顧客管理(CRM)とメール配信システムはどちらを選ぶべき?選び方や活用法を解説
メール配信ができるシステムには、顧客管理システム(CMR)とメール配信システムの2つがあります。
業務でメールマガジンの配信などを行っている企業に向けて、システムの違いや各システムでできること、導入することで得られるメリットについて解説します。
自社にあったシステムの選び方もあわせて紹介するので、ぜひ参考にしてください。
目次
メール配信システムとは
メール配信システムとは、多数の顧客にメールを一斉送信したり、メール送信の自動化ができたりするシステムのことです。主にメールマガジンや営業メール、お知らせメールなど配信を効率的・効果的に行うために使われます。
それ以外にも多くの機能が搭載されており、効果分析やマーケティング機能などさまざまな機能を搭載しているのが特徴です。次項では、メール配信システムでできることを詳しく解説します。
メール配信システムでできること
メール配信システムでできることは、主に次の3点です。
- メールマガジンの配信
- ステップメールの配信
- 効果測定
それぞれ詳しく見ていきましょう。
メールマガジンの配信
1つめは、メールマガジンの配信です。
メール配信システムを活用することで、一斉送信はもちろん、顧客の属性(男性、女性など)ごとに配信内容を分けるセグメント配信が可能です。
また、画像や装飾を加えたおしゃれなHTMLメールを簡単に配信できます。
なかには、リスト作成には顧客リストの管理も必要になってくるため、顧客管理機能が備わっているシステムもあります。
関連記事はこちらメルマガとは?5分で基本知識から効果的な配信方法がわかる基礎講座
ステップメールの配信
2つめが、ステップメールの配信です。ステップメールとは、特定の日やタイミングを起点に、あらかじめ準備していた複数のメールを、順番にシナリオ通り配信する仕組みです。
ステップメールを送ることで、用意したシナリオに沿って自動でメールを送信できるので、業務効率化にも寄与します。
また、顧客のニーズに応じて適切な情報を届けることで、顧客と良好な関係を構築したり、最終的にサービス購入などにつなげることが可能です。
関連記事はこちら【例文あり】ステップメールは「型」で差がつく!成功の秘訣を解説
効果測定
3つめは、効果測定です。メール配信システムでは、メールの開封率や本文中のリンクのクリック率を計測でき、メールマーケティングの効果測定を行えます。メールの開封率やリンクのクリック率を計測できれば、次回の施策に役立てることも可能です。
Googleアナリティクスなどのアクセス解析ツールとメール配信システムを連携させることで、リンクをクリックしたあとの顧客の行動も詳しく把握できます。メールを経由したあとにサイトを訪れてどういう行動をとったのか、最終的にフォームまで進んだのかまで、把握可能です。
関連記事はこちら業界別メルマガの開封率とクリック率の目安って?効果測定の正しい方法とは
メール配信システムを利用するメリット
メール配信システムを利用するメリットは、次の3点です。
- メール配信業務の効率化
- セキュリティ対策
- PDCAサイクルの実施
それぞれ詳しく見ていきましょう。
メール配信業務の効率化
メール配信システムを活用すれば、メールマガジンの一斉配信はもちろん、メールマガジンの作成、ステップメールの配信などが手軽に行えるようになります。メール配信業務に関連する手間を大幅に削減可能です。
システムを利用することで、これまで手作業で行ってきた送信先の設定やメールの内容を書き換え、送信先の追加などの業務におけるヒューマンエラー防止にもつながるでしょう。
さらに、メール配信業務の効率化で空いたリソースを他のマーケティング業務に割けるようになる点、メリットとして挙げられます。
セキュリティ対策
メール配信システムでは、メールアドレスをはじめとした顧客情報を管理するため、セキュリティ対策が万全であることも特徴です。サイバー攻撃対策が施されているメール配信システムを活用すれば、通常のメールソフトを利用するよりも高いセキュリティ性を確保できるでしょう。
通信の暗号化やアクセス制限、ログ管理など、さまざまなセキュリティ対策が施されています。システムごとに異なるため、確認が必要です。
PDCAサイクルの実施
メール配信システムには効果測定機能が搭載されているため、PDCAサイクルを回せるというメリットもあります。
メールマガジンの配信において、開封率やクリック率は重要な指標です。それらの指標を効果測定しつつ、タイトル文言やデザイン、内容などを改善していけば、より効果的なメールマーケティングにつなげられます。
メール配信システムの効果を最大限利用するためにも、メールマガジンの効果測定と改善を必ずセットで行うようにしましょう。
顧客管理システム(CRM)とは
顧客管理システム(CRM)は顧客情報を集約し、管理するためのシステムのことです。
会社名・氏名・電話番号・メールアドレスといった基本的な情報から、顧客の購買履歴やサイト閲覧履歴、メールへの反応情報などを管理することができます。
管理している情報をもとに、顧客ニーズを分析し、アプローチやフォローを行うことで、リピート創出、顧客満足度の向上などに寄与します。
顧客管理システム(CRM)でできること
顧客管理システム(CRM)でできる主なことは、以下の5点です。
- 顧客データの管理
- 顧客分析
- マーケティング支援
- カスタマーサポート
- 会員への情報・サービス提供
CRM活動を通じて客単価の最大化を期待できるため、企業の利益向上につなげられます。それぞれ詳しく見ていきましょう。
顧客データの管理
顧客管理システム(CRM)を使えば、顧客データの管理を効率的に行えます。管理できる顧客情報としては、以下のようなものが挙げられます。
- 氏名
- 性別
- 購入商品
- お問い合わせ履歴など
これらの情報をもとに属性ごとに顧客を分類したり、お問い合わせ履歴からクレーム対応したりもできます。
顧客分析
顧客管理システム(CRM)では、顧客情報を管理するだけではなく、分析も可能です。「20代の男性顧客は商品Aを好む」「この顧客に有効なアプローチはB」といったような分析結果を自動的に取得できるため、効率的に精度の高い判断が下せるようになります。
システムのなかには、分析結果をレポートとして出力する機能を搭載しているものも存在するため、必要に応じて選ぶようにしましょう。
マーケティング支援
顧客管理システム(CRM)では、マーケティング支援機能が多く搭載されているのが特徴です。ECサイトやカスタマーサポートなど、複数チャネルから収集した顧客情報を統合・分析することで、一人ひとりに適した内容のメールマガジンの送信を行えます。
たとえば、システムの情報をもとに契約確度をスコア化したり、会員ランクを設定したりすることが可能です。会員の属性ごとにあわせ、おすすめ商品情報や適したクーポンを配信するなどの施策も実現します。
これらの施策を人力で行うことは、難易度が高いうえにミスも起こりがちです。顧客管理システム(CRM)を活用すれば、顧客情報を有効活用してマーケティングに活かせるようになるでしょう。
カスタマーサポート
顧客管理システム(CRM)を活用すれば、顧客満足度の高いカスタマーサポート支援を実現できます。
カスタマーサポートでは、スピーディーさが満足度に直結する重要な要素です。顧客管理システム(CRM)でお客さま情報や購入商品、お問い合わせ履歴を確認しながら顧客対応を行えれば、高品質で素早いカスタマーサポートを実現できるでしょう。
顧客情報が蓄積されれば、解決策を短時間で見つける手立てにもなります。顧客管理システム(CRM)を活用するほど、カスタマーサポートの顧客満足度向上につながるのです。
会員への情報・サービス提供
顧客管理システム(CRM)では、会員への情報・サービスの提供も可能です。会員登録フォームやマイページの作成のほか、プラットフォームの構築、各会員に適した情報提供などを行えるようになります。
会員サービスはシステムに蓄積された情報をもとに提供されるため、顧客一人ひとりに最適な施策を実施可能です。結果的に、定期購入や再訪率などの向上につながり、LTV(Life Time Value)の最大化を目指せるようになるでしょう。
顧客管理システム(CRM)を利用するメリット
続いて、顧客管理システム(CRM)を利用するメリットを見ていきましょう。主なメリットは、次の2点です。
- 顧客満足度の向上
- マーケティングの効率化
顧客管理システム(CRM)を利用することで得られるメリットをしっかり理解しましょう。
顧客満足度の向上
1つめのメリットが、顧客満足度の向上です。顧客管理システム(CRM)を利用すれば、顧客情報を可視化できます。顧客それぞれの思考や傾向がわかるようになれば、的確なサービスの提供を目指すことが可能です。
顧客側からすると「自分の好みをわかってくれている企業だ」という意識が芽生え、顧客の満足度向上につながります。
マーケティングの効率化
2つめのメリットは、マーケティングを効率化できる点です。顧客管理システム(CRM)を活用して顧客分類やメールマガジン送信などの業務を自動化すれば、手間やリソースをかけずに効果の高い施策を打ち出せるようになります。
データの一元管理により、情報共有を効率化できる点もメリットです。過去のデータやサポート履歴を各自で確認できるため業務の属人化を防止でき、高品質なサービス提供を目指せるようになります。
メール配信システムと顧客管理システム(CRM)の選び方
ここまで、メール配信システムと顧客管理システム(CRM)について、それぞれの特徴や導入するメリットについて解説してきました。では、どちらのシステムが自社にあっているのでしょうか?ここでは、自社にあったシステムの選び方を解説します。
メール配信システムが向いている場合
メール配信システムを導入すると、コストを抑えつつメール配信に力を入れられます。以下のような場合は、メール配信システムを選ぶとよいでしょう。
- 高度なメール配信機能を使いたい
- コストをできるだけ抑えたい
- 顧客データ管理は最低限あればいい
メール配信システムでは、高度なメール配信を行えます。搭載された機能を部分的に利用しつつ、低コストで効率的に顧客関係の強化も図りたい場合に向いているシステムです。
関連記事はこちら【2024年最新】おすすめのメール配信システム16選を徹底比較!図解でわかるタイプ別分類表付き
顧客管理システム(CRM)が向いている場合
顧客管理システム(CRM)は、マーケティングに必要な施策が搭載されたシステムです。マーケティング施策において一定のパフォーマンスを実現したい以下のような場合は、顧客管理システム(CRM)の導入を検討しましょう。
- 顧客管理からメール送信まで、1つのシステムで包括的に対応したい
- 各部門で顧客情報の共有を行いたい
- 行動・購買履歴など詳しい情報も知りたい
顧客管理システム(CRM)はさまざまな機能が搭載されています。導入に際し金銭的コストがかかったり、初期設定に多くの工数がかかったりする点には注意が必要です。ただし、一度導入すればマーケティングに役立つ機能が豊富なため、高い効果を長期間発揮してくれます。
メール配信システムと顧客管理システム(CRM)を連携させることも可能
メール配信システムのなかには、「CRM・顧客管理との連携機能」を持つシステムも存在します。どちらのシステムが自社にあっているかわからないという場合は、メール配信システムと顧客管理システム(CRM)の連携も検討してみましょう。
メールマーケティングでは、顧客にあわせたアプローチを展開するうえで顧客を理解することが重要です。メール配信システムと顧客管理システム(CRM)を連携することで、顧客の基本情報はもちろん、購買履歴や問い合わせ履歴など、さまざまなデータを収集・管理できるようになります。
また、顧客管理システム(CRM)はメール配信機能を備えたものが多いのも特徴です。そのため、顧客データをメールマーケティング施策に活用することも容易になるでしょう。
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また、業務アプリが作れるサイボウズ株式会社のノーコード・ローコードツール「kintone」とも連携可能です。kintoneをご利用中であれば、APIの開発不要で専門知識がなくてもkintoneの顧客リストをそのまま連携できます。
さらに、配配メールの開封/クリック者の情報などもkintoneへ自動同期できるため、メール配信業務にかかる負担を大幅に軽減できるでしょう。
連携による活用イメージやメリットを知りたい方は以下のページをご覧ください。
関連記事はこちら配配メール×kintone連携のメリットやできることとは?
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関連記事はこちら配配メール×kintone連携に関するお問い合わせ
まとめ
メール配信システムは、メールマーケティングに特化した機能を備えているシステムです。メールマガジンや営業メール、お知らせメールなどのメールを効果的に配信することができます。
一方、顧客管理システム(CRM)は顧客情報を集約し、管理するためのシステムです。顧客満足度を向上させるための、さまざまな機能を包括的に備えています。
それぞれにできることや導入で得られるメリットが異なるため、各特徴を理解して自社にあったシステムを選ぶことが必要です。
システム導入でお悩みの場合は、配配メールの導入をご検討ください。配配メールであれば、顧客管理システム(CRM)や名刺管理ツールなど別のシステムと顧客情報を連携可能です。配配メールを導入して、運用面の効率化につなげましょう。
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