空メールって何!?空メールを送信する理由についてもご説明
ガラケー利用者にお馴染みの「空メール登録」ですが、今もなおモバイルサイトの会員登録などで活用されています。なぜなら空メールは、企業とモバイルユーザーの双方にメリットがある会員登録システムだからです。今回は、空メールとは何かや会員登録に用いられる理由、モバイル会員などの集客に使うメリットをご紹介します。
目次
空メールとは
空メールとは、件名や本文に何も記載せず送信するメール、あるいはそれを利用した会員登録機能などを指す言葉です。メール本文を空白(ブランク)にして送ることから「ブランクメール」とも呼ばれます。
空メールは、1990年代から2000年代初頭のいわゆる“ガラケー時代”に多用されました。主な利用用途は、「メールアドレスを相手に伝えたい時」「企業キャンペーンなどに応募する時」などです。スマートフォンの普及で利用頻度が減ったものの、今もガラケーを使い続けるユーザーにとっては大変重宝される情報伝達手段となっています。
空メールを送信する理由とは?
モバイルサイトを筆頭に、「このアドレスに空メールを送信」といった広告バナーやリンクテキストを見たことがあるのではないでしょうか。企業がユーザーに空メールの送信を促す理由は、キャンペーンや懸賞告知などに利用する会員情報の登録手続きを簡略化させるためです。
空メールの仕組み
具体的な仕組みについて、モバイルサイトの会員登録を例にご紹介します。
ユーザーはまず、空メールを指定されたメールアドレスに送信します。この段階では仮登録状態に過ぎず、会員登録は済んでいません。その後、会員登録フォームのURLを記載したメールが返信されます。メール内のURLをクリックし、氏名などの必要事項を入力することで会員登録が完了します。
空メールの魅力
上記からわかる通り、空メールを利用することでユーザーによるメールアドレスの入力の手間を省けます。これが空メールを利用しない場合、メールアドレスを一語一句手入力する必要が生じます。端末操作が苦手な人は、その手間から会員登録を断念することも考えられます。指定されたメールアドレスにメールを送るのみでキャンペーンや懸賞の応募ができたり、会員登録を始められたりする手軽さは、空メール独自の魅力です。
空メールを利用する企業のメリットとは?
空メールは、モバイルサイトを運営する企業が会員数を増やすために利用します。ここでは、空メールを利用する「企業目線」のメリットをいくつかご紹介します。
ユーザーに手軽に登録してもらえる
ガラケー利用者のモバイル会員を集める場合、特定のメール配信システムが搭載する「空メール登録機能」が重宝されます。これはユーザーからの空メールの送信のみでメールアドレスを集められるほか、本会員の登録フォームURLなどを自動返信できる機能のことです。
空メール登録機能を活用すれば、ユーザーは登録メールアドレスを手入力する必要がなくなります。これが会員登録の敷居を下げるポイントとなり、ユーザーを「とりあえず送ってみよう」という気にさせます。
ユーザーの離脱を防ぐことができる
さらにいうと、空メール登録は、ユーザーの離脱による機会損失への対策にも効果的です。ユーザーが会員登録を断念する一番の理由は、「アドレスの入力が手間に感じる」ことにあります。空メールによって会員登録の仕組みさえ用意してあげれば、ユーザーの途中離脱を防ぐほか、機会損失の回避に繋がります。
メールアドレスの入力ミスを防ぎ、確実に自動返信メールを届けられる
登録者の入力ミスなく確実にメールアドレスを取得できるのも、空メール登録の魅力です。ユーザー側のメールアドレスの入力ミスにより、自動返信メールが届かないケースは現在も多々あります。空メール登録は空メールを指定のメールアドレスに送るのみなので、メールアドレスの誤入力の心配がなくなります。
このようなことから、空メール登録機能はガラケー利用者のモバイル会員を増やすのにも効果的と考えられます。メールリストの増強にも有効な機能ですので、積極的に活用したいところです。
精度の高い会員情報を収集しやすい
MA(マーケティングオートメーション)の登場にともない、近年は“One to Oneマーケティング”を容易に実現する環境が整いました。その一方で、導入敷居の高さや運用コストから、導入に踏み切れない企業は少なくありません。
空メールを活用し、事前に確実に届くメールアドレスだけを収集しておく事で、後段で会員の属性情報などの詳細情報を収集しやすくなります。以下にて具体的な方法について説明します。
効果的な会員登録のプロセス
まず、会員登録のプロセスは「仮会員」と「本会員」に分かれる“ダブルオプトイン方式”を採用します。最初に空メールを送った段階が仮会員、返信メールから会員登録フォームにアクセスし、基本情報の入力を終えた段階が本会員となります。
会員登録フォームには、基本情報に加えて性別や職業、趣味、家族構成、年収、などのアンケート項目を設けます。ポイントは、できるだけ回答項目数を少なくすることです。ボリュームが多いと途中離脱に繋がる恐れがあるため、回答項目は吟味する必要があります。このような登録フォームを用意することで、メールアドレスとは別に顧客情報を収集できます。
収集、蓄積したデータは、ユーザーの属性情報としてマーケティングに活かします。これにともない、ユーザー一人ひとりに最適なコンテンツを届ける“One to Oneメール ”の配信も可能になります。
空メール登録でメルマガ購読者は増やせるのか?
モバイル会員のみならず、メルマガ購読者を増やす上でも空メール登録は有効です。なぜなら、空メール送信時にユーザーのメールアドレスと「オプトイン(事前承諾)」を同時取得できるためです。これにより、効率良くメルマガ購読者を増やすことができます。
「特定電子メールの送信の最適化等に関する法律」においても、空メール登録で収集したメールアドレスには、メルマガ配信を行っても問題ないとしています。ただし、指定のメールアドレスを掲載するサイトなどに、メルマガ配信を行う旨を明示する義務があります。
ダブルオプトイン方式でのメルマガ配信における注意点
2段階プロセスで会員登録を進めるダブルオプトイン方式の場合、ユーザーが空メールを送信した時点では未だオプトインを取得したとは認められません。この場合、オプトインの取得タイミングは、本会員登録時点となります。メルマガ配信を行う旨の明示、また同意の取得を証明する書類の保管などは必須となりますが、このように適切な手順を踏めば、本会員の登録後にメルマガを配信することが認められます。
なお、空メール登録で収集したメールアドレスに対し、ユーザーのオプトインを取得せずにメルマガ配信をしてはなりません。これは「特定電子メールの送信の最適化等に関する法律」に抵触する違反行為となります。
まとめ
空メールは、パソコンやモバイル端末、タブレットが普及した今日においても重宝される情報伝達手段です。とりわけ最近は、登録用メールアドレスをQRコードに変換し、リアル店舗の広告に掲載するといったテクニックも考案されました。
空メールが未だ高いポテンシャルを秘めているのは確かです。他の機能やサービスと組み合わせることで、全く新しい活用方法が見つかるのではないでしょうか。
※「QRコード」は株式会社デンソーウェーブの登録商標です。
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