的に利用するとソフトな伝わり方になります。
相手の希望を断つ形にもなり得るお断りメールにおいては、表現に配慮することが非常に重要です。文面の作成後は失礼な伝わり方になっていないか、慎重に読み返して確認しましょう。
感謝や気遣いの言葉を忘れない
内容がお断りの場合でも、相手への感謝や気遣いの言葉を忘れずに伝えましょう。自分も心苦しく残念な想いをもっていることを伝えて、相手の気持ちに寄り添う内容を心がけることが重要です。
「ありがたいお話ではありますが」「誠に残念ですが」「心苦しいのですが」などの表現がよく使われます。
相手からのお誘いを断らなければならない場合は、「あいにくですが外せない所用があり」などのお詫び表現を使うとスマートです。
次につながる表現にする
お断りした後も関係が続く場合は、次回以降につながる表現で締めると良いでしょう。良好な関係を保ちたい時は代替案を投げかけるか、「次の機会を楽しみにしている」ことが伝わる表現を使うと相手との関係を悪化させにくくなります。
たとえば「今回はご要望に沿えない結果となり恐縮ですが、〇〇であれば対応可能です。宜しければご検討くださいますと幸いです。」「今回は見送らせていただく結果となりましたが、またの機会を楽しみにしております。」のような表現がよく使われます。
お断りメールに使いやすいフレーズ
どのようなシチュエーションでも比較的使いやすい、お断りメールに適した代表的な3つのフレーズは以下の通りです。
- 辞退させていただきます
- 今回は見送らせていただきます
- ご期待に沿えず申し訳ございません
「辞退させていただきます」は「不可です」「お断りします」などの強い印象の言葉を柔らかい言葉にしたもので、角が立ちにくい表現で断りの意思を伝えられます。
「今回は見送らせていただきます」は「今回は」というクッション言葉を付加することで次へのつながりを予感させ、断りの言葉を和らげています。
「ご期待に沿えず申し訳ございません」は自分を下の立場に置くことで、相手への印象を高める表現です。相手を褒めながら断りを入れられるので、断りメールには重宝するフレーズです。
お断りメールの基本構成
断りメールの基本的な構成は、下記のような構成が一般的です。
- 宛名
- あいさつ
- 相手からの申し出への感謝
- 申し出に応じられないことへのお詫び
- 断る理由
- 代替案
- 気遣いの言葉
- 署名
単に申し出を受け入れられないことを伝えるだけでなく、「断らなければならないことを残念に感じている」という気持ちをあらわすことが大切です。可能であれば、断りの言葉に加えて代替案を提示すると親切な印象を与えられます。
丁寧で印象に残るお断りメールの書き方
上述した基本構成のメールでの書き方について、各要素でのポイントを解説します。
件名
件名ではお断りの内容を端的に表すようにしましょう。例えば以下のように、どういう依頼内容をお断りするかを簡潔に明示することがポイントです。
冒頭
メール本文の冒頭では、相手の依頼に対して感謝の気持ちを伝えましょう。例えば以下のような文章で感謝の気持ちを伝えるとより丁寧な印象を与えることができます。
冒頭以降の本文
冒頭以降では、断りの理由を具体的に説明しましょう。曖昧な表現は避け、相手に納得してもらえるような説明を心がけます。また、上述したお詫びのフレーズを含めるとより丁寧な印象を与えることができます。さらに代替案があるのであれば、この本文内に追記するとよいでしょう。
締め
最後に、締めの言葉を添えてメールを締めくくります。ここで気遣いの言葉を含めることで相手に嫌な印象を持たれなくなります。上述のお詫びのフレーズも交えると以下のような文章が適切です。
悪い印象を与えてしまう断りメールの例
断りメールを送る際は、必ず断りを入れる理由を添えましょう。「今回のお申し出はお断りさせていただきます」と記載するだけでは、相手がなぜ断られたのかわからないままになってしまい、納得感が薄れるためです。
加えて、ネガティブな表現を使わないことも印象の良いメールに仕上げるためのポイントです。「今回は不参加でお願いいたします」「この度は参加できません」など、直接的に相手の申し出を否定する言葉を使うのではなく、「あいにくですがこの度は参加が難しいため、ご連絡を差し上げました」など、相手を気遣った柔らかい表現を意識しましょう。
断りメールの例文
ここでは、すぐに使える断りメールの例文を4種類ご紹介します。日常の中で断りメールを送らなければならない場面は多くあります。状況に応じて相手を思いやる文面を添え、角の立たない内容を心がけましょう。
商品の購入依頼を断るメール
件名:頂戴したお見積もりの件につきまして
株式会社〇〇
〇〇様
いつも大変お世話になっております。
〇〇株式会社 〇〇です。
先日は貴社製品のお見積りを頂戴し、誠にありがとうございました。
頂戴したパンフレットとお見積りを拝見し、弊社内で慎重に検討を重ねましたが、今回は購入を見送らせていただくこととなりました。
ご期待に沿えず申し訳ございません。
〇〇社様の製品は精度が高く、機会がありましたら是非お取引いただければと思っております。
末筆ではございますが、皆様のご健勝を心よりお祈り申し上げます。
相手の希望を叶えられない時のお断りメール
件名:今回いただいたご提案内容に関して
〇〇株式会社 営業部
〇〇様
いつも大変お世話になっております。
△△株式会社の田中です。
この度は、貴社の新製品をご提案いただき、誠にありがとうございます。
せっかくご提案を頂戴したところ恐縮ではございますが、今回は導入を見送らせていただきます。
大変、魅力的な製品だと感じたのですが、〇〇という理由があり、貴社のご要望にはお応えいたしかねる結果となりました。
またの機会がございましたら、ぜひよろしくお願いいたします。
末筆ではございますが、貴社の益々のご発展を心よりお祈り申し上げます。
不採用を通知するメール
件名:採用面接結果のお知らせ
〇〇様
先日は、弊社の面接にご足労いただきありがとうございました。
慎重かつ厳正な審査の結果、誠に残念ではございますが、今回は採用を見送らせていただくことになりました。
何卒ご了承くださいますようお願い申し上げます。
末筆ではございますが、〇〇様の今後のご活躍とご健勝をお祈りいたしております。
見積依頼のお断りメール
件名:弊社製品「〇〇」につきまして
株式会社◯◯
〇〇様
いつも大変お世話になっております。
株式会社△△の××と申します。
この度は、弊社の製品「〇〇」についてのお問い合わせを頂戴し、
誠にありがとうございました。
せっかくのご依頼ではございますが、「〇〇」はすでに廃版となっており、
在庫のない製品となっております。
代替品として弊社新商品の「〇〇」がございますので、
宜しければ添付ファイルのパンフレットをご参照いただき、ご検討くださいますと幸いです。
ご不明な点等がございましたらお気軽にご連絡ください。
この度はご期待に沿えず、大変申し訳ございません。
今後とも、何卒よろしくお願いいたします。
イベント参加依頼のお断りメール
件名:イベントへの参加の件につきまして
株式会社◯◯
〇〇様
貴社ますますご健勝のこと、お慶び申し上げます。
この度は貴社創立記念祝賀会へお招きいただき、誠にありがとうございます。
せっかくご招待いただいたところ大変心苦しいのですが、所用があり今回は見送らせていただきます。ご期待に添えず大変申し訳ございません。
今回は見送らせていただきましたが、またのお誘いを楽しみにお待ちしております。
今後とも何卒宜しくお願い申し上げます。
お断りメールを送るタイミング
お断りメールを送る際は、お断りすることが確定した後できるだけ早いタイミングで伝えるようにしましょう。
例えば、イベント登壇依頼などはお断りすることで、相手は代替案を検討しないといけないこともあるでしょう。イベント関連だと日程も決まっていますので、相手への配慮も踏まえてなるべく早く連絡するようにしましょう。
また、ビジネスパーソンは1日に何通ものメールを送受信しています。他のメールと埋もれてしまわないよう、お昼休憩前後に送ると良いでしょう。
重要な内容であれば、電話や対面という手段で連絡する
重要なお断りの場合は、メールだけで済ますのではなく、電話や対面など直接会話ができる方法も検討しましょう。
どれだけ配慮していても、メールでは文面だけのやり取りになるので、誤解を招いたり、ぶっきらぼうな印象を与えることもあります。
重要な内容かつ今後も良好な関係性を維持したい相手であれば、なおさらメール以外でも連絡すると良いでしょう。
まとめ
何らかの依頼をもちかけられた際に断りを入れるためのメールは、数多くあるメールの中でもとりわけ注意深く内容を精査して送信しましょう。相手との関係を維持したいと考えている場合、1通のメールが今後のビジネスを左右する可能性もあるため、特に慎重になる必要があります。
断定的な強い言葉を使うのではなく、クッション言葉なども用いて柔らかいニュアンスの表現を織り交ぜることで、角が立ちにくく相手への謝意も伝わる断りメールを作成できます。ぜひ心がけて見てください。
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