HTMLメールのセキュリティって大丈夫!?ウイルス感染のリスクがあるのか解説
メルマガを作成する際、テキストメールとHTMLメールの特徴を把握して使い分けることが、マーケティング効果を高めるポイントです。ここではそれぞれのメール形式の特徴や目的に応じたメール形式の選び方についてご紹介します。
目次
HTMLメールはもうスパムメールじゃない!?
HTMLメールは、Webサイトを作成する際に使用するプログラミング言語を用いて作成されています。文字サイズの設定や装飾などを自由に施すことができるため、デザイン性の高いメールを作成できるというメリットがあります。そのため、メルマガ作成の際にHTML形式を利用することで、より情報を伝えやすく、ユーザーの興味を惹きつけられます。今ではメールマーケティングには欠かせないHTMLメールですが、以前までは「HTMLメール≒スパムメール」という認識が強くありました。その手口や影響、その認識がどう変化したのか、詳細を見ていきましょう。
かつてはスパムメールとして利用されることが多かった
メール開封確認機能の悪用
HTMLメールには「Webビーコン」とよばれる機能があります。Webビーコンとは特定の画像データのことで、本来はメールでのマーケティングに活用するために使われてきました。その方法は、サーバー上に保存された画像ファイルのURLを、HTMLメールの本文内に埋め込みます。画像自体も貼りつけられているのですが、1×1のドットなので、実際には目で見ても気づきません。なぜ、これがスパムメールで使われてしまったのかというと、この機能により送信側は「メールが開封されたか否か」を確認することができるからです。そのため、悪徳な業者が不特定多数の人に向けてスパムメールを送信した場合、メールが開封されたことが確認できると「このアドレスは有効」だと認識されます。すると、受信者のメールアドレスはスパムメールを送信している業者のリストに登録され、迷惑メールが頻繁に届く可能性が出てきます。
ウイルスを送信する
プログラミング言語を使用することで、メールの本文内に「スクリプト」というプログラムを埋め込むことができます。そのスクリプトを悪用すると、メール内にウイルスを含ませておくことが可能になります。スクリプトを自動的に実行する設定になっていると、HTMLメールをプレビューしただけでもウイルスに感染してしまいます。
なりすましメールの送信
巧妙な手口を使い、信頼できる送信元を装って迷惑メールを送信してくる業者もいます。メールの本文内に貼りつけされたURLをクリックすると、悪質なサイトへアクセスするようになっていますが、そのメールのほとんどがHTMLメールの形式で送信されています。
関連記事はこちらなりすましメールとは?例から見る見分け方、確認と対策方法をご紹介
便利な機能を悪用する業者の増加
上記3点のように、HTMLメールの便利な機能を悪用してスパムメールを送信する業者が増えたために、迷惑を被る方も増加しました。そのため、「HTMLメール=スパムメール」という認識が広がってしまったようです。
現在のHTMLメールはどうなのか
かつてはスパムメールという認識で敬遠されていたHTMLメールですが、最近はどう捉えられているのでしょうか?世間では「HTMLメールはスパムメールだ」という認識が浸透したため、メーラーなども受信したHTMLメールをスパムメールと判定し、迷惑メールのフォルダへと振り分けるようになりました。そのことは、徐々にスパムメールを送信していた側にも認識されるようになり、以前に比べてHTMLメールの悪用が減少するという変化が見られました。それに加えて、Googleなどの大手企業もHTMLメールを使用するようになり、信頼のおけるHTMLメールが増え始めました。
それらのメールはスパムメールと判定されないうえに、スマートフォンで利用するメーラーはHTMLメールで初期設定されているものが多くなっています。また、受信だけでなく、送信する機会も増えたので、HTMLメールがスパムメールだという認識は以前よりも緩和されてきました。
HTMLメールがよく利用されるカテゴリー
HTMLメールがよく利用されるカテゴリーとして、次のようなものが挙げられます。
広告・キャンペーン
自社の広告やキャンペーンを告知するために、HTMLメールがよく利用されます。
HTMLメールでは画像や装飾などを利用することで華やかなインパクトのあるメールを作成できるため、自社の商品情報やキャンペーン案内に関するチラシなどを作り、そのチラシをHTMLメール内に組み込むなどの訴求方法をとることが可能です。
テキストメールで案内を送付する場合に比べると読者の興味・関心を惹きつけやすく、訴求効果を高めやすい手法のひとつといわれています。
メルマガ
読者に対して定期的に配信するメルマガにも、HTMLがよく利用されます。
企業が配信するメルマガのコンテンツにはさまざまなものがありますが、コラムや最新の商品情報、お得なセール情報など、総じて読者の利益になるようなコンテンツが多いといえるでしょう。
テキストメールに比べて視覚的にわかりやすい情報発信ができるHTMLを活用することで、読者を飽きさせないメルマガを作成できるうえに、継続的に開封してもらえる可能性が高まります。
ビジネスシーンではテキストメールが主流
一般的に、ビジネスシーンにおいて1対1でやり取りを行う際はテキストメールの使用が主流であるとされています。社内や取引先の相手と個別にやり取りする際に、HTMLメールを使って何らかの装飾を施す機会はそれほど多くありません。
しかしビジネスシーンであっても、前述のようにメルマガや広告・キャンペーンに関する内容など読者の関心を高めるような訴求をする場合は、HTMLメールを活用することが推奨されています。
シーンに合わせてHTMLメールとテキストメールをうまく使い分けることで、自社の利益をさらに高めることにもつながるでしょう。
HTMLメールのリスク
HTMLメールに対する認識は変化してきましたが、じつはリスクがある事は変わっていません。そこで、HTMLメールには具体的にどのような危険性があるのかをお伝えしていきます。
セキュリティの抜け目を狙うウイルス
ウイルス感染の経路の多くはメールによるもので、HTMLメールにウイルスが含まれていた場合、メールを開いたPCはウイルスに感染してしまいます。ウイルスに感染することによって起こるリスクですが、メールを送信する際にウイルスも一緒に送ってしまい、他者のPCにもウイルスが感染してしまうという危険性が考えられます。具体的な被害としては、ブラウザなどが立ち上がらず、ソフトウェアが正常に動作しないことがあります。また、保存していたデータを削除・破壊されたり、遠隔操作によって知らない間に迷惑メールを大量送信してしまったりするケースもあります。それだけでなく、PC内に保存している個人情報などのデータが、ウイルスによって盗まれてしまう危険性もあります。ウイルスはセキュリティの脆弱性を狙うため、PCの使用環境に何か問題や欠陥がある場合に、感染する危険性が高くなります。そのため、セキュリティ対策が万全でない環境でHTMLメールを不用意に開いてしまうと、ウイルス感染によって様々なトラブルが出てくる可能性があります。
リスクを避けるために
HTMLメールによって受けるリスクを避けるためには、個人でそれぞれに応じた対策をとる必要があります。セキュリティの脆弱性は完全になくなることはなく、何か小さな問題や欠点が出てきた場合、そこを狙ってウイルスは攻撃をしかけてきます。そのため、ウイルスの感染を防ぐには、使用しているPCのソフトウェアを最新のものに定期的にアップデートする必要があります。また、ウイルス対策ソフトをインストールし、こちらもアップデートをこまめに行って、セキュリティホールをなくすようにすることをおすすめします。
関連記事はこちらメルマガの配信が迷惑メールになる!?ユーザーに嫌がられる原因と対策
メルマガのHTMLメールは受信してもOK?
信頼できる送信者の場合は、HTMLメールを送信する際にセキュリティ面を考慮し、きちんと措置をとっているケースもあるため、過度に心配をする必要はないでしょう。ただ、HTMLメールで配信されたメルマガを受信するための設定をしていると、他のHTMLメールも受信可能になっているため、未確認・怪しいアドレスからのメールも受信してしまう可能性があります。しかし、その場合でもメールを開封しなければ、ウイルス感染などのリスクは避けることができます。「怪しいな?」と思うメールが届いたら、開かずにそのまま削除するようにしましょう。
リスクを把握して適切に活用しよう
「HTMLメール=スパムメール」という認識自体は変化し、今ではメルマガなどで配信されるようなデザイン性の高く、情報をキャッチしやすい優れたHTMLメールが増えています。しかしHTMLメールには便利な機能が備わっている反面、セキュリティ上の問題や危険性が完全になくなったというわけではありません。メルマガを送信・受信する際には、HTMLメールのメリットだけでなく、危険性も把握しておきましょう。そうすることで、送信側もターゲットへと情報を届けやすいメール作成の工夫ができます。HTMLメールを活用してメルマガを配信するなら、メールマーケティングサービス配配メールを利用してはいかがでしょうか?「ユーザーのもとへメールを届ける」ことを大切にし、システム面や迷惑メールとしてブロックされる可能性を除き、効果的にメルマガの作成・配信を行うことができます。HTMLメールのメリットを活かし、ユーザーにとって有意義なメールを届ける手段としておすすめします。
関連記事はこちらメール配信におけるセキュリティは大丈夫?情報漏洩しないための配信サービスの選び方
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