メーラーとは?有名メールソフトのメリット・デメリットを解説
近年のビジネスにおいて、最もよく利用されるコミュニケーション手段のひとつであるメールを効率よく運用するには、メールソフトの選び方も重要になります。
メールソフトにはさまざまな種類があり、基本機能や利用形態が異なります。各メールソフトの特徴を理解した上で、用途にマッチするものを選びましょう。
有料と無料の特徴やメリットを押さえた上で、保存容量や料金などにも注目すると、自社に合ったものを選びやすくなります。今回は、メールソフトの特徴やWebメールとの違いを、おすすめのツールをシェアランキングとともにご紹介します。
目次
ビジネスでのメールの利用状況
「日本ビジネスメール協会」が発表したビジネスメール実態調査2021によると、ビジネスシーンで最も利用されるコミュニケーション手段は、メールであることがわかりました。調査対象者(n=1,540)の98.90%が仕事でメールを使っており、次いで電話(85.13%)、「テレビ会議・WEB会議(75.06%)」となりました。近年はLINEなどのコミュニケーションアプリも普及しましたが、ビジネスシーンにおいては未だメール一強時代が続いているといえます。
メールソフトとは
メールソフトとは、電子メールの送受信を行うソフトウェアの総称です。メーラー(mailer)とも呼ばれ、専用のソフトウェアを各種端末にインストールして利用します。代表的なメールソフトとして、「Microsoft」社の「Outlook」、「Mozilla」社の「Thunderbird」が挙げられます。
一般的なメールソフトは、テキストメール(HTMLメール)の作成および送受信、アドレス帳の管理機能やメール転送機能を備えています。これを基本機能とした上で、受信フォルダの仕分け機能やUIカスタマイズ機能、スケジュール管理機能を備えたメールソフトもあります。
メールソフトと聞いて「Gmail」や「Yahoo!メール」をイメージする人がいるかもしれません。しかし、これらはメールソフトではなく、インターネットブラウザ上で動作するWebメールにあたります。厳密にはフリーメールと呼ばれるメールサービスの一種であり、基本機能は同様です。メールソフトとWebメールには利用形態に違いがあります。
例えば、メールソフトはインストール済みの端末でしか利用できませんが、Webメールは端末や場所を問わずメールの閲覧、送受信が可能です。外出先でスマートフォンからメールを確認できるなど、利便性はWebメールに軍配があがります。
一方のWebメールは、サーバーにアクセスしてメールを読み込むため、インターネット環境が必須となります。オフラインでは動作せず、停電などの緊急時に機能しないデメリットがあります。それぞれメリットとデメリットがあり、どちらかが優れているわけではありません。利用環境や端末の種類、用途に応じて使い分けるのが理想です。
メールソフトとWebメールの違い
メールソフトとWebメールは単語の響きは似ているものの、厳密には違います。
メールソフトの場合、デスクトップやノートなどのパソコン、スマートフォン・タブレットなどの端末に専用のアプリケーションソフトウェアをインストールして使用します。設定した端末でのみ使用が可能なので、仮に2台の端末を持っていたとしても、両方の端末で使いたい場合は別々に設定しなければなりません。さらに外出先でメールを送受信したい場合は、設定済みの端末を持ち運ぶ必要があります。
Webメールは、インターネットに接続された端末からブラウザで接続して使用します。インターネット環境が整っていればどこからでも利用可能なので、場所や端末を限定されずに気軽にメールを確認できることが特徴です。出張などで遠方にいても、普段と変わらない使用感が保たれます。
しかし、Webメールにもデメリットは存在します。まずはインターネットに接続できない状況下では、一切利用できないという点が挙げられます。電波の入りが良くない地域に滞在した際や、災害が起こって回線が途切れた時などの不測の事態には弱いのが欠点です。
サービスによっては保存期間が定められている場合もあり、一定の期限を経過すると自動的に削除されてしまうケースも少なくないので注意しましょう。
有料と無料のメールソフトの違いについて知りたい方はこちらの記事もご覧ください。
関連記事はこちら有料と無料メールソフトの違いって?メリット・デメリットについて解説
メールソフトに関するさまざまなランキング
Litmus社が実施した調査をもとに、メールソフトおよびWebメールのシェアランキングをご紹介します。
メーラーのシェアランキング
Litmus社が2021年に行った調査によると、1位は「Apple iPhone」で38.9%、2位の「Gmail」が27.2%、3位の「Apple Mail」が11.5%、4位の「Outlook」が7.8%、5位が「Yahoo!Mail」で5.4%となっています。6位以降は、「Google Android」が1.5%、「Apple iPad」が1.4%、「Sumsung Mail」が1.2%、「Outlook.com」が0.9%、「Outlook Mobile」が0.2%です。
ビジネスパーソンを対象としますが、日本国内におけるメールソフトあるいはWebメールのシェア動向を調査したデータがあります。「一般社団法人 日本ビジネスメール」が実施した「ビジネスメール実態調査2021」によると、仕事で使っているメールソフトあるいはWebメールとして、「Outlook(Microsoft 365《旧Office 365含む》」が最多となりました。
2位以降は、39.22%の「Gmail(Google Workspace《旧Gsuite含む》」、9.03%の「iPhone(iPad)のメールソフト」、8.44%の「Thunderbird」、5.13%の「サイボウズOffice(Garoon、メールワイズ含む)」と続きます。単純比較はできませんが、海外に比べて「Outlook」の利用率は高い傾向にあります。
メール閲覧環境の変化
Litmus社が2020年に行った調査では、「モバイル」が43%、「Webメール」が36.1%、「デスクトップ」が19.4%、「その他」が1.5%となりました。
メールソフトには有料と無料がある
メールソフトには有料のものと無料のものがあり、それぞれ特徴やメリットが異なります。ここでは、双方の特徴とメリットをわかりやすくご紹介します。
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有料メールソフトの特徴とメリット
有料メールソフトは、無料メールソフトに比べて大容量の保存容量が確保されているのがメリットのひとつです。そのため容量の大きな添付ファイルを頻繁に送信する場合でも、容量制限を気にせず使うことができます。
ほかにも、新規フォルダの作成数が無制限であったり、仕分けルールの細かいカスタマイズができたりするなど機能性が高い傾向にあるのも特徴です。
セキュリティ対策も充実しており、ウイルス感染防止対策やスパムメール対策に優れています。
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メールの送受信だけでなく、
誰がどのメールを対応しているのかがわかるので、
メールの見落としや対応漏れを防止できます。
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無料メールソフトの特徴とメリット
無料メールソフトの最も大きなメリットは、コストをかけずにメールソフトを利用できる点にあります。そのため複数のメールソフトを気軽に試すことができ、自身に合ったメールソフトが見つかるまで試行錯誤を繰り返せるのもメリットのひとつです。
運営元の企業によるアップデートが比較的こまめに実施されるため、利用者の意見が反映されやすいのも特徴的です。
関連記事はこちら【2024年最新】無料で使えるメール配信システム12選!
メーラーを選ぶ際のポイント
どのようなメーラーを選べば良いのか迷った時は、次の4つのポイントを意識してみましょう。
保存容量
メーラーにどの程度の保存容量が用意されているかは、メーラー選びのなかでも重要なポイントです。特にファイルサイズの大きな添付ファイルを頻繁にやり取りする人にとっては、保存容量が小さなメーラーを選んでしまうとすぐに容量がいっぱいになる可能性があります。
一般的には、無料のメーラーよりも有料のメーラーのほうが保存容量は多い傾向にありますが、近年ではGmailやYahoo!メールなどの保存容量が大きな無料のメールサービスも登場しています。
料金
メーラーには無料のものと有料のものがあるため、どのくらいの費用をかけられるのかによって選ぶメーラーも変わってきます。
最近では無料のメーラーも高性能でセキュリティ性の高いものが増えていますが、企業においてはビジネスでも信頼性の高い有料のメーラーを選ぶケースが多いといえるでしょう。
独自ドメインの可否
独自ドメインが必要な場合は、独自ドメインに対応しているメーラーを選ぶ必要があります。
独自ドメインとは「xxx@●●●.com」の「●●●」の部分に自身が指定したオリジナルの文字列を入れられるメールアドレスを指します。有料のメーラーは独自ドメインに対応しているのが一般的ですが、無料のWebメールには独自ドメインが用意されていないケースもあります。
独自ドメインに非対応の場合は、レンタルサーバーや有料のドメインサービスを利用することになります。
機能性
メーラーは日常的に利用するものなので、使い勝手の良いサービスを選ぶことも重要です。
ビジネスに利用するのであれば、自動振り分け機能やテンプレート機能、一斉送信機能など、メール対応をスムーズに進めるための機能が搭載されており、業務の効率を高めてくれるメーラーがおすすめです。
ラクスが提供する「メールディーラー」は、チームで共有アドレスを利用している企業さまにおすすめなメールツールです。メールごとに対応状況を可視化できたり、担当者の振り分けができるので、メールの見落としや二重対応を防止します。ご興味のある方は以下より詳細をご確認ください。
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各種メールソフトとWebメールのメリット・デメリット
ここでは、「Gmail」「Outlook」「Yahoo!メール」「Thunderbird」をはじめとしたさまざまなメールソフトやWebメールを利用するメリットとデメリットをご紹介します。
Gmail
「Gmail」は、「Google」社が運営する無料メールサービスです。Webメールの一種であるため、利用にはインターネット環境が必要です
「Gmail」のメリットは、あらゆる端末で利用可能なモバイルアプリの存在により、場所を問わずメール閲覧や送受信が可能なことです。さらに「Gmail」のメールアドレスがあれば、「Googleドライブ」や「Googleスプレッドシート」など、同社が提供するさまざまなツールを利用できます。今日のビジネスシーンに欠かせないものばかりです。
デメリットは、多機能ゆえに操作が複雑だったり、アーカイブ機能がわかりにくかったりすることです。「Gmail」におけるアーカイブは、既読メールを安全な保存領域に移動させる保護機能ですが、一度アーカイブしたメールは受信ボックスで見えなくなります。厳密には「メイン」ではなく、「すべてのメール」に表示されるものの、この仕組みがわからずに「メールを消してしまった」と困る人が多いようです。
Outlook
「Outlook」は、「Microsoft」社が提供するメールソフトです。他ユーザーとスケジュールを共有できたり、「リマインダー機能」を備えていたりするため、ビジネスシーンに最適なメールソフトといえます。また受信ボックスの操作性が一貫しているのもメリットです。
「Gmail」のようなWebメールは、基本操作に影響する機能更新が高頻度で行われます。安定的な操作、運用が可能です。一方、パソコンスペックによっては動作が重いほか、デフォルトのメール形式がHTMLであるため、想定する文章レイアウトにならないことがあります。
Yahoo!メール
「Yahoo!メール」は、ポータルサイトの「Yahoo!」内で利用可能なフリーメールサービスです。最大のメリットは、ひとつのメールアカウントで最大10個のサブメールアドレスを作成できることです。これを「セーフティアドレス機能」といいます。いわゆる“捨てアド”の複数作成が容易であり、業務用、プライベート用、メルマガ受信用と、複数のメールアドレスを使い分ける際に重宝します。
デメリットは、すべてのメールに広告が表示されることです。とりわけ管理画面の広告が大きく、気になる人が多いかもしれません。自動で新着メールを読み込まない、スパムフィルターの精度が低いなどのデメリットもあります。
Thunderbird
「Thunderbird」は、インターネットブラウザのFireFoxを手がける「Mozilla」社のメールソフトです。カスタマイズ性に優れたメールソフトであり、管理画面の「アドオンマネージャー」からUI変更や拡張機能の追加を可能とします。複数のメールアドレスをひとつの画面で管理できるのもメリットです。
自由なカスタマイズが可能な分、使いこなすには慣れが必要です。メール初心者には、「Gmail」や「Outlook」のほうが使いやすいかもしれません。逆にメール作業の効率化を求めている人には、うってつけのメールソフトといえます。
eM Client
日本ではそれほど耳馴染みがないかもしれませんが、非常に利便性の高いメールソフトが「eM Client」です。チェコ発祥で日本語版のリリースは2017年と比較的新しく、タスク管理やアドレス帳、カレンダーなどの複数の機能が一体になっています。動作が軽く機能が充実しているので、普段使いに便利です。有料ではありますが30日間の無料体験期間も用意されているので、充分に試してから本格的な契約に進むことができます。
一般的なメールソフトはアカウントをいくつも同時に管理すると処理が重くなり、動作が不安定になるケースが少なくありません。eM Clientはその点に配慮された設計で、安定した使用感を維持できます。目当てのメールの検索方法も豊富で、過去のメッセージ履歴はもちろん、添付ファイルの履歴を参照できるなど、検索を効率化する工夫が凝らされています。
ショートカットキーを自在にカスタマイズできるソフトは貴重なので、操作性にこだわりがある方にもおすすめです。サポート体制が整っているのも強みのひとつといえるでしょう。しかしアドオンがほとんど用意されていないので、拡張機能を追加して自分好みのスタイルで使いたい方にとっては少し物足りなさを感じるかもしれません。
Becky!
Becky!は、受信トレイの容量が増えた状態でも軽快な動作を実現できる、操作感の良さが魅力のメールソフトです。日々の業務をこなしているといつの間にか何万件ものメールが溜まってしまうケースはよく見受けられますが、膨大な量のメールでもストレスを感じず次々と開けます。
他ではあまり見かけない「エージェント機能」という独自の機能を備えているのも特徴のひとつです。あらかじめ数種類のタスクが用意されており、「返信待ち」「要返信」などのステータスに振り分けると、「緊急性は低いものの重要なメール」を簡単に管理できます。日常的にメールの処理量が多いと見落としも増えやすくなりますが、タスク別に管理することで未処理のまま放置してしまうリスクの軽減に繋がります。2つ以上のアカウントを管理しやすいのも高ポイントです。
しかし、メールのウィンドウを一度にひとつまでしか開けない点には注意が必要です。いつも複数のメールを同時に処理する方は、不便を感じることもあるかもしれません。
有料ではありますが、無料の試用期間も設けられています。
Sylpheed
Sylpheedはマルチプラットフォーム型の無料メールソフトです。シンプルな操作性や動作が軽快なユーザーインターフェースが、多くのユーザーから支持を集めている理由のひとつといえます。
導入も非常に簡単で、メールアカウントの利用設定を行うだけで使い始められるのも魅力的です。キーボード操作のカスタマイズにも対応しているなど、拡張性にも優れています。
Windows、Mac、Linux、BSDなど複数の環境下で動作するため場所や人を選ばずに使うことができ、受信メールをファイルとして保存可能なことからデータのバックアップも簡単です。
Microsoft365
Microsoft365は、Microsoft社が提供しているOfficeのクラウド版です。
メールソフトについては、「Outlook」のクラウド版を利用できます。データの保存はクラウドサーバー上で行われるため、パソコンだけでなくスマートフォンやタブレット端末などインターネットに接続できる環境であればいつでもメールを確認できるのも特徴です。
サブスクリプション型で提供されているため有料のメールソフトにはなりますが、利用者が世界中に存在しておりアップデートが頻繁なことや、ストレージの容量が1TBと大容量な点は魅力といえます。
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メールソフトごとの使ってみた感想
ここでは、一般ユーザーの声を元に主要メールソフトの感想を「使いやすい」面と「使いづらい」面に分けてご紹介します。
Gmailの感想
Gmailにおいては、「スマホアプリとの連携が素晴らしい」「UIデザインに優れている」「機能面が豊富で困らない」といった感想が集まりました。セキュリティ面に触れる声も多く、「自動でウイルススキャンをしてくれるから安心」などの感想もあります。世界トップクラスのシェアを誇るだけあり、全体的に高評価のユーザーが多い印象です。
一方、多機能ゆえに使いづらいと感じるユーザーも少なくありません。これについては、「アーカイブの仕組みがわかりづらい」「操作が複雑すぎる」「アカウント管理が手間」という感想が目立ちました。
Outlookの感想
Outlookでは、「他者とスケジュールを共有できる」「リマイド機能が優秀」「メールのフォルダわけ機能が便利」などの機能面を評価する声があがりました。使用歴の長いユーザーも多く、「操作に慣れればどのソフトよりも使いやすい」といった感想もあります。
逆に「動作が重い」「処理速度の遅さが気になる」など、スペック面に不満のあるユーザーもいるようです。
Yahoo!メールの感想
Yahoo!メールの感想としては「操作が簡単で初心者に優しい」「メールの消去やフォルダ移動が簡単」といった声がありました。特徴的な感想はないものの、使いやすさを重視するユーザーから選ばれている印象です。その一方、「なぜかしっくりこないから使わない」という声もあります。これは推測ですが、Yahoo!メールはホーム画面にPR広告が表示されるため、敬遠する人が多いと考えられます。
Thunderbirdの感想
Thunderbirdにおいては、「欲しい機能を拡張できるのが嬉しい」「多機能ながら動作が快適」「UIが優れているので操作に迷わない」などの感想が寄せられました。
特にThunderbird独自のアドオン機能に触れる声が多く、UIや機能面を自由にカスタマイズできる点が高く評価されています。それに対して、「初期設定が手間に感じた」「アドオンを使いこなせない」という感想もあります。上記3種類に比べると、上級者向けのメールソフトなのは確かです。
メールソフトの見直しが業務効率化に繋がる
メールソフトとはいわば、メール管理や送受信を行う作業台です。それが自身の用途にマッチするか、使い勝手に問題がないか見直すことで業務効率化に繋がります。現代のビジネスシーンに欠かせないツールだからこそ、より最適なものを選びたいところです。
「配配メール」は、企業の集客・販促活動に携わる方のメールマーケティング業務を支援するサービスです。
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