qq.com メールって何?中国のお客様にメール配信する際に気を付けること

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qq.com メールって何?中国のお客様にメール配信する際に気を付けること

商談や展示会などのビジネスシーンやインバウンド客へのプロモーションなど、中国のお客様とコミュニケーションをはかる機会がある方も多いのではないでしょうか。中国ではネット環境への独自の規定やセキュリティ強化がとられているため、日本のBtoBやBtoCのプロモーションにおいて一般的に行われているメール配信の手法では、うまくいかないことがあります。今回は特に中国国内の多くの方が利用しているドメイン「qq.com」に注目し、中国のお客様に対してメール配信を行うときに注意すべきポイントをご紹介します。

目次

    qq.comメールって何?

    @の後ろが「qq.com」となっているメールアドレスを見たことがあるでしょうか。qq.comとは、中国で普及している「テンセントQQ(キュウキュウ)」というメッセンジャーアプリのアカウントを持っていれば取得できるメールアドレスです。
    テンセントQQは、メール・チャット・通話・アプリ決済などの機能を持ち、日本でいうLINEのような存在として国民的に親しまれています。総アカウント数は実に数億規模にのぼる巨大サービスです。数億人のテンセントQQユーザーの約90%以上の人がqq.comを取得しているため、非常にポピュラーなドメインといえます。

    qq.comにはメールが送信できない?

    中国のお客様と取引する際は、日本からのqq.comへのメール送信に注意が必要です。なぜそのような認識がされているのか、その背景について見ていきましょう。

    ネット規制が強化されている中国

    そもそも、中国は外国企業のネットコンテンツへの規制を強化しています。こうした取り締まりのひとつに、2016年に施行されたものがあります。

    ”「外国企業のインターネットコンテンツ配信を禁ずる規定」
    外国企業、および外国企業と中国企業の共同事業や合弁会社からテキストや地図、ゲーム、アニメ、オーディオ、ビデオといった様々なコンテンツをオンライン配信することが禁じられる。電子化された書籍や、芸術・文芸作品なども対象に含まれる。”

    引用:日経XTECH「中国、3月10日より外国企業のコンテンツ配信を禁止へ」

    この規定からは、「オンラインのほとんどのコンテンツに制限がかかる」と解釈できます。しかし「メールマガジン」の記載はなく、規制の対象にはなっていません。
    日本企業としては中国のお客様とのコミュニケーション手法として、メールマガジンを活用する余地がまだあるといえるのです。

    中国にはGmailが届かない

    とはいえメールマガジンで中国のお客様とつながる場合にも、注意が必要です。
    例えば、世界中にユーザーを持つ「Gmail」の利用が中国では制限されています。日本からGmailアドレスを使ってメールを送っても、ほとんどが不達になってしまうそうです。

    これから中国のお客様との取引を行うことを考えているなら、「日本では問題なくできている海外の情報サイトの閲覧やGmailの利用が、中国ではできない」という現状を知っておくことが大切です。

    qq.comへのメールがほとんどエラーになる

    qq.comの独自に設けられた厳重なセキュリティシステムにより、送られたメールはほとんどがブロックされている状況だそうです。qq.comユーザーは、主にチャット機能でコミュニケーションをはかっていると考えられます。

    qq.comのセキュリティシステムに阻まれメールが不達になる要因としては、「一度に多数のメール受信があった場合」や、「大量配信向けのメール内容と見なされた場合」「規定の上限を超える配信が、一度に同じIPアドレスからあった場合」などが挙げられます。つまり、同じ内容を大量配信するメールマガジンは事実上qq.comドメインには送信できないということになります。

    中国にメールを届ける方法

    現状では、日本から中国へのメールを届ける「確かな方法」があるといえません。qq.comへの送信やGmailからのメール送信はエラーが起きることがほとんどなので、ビジネスの効率面から考えても避けるべきでしょう。

    エラー配信になるアドレスを解析する機能を持ったツールの活用も有効です。配配メールが提供する「配信エラー解析・自動停止」機能では、配信エラーとなったアドレスを原因別に分類して配信リストから簡単に除外することができるので、事前にロスを軽減し配信到達率を上げることができます。

    問い合わせフォームに対するqq.comからのスパムメール対策をご紹介

    現在の中国のビジネスシーンでは、メールマガジンはただ大量に配信するだけの送信元がほとんどのようです。リマインド送信やステップメールといったメールマーケティングの手法は、日本ほど浸透していません。中国の全ての企業がそうだとはいえませんが、大量のメールをしつこく送信してスパムメール扱いとなり、ブロックされようとも改善しない傾向にあるそうです。

    そのため、受信側として中国からのスパムメールへの対応策を事前に知っておき、防御する準備をしておきましょう。ここではホームページの問い合わせメールフォームに対して、qq.comドメインからの大量のスパムメールが届いた場合の対策の一例をご紹介します。

    対策1:メールフォームを一時的に閉鎖する

    ホームページの問い合わせメールフォームがスパムメール被害に遭ってしまったら、まずそのメールフォームを一時的にでも閉鎖し、これ以上の被害をくい止めましょう。

    対策2:IPアドレスを特定し対策する

    メールフォームのログを解析し、発信元のIPアドレスを突き止めます。同一のIPアドレスからの短時間での膨大なアクセスが判明したら、そのIPアドレスをブラックリストに登録し、メールフォームへのアクセスをブロックします。

    対策3:送信元を判別するシステムを導入する

    スパムメールと判断されるような大量のメール送信は、人ではなくロボットが作業している場合が多くあります。送信元が人かロボットかを識別するシステムを導入することで、ロボットからのスパム攻撃を防ぐことができます。システムの一例としては、Googleが提供する「Google「reCAPTCHA」」があります。

    対策4:海外のIPアドレスにはメールフォームを表示しない

    あまりにスパムメールからの被害が多く、そのIPアドレスに海外のものが多い場合、海外のIPアドレスにはメールフォームを表示しないという方法も考えることをおすすめします。アクセスそのものを避けるという、ピンポイントの対策を検討すべきでしょう。
    中国のお客様へのコミュニケーションを主題にしている今回の記事には該当しないかもしれませんが、接点の多い日本国内のお客様からの問い合わせを優先する場合の対策です。

    対策5:スパム被害の状況を対策機関に相談する

    スパムメールを含む、いわゆる迷惑メールに関する相談を受け付けている機関があります。総務省から委託を受けている「迷惑メール相談センター」では、電話相談や迷惑メール関連の情報発信を行っているので、対策のためのヒントが得られるかもしれません。

    まとめ

    現状、中国へのメール配信ではqq.comドメインをはじめとした様々な課題を抱えています。ですが今後の中国のビジネス環境においてもメールマーケティング施策が重要視され、メール配信の環境が変化していくかもしれません。
    中国とのビジネス取引に視野を広げるなら、スパムメールへの対策も心得ておくと安心です。今から中国特有の情報通信社会のルールを把握し、メール配信の取り組みを進めてみてはいかがでしょうか。

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    記事執筆者紹介

    記事執筆者 大塚 陽生紹介
    大塚 陽生著者大塚 陽生のXへのリンク
    株式会社ラクス ラクスクラウド企画部 オンラインプロモーション課

    広告代理店の営業&ウェブ広告の運用担当として6年間従事し、2019年4月ラクス入社。オンラインマーケティングチームに所属し広告運用や営業メールの運用を担当。メルラボでは、主に自身のメール配信実績をもとにした記事を作成。

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