IPレピュテーションを理解してメール到達率を向上

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IPレピュテーションを理解してメール到達率を向上

メール到達率が低い理由には、IPレピュテーションの評価が関係している可能性があります。IPレピュテーションについて正しく理解し、メール到達率を維持・向上させるための取り組みを行いましょう。

目次

    IPレピュテーションとは?

    IPレピュテーションとは、Webサイトやメールの発信元(IPアドレス)の信頼性・安全性を評価する仕組みのことを指します。IPアドレスの評判をスコア化し、その情報をインターネットサービスプロバイダー(ISP)に提供することで、ISP側はインターネットにおけるメールの受信を制します。例えば、評判の悪いIPアドレスからメールが届いた場合、インターネットサービスプロバイダーが受信を制限したり、迷惑メールと判断してフィルタリングしたりします。
    IPレピュテーションが誕生した背景には、「スパムメールの増加」が関係しています。出会い系サイトへの誘導や違法な薬の販売などを目的としたスパムメールが大量に届くと、メールボックスの容量を確保できなくなるだけでなく、取引先からの重要なメールの見落としにもつながります。IPレピュテーションには、こうしたトラブルを引き起こすスパムメールを排除する役割があります。メールマーケティングを行う上では、配信するメールがスパム扱いを受けないよう、IPレピュテーションは意識すべき重要な仕組みです。

    IPレピュテーションとメール到達率の関係

    IPレピュテーションは、企業のメールマガジンやECメールの到達率にも影響を及ぼします。その理由には、インターネットサービスプロバイダーによる「スパムメール対策」にIPレピュテーションが用いられていることが大きく関係しています。

    インターネットサービスプロバイダーが評判の悪いIPアドレスに行う対策は以下の通りです。

    • メールの受信を制限あるいは受付を停止する
    • メールの受信そのものを停止する
    • 迷惑メールにフィルタリングする

    例えば、普段使用しているメールサーバーのスコアが低い場合、送ったメールを受信してもらえない、あるいは迷惑メールにフィルタリングされる可能性があります。これはメールマーケティングを行う上で致命的な問題なので、早急に改善することが大切です。

    IPレピュテーションにおける評価項目は複数ありますが、中でも特に重要なのが以下の4つです。

    • IPアドレスがブラックリストに登録されているか
    • メールタイトルおよび内容にフィッシング詐欺や迷惑メールで多用するキーワードが入っているか
    • メール受信者から迷惑メール登録をされているか
    • 過去に迷惑メールを送ったことがあるか

    IPアドレスの評判を決定付けるのは、過去の行いです。上記のような行為は悪質と見なされ、IPアドレスの評判低下につながります。
    評判を回復することは決して容易ではありません。また、直近で対策を講じたところですぐに評判が良くなるとも限りません。少なくとも上記の4つは必ず押さえて、IPレピュテーションにおける評判を落とさないよう注意しましょう。

    関連記事はこちらメールマーケティングとは何か?メルマガとの違いややり方を解説

    IPレピュテーションで良い評判を得るための対策

    IPレピュテーションにおいて良い評価を得るためには、以下でご紹介する対策を講じることをおすすめします。

    受信者に有益なメールコンテンツを作成

    どれだけ正しい運用方法を採用していても受信者が迷惑メールと判断すれば、IPレピュテーションにおける評判は低下します。例えば相手に不快感を与える文面は、内容に問題がなくても迷惑メールと認識される可能性があります。受信者に有益なメールコンテンツ、あるいは情報を提供することではじめて迷惑メールではないと認識されるので、コンテンツを充実させたり、丁寧な文章を心がけたりして、評判の向上を図りましょう。

    なりすまし対策を行う

    インターネット上では、詐欺目的の“なりすまし”が横行しています。もし被害に遭うと、IPアドレスの評判が低下する恐れがあるため、対策として「DKIM(DomainKeys Identified Mail)」や「SPF(Sender Policy Framework)」を行うことをおすすめします。
    DKIMは、メール送信時に電子署名を行い、受信者が署名を検証することで、“なりすまし”やメールの改ざんを検知できる技術のひとつです。SPFは、送信メールがどこから送られてきたメールなのかを受信者へ伝えることで送信元のドメインが詐称されていないか検査する仕組みです。これらを対策の一環として活用すれば、第三者による評判の低下を防げます。

    関連記事はこちらなりすましメールとは?例から見る見分け方、確認と対策方法をご紹介

    関連記事はこちらなりすましメールに注意!SPF認証とDKIM認証の違いとは

    メールリストのクリーニング

    自社で管理しているメールリストの中には、すでに消去されていたり、届かなくなっていたりするアドレスが含まれている可能性があります。届かないアドレスにメールを送信することは、不特定多数のユーザーに迷惑メールを送信する行為と変わりません。そのため定期的にメールリストをクリーニングし、アクティブなアドレスにのみ配信するようにしましょう。

    迷惑メールへの対策を強化しているメール配信サービスを利用する

    企業単位でメールを一斉送信するには、専門技術やノウハウが必要です。そこで役立つのが「メール配信サービス」です。メールマーケティングを行う上で便利な機能を搭載しているため、気軽にメールを配信できます。しかし、メール配信サービスを利用することで気づかぬうちに悪影響を受けることもあるので、注意が必要です。

    例えば一般的なメール配信サービスは、送信用のIPアドレスを複数のユーザーで共用するケースがほとんどです。つまり、大多数が正しい運用方法を採用していたとしても、共用しているユーザーの一部が迷惑メールを送信した場合、そのIPアドレス自体の評判が下がってしまうという性質を持っています。

    とはいえ、すべてのメール配信サービスにおいてこのような問題が起こるわけではありません。中には対策として、利用者に以下のような対応を求めているメール配信サービスもあります。

    • スパム業者に利用されないように契約に審査がある
    • 迷惑メールを送らないことを契約として定める
    • もし迷惑メールを送った場合は契約解除にする

    あくまで一例に過ぎませんが、このような対応・対策を行っているメール配信サービスなら、IPアドレスの評判の低下を回避しやすくなります。また、中にはIPアドレスを他のユーザーと共用せず、自社のみで占有できるメール配信サービスもあります。複数のメール配信サービスを比較し、自社に合ったものを選びましょう。

    メールアドレスを正しく収集する

    メールアドレスを収集する方法には、オウンドメディア内にメールマガジンへの登録フォームを設けたり、名刺交換した人のメールアドレスを配信リストとして活用する、またはリストの購入などがあります。

    リスト購入は他の収集方法よりも、すぐに大量のメールアドレスを収集できるメリットがありますが、使われていないアドレスやスパムトラップ※の可能性もあります。

    そのようなアドレスへのメール配信が多岐に渡ると、迷惑メール業者と判定されたり、ブラックリストに登録されてしまう可能性があり、IPレピュテーションを大幅に低下させてしまうことにつながります。

    できるだけ、ユーザーが意識的にメール配信を承諾できる仕組み(メルマガの登録フォームなど)でアドレスを集めるようにしましょう。購入したリストを活用する場合はメール配信するごとに反応のないアドレスを削除するなど定期的にリストのクリーニングを行うと良いでしょう。

    ※スパムトラップとは、スパム防止サービスやインターネットサービスプロバイダ(ISP)が、スパムメールや迷惑メール送信者を特定するために用意しているメールアドレスのこと。

    IPレピュテーションのスコアを確認する方法

    IPレピュテーションのスコアを確認する際は、次の5つのツールを利用すると便利です。

    BarracudaCentral

    Barracuda Networks社が提供するBarracudaCentralでは、IPとドメインの2種類のレピュテーションを確認できます。レピュテーションの算出には、同社のBarracuda Reputation Systemが取り入れられています。

    BarracudaCentral

    Sender Score

    Sender Scoreでは、IPアドレスのスコアが0~100の値で算出されます。値が100に近いほどレピュテーションが良好であることを示しており、メールの到達率も高くなる傾向にあります。
    さらに過去30日間の平均値をもとに計算されたスコアを確認することで、自社のIPアドレスの健全性を確認できます。

    Sender Score

    Google Postmaster Tools

    Google Postmaster Toolsを使うと、Gmailに関連するレピュテーションを調査できます。取得できるデータには、Gmailの配信エラーやIPレピュテーション、ドメインレピュテーションなどがあります。

    評価は4種類に分かれており、「安全→高→中→低」の順に評価が下がります。

    Google Postmaster Tools

    TrustedSource

    TrustedSourceは、McAfee社が提供しているツールです。指定したドメインやWebのレピュテーションのほかにも、メールサーバー情報やドメインの有効性、DNS情報なども確認可能です。

    TrustedSource

    Microsoft SNDS

    Microsoft社が提供しているSNDS(Smart Network Data Services)では、IPレピュテーションのほかに迷惑メールとして報告された割合やスパムトラップの配信数などを確認できます。

    大手プロバイダーのIPレピュテーションをカバーするには、前述のGoogle Postmaster toolsとこちらのMicrosoft SNDSを併用するのがおすすめです。他社のプロバイダーの評価は直接的にIPレピュテーションの評価には関わりませんが、これらのツールで低評価を受けた場合、他のプロバイダーでもIPアドレスに何らかの問題が起こっていると考えられます。

    Microsoft SNDS

    IPレピュテーションを意識してメール到達率を向上させよう

    IPレピュテーションにおける評判が低いと、インターネットサービスプロバイダーから受信拒否されたり、迷惑メールにフィルタリングされたりすることがあります。評判の悪いIPアドレスを回復することは容易ではないので、必要に応じて別のメール配信サービスおよびツールへの切り替えを視野に入れましょう。

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    記事執筆者紹介

    記事執筆者 大塚 陽生紹介
    大塚 陽生著者大塚 陽生のXへのリンク
    株式会社ラクス ラクスクラウド企画部 オンラインプロモーション課

    広告代理店の営業&ウェブ広告の運用担当として6年間従事し、2019年4月ラクス入社。オンラインマーケティングチームに所属し広告運用や営業メールの運用を担当。メルラボでは、主に自身のメール配信実績をもとにした記事を作成。

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