トリガーメールって何?効果的な配信手法と送るタイミングについてご説明
トリガーメールは、顧客の行動に合わせて質の良い対応をするためのシステムです。メールの配信頻度の多さによる不利益が指摘されている昨今、トリガーメールは顧客の満足度を高められるシステムとして注目されています。
トリガーメールを活用すると「このメールは自分に向けて書かれたメールだ」と思ってもらいやすくなり、顧客にメールの内容を自分ごととして捉えてもらえる効果が期待できます。
トリガーメールを実践するなら、送信するタイミングや選ぶツールにも配慮する必要があります。そこで今回は、トリガーメールのメリットや効果的な配信手段、送るタイミングなどについて解説します。
目次
トリガーメールとは
ユーザーの行動に合わせたメール
トリガーメールとは、顧客がウェブ上で起こした行動に合わせ、自動的に特定のメールを送るシステム。
例えば、顧客が会員登録を行った時に、自動でお礼のメールを送ることができるシステムのことをトリガーメールと呼んでいます。自動配信というと聞き馴染みがあるかもしれません。
ほかにも、商品ページを見た後で購入せずブラウザを閉じた顧客に対し、サイトを訪問したことのお礼や閲覧した商品の値下げ情報をメールで送るといったこともできるのです。顧客の行動に合わせて送ることで、相手へより丁寧で好ましい接客を行うことができるでしょう。
関連記事はこちらプロセスと事例から学ぶ!効果的なリードナーチャリングの方法
トリガーメールの効果
トリガーメールは、消費者の行動をリアルタイムでつかみ素早く反応する「タイムリー性」、消費者の状態に合わせて最適な接客をする「One to One性」により、通常のメールよりも高い効果があります。2015年、メール配信サービスを手がけるYesmail社は、24億通のメールの中でこのトリガーメールの開封率や効果について調査しました。
メールマーケティングにおいて、効果がどれだけあったかを示す指標は、開封率・クリック率・反応率・コンバーション数の4つです。調査結果では、通常のメールの開封率が14.5%に対し、トリガーメールは約2倍の28.7%。クリック率は、通常のメールが1.6%に対し、トリガーメールの場合は6.5%と、その効果は数値によって明確に実証されています。
通常のメールとトリガーメールの差
現代人は情報にリアルタイムで接することが当たり前になっています。動画配信のサービスもその一例ですが、テレビの前で待つ時間を排除し、自分の好きな時間に見られるストリーミングサービスが台頭しています。その瞬間に欲しい情報が、次の瞬間には必要ない情報となりうるのが今の世界です。マーケティング活動を可視化し、自動化するマーケティングオートメーションと連動させる事によって、消費者へのリアルタイムでの自動配信システムを最適化して行くことは必須条件となってきています。
前述のように、手動配信などの通常のメールではどうしてもこのリアルタイム性を追求することはできません。
【開封率】
通常メール・・・14.5%
トリガーメール・・・28.7%
【クリック率】
通常メール・・・1.6%
トリガーメール・・・6.5%
【反応率】
通常メール・・・11.1%
トリガーメール・・・22.5%
【コンバーション数】
結果9.7%
代表的なトリガーメール8種
1.ウェルカムメール
顧客が会員登録を完了した後、登録のお礼やサイトの使い方、現在行っているキャンペーン情報などを案内するメールです。あらかじめ複数メールを用意して、1ヵ月ごとに順次配信するような「ステップメール」の1つとして、このウェルカムメールを送るサイトも多いです。自動配信の中でも最初の消費者との接点となるこのウェルカムメールの設計がその後の行動にも大きく影響してきますから、マーケティングを考える上でこのメールテキストは非常に重要な意味を持ちます。
2.ブラウザ放棄メール
サイトにある商品ページを見ているが、すぐにブラウザバックしてしまった顧客に対し、サイトにアクセスしたことへのお礼や商品の値下げ情報などを送るメールです。これをあまり頻繁に行ってしまうと消費者からはしつこい印象を持たれてしまう可能性も大きいので、複数回の接点があった場合などにルールを決めておくことも重要です。
3.カゴ落ちメール
商品がカート(買い物カゴ)に入っているにも関わらず、結局購入してくれない顧客に対して行うメールです。「カートの商品をお買い忘れていませんか?」といった内容のメールを送って、再び商品の広告を行うことです。
または、ECサイト上にカートに追加された商品を表示することで、商品の存在をアピールして購入を促します。「ブラウザ放棄メール」と組み合わせることで、カゴ落ちの問題を未然に防ぐこともできます。
4.ウィッシュリストメール
ウィッシュリスト(お気に入り)に入っている商品を再び広告するメールです。「在庫残りわずか」「今ならポイント2倍」などの情報を加えて送ると効果的です。2.と同じく、あまりにも回数が多いとマイナス印象を与えてしまう可能性が考えられます。ターゲティングをしっかりと行った上で通知を行いましょう。
5.再入荷メール
顧客が在庫切れ商品の再入荷を希望していた場合に送るメールです。入荷された時、相手に入荷情報を自動で通知します。購買意欲の高い消費者に自動配信がかけられるため、購入までのメール内で的確に誘導出来れば効果的な策となります。
6.アンケートメール
商品購入後に、サイトや商品のアンケートや、商品のレビューを促すメールです。アンケートやレビューは自発的に書く人が少ないため、トリガーメールを送ることで、書くことを促すことができます。余程のロイヤルカスタマーでない限りはポイントをつけるなど、特典が何かないとアクションに結びつけるのは難しいです。
7.ポイントメール
商品購入後、ポイントが付与されたことを伝えるメールです。いくらポイントが入ったかをわかりやすく伝えることで、相手からの好感を得やすくなります。
また、ポイントの有効期限が近い顧客に対して、使用期限に関するメールを送ることで、相手の購買意欲を高めることができます。
8.記念日メール
顧客の登録情報から、誕生日などのタイミングでメールを送ることができます。記念日に限定してポイントを多く付加したり、商品の値引きを行ったりすることで、顧客のからの好感を得ると同時に購買意欲を高められます。テキストに新鮮味がないと流されてしまう可能性もあるため、冒頭のキャッチが重要です。
トリガーメールを送る4つのタイミング
タイミング1:ダウンロード(または登録や何らかの要求など)の後
コンテンツのダウンロード後のタイミングで、ダウンロードに関連する情報をトリガーメールで送ります。具体的には、ダウンロード後に商品を購入する方法を段階的に説明したり、商品を実際に使用している動画の案内をしたりすることで、顧客の購買意欲を促すことができます。
ダウンロード後、トリガーメールを送ることで、ダウンロードをした顧客が興味を失う前に、コールトゥアクション(商品購入などの行動を誘導すること)を喚起することができるのです。自動配信の活用方法として最も一般的なものと言えるかもしれません。
タイミング2:商品情報やコンテンツを読むだけで、商品の購入をしてくれない時
顧客が何らかの問題によって、特定の情報を読むだけで購入に向けた行動をしない場合、問題を解消するトリガーメールを送ることで商品の購入を促します。
顧客が商品のページへ頻繁にアクセスしている場合、購入したくてもできない何らかの理由があると考えられます。「注文フォームに登録するのが面倒」「商品について担当者に直接質問したい」など、顧客によって理由はさまざまです。そうした場合、「何かお困りのことはありませんか?」といった内容のトリガーメールを送ることで、相手が購入に踏み切れない問題を解消することができるでしょう。チャットでのリアルタイムな導線などもあるとより良いかもしれませんね。
タイミング3:一部の商品の情報やブログ記事など、特定情報の参照をした時
商品情報やブログ記事の情報を顧客が読んだタイミングで、プラスアルファの情報のトリガーメールを送ります。「今なら商品購入で限定特典をプレゼント」「このブログ記事を読んだ人は、こちらの記事も読んでいます」といった内容のメールを送ることで、顧客の興味・関心を引くことや、購買意欲を高めることができるのです。
また、誰がどのコンテンツを読んだかといったデータを集めることにより、顧客のニーズの推測をするなど、今後のメールマーケティングに活用できる情報も得られます。その他の解析データやGoogle heat mapなどと一緒に活用することで、マーケティングの全体的な強化にも繋がります。
タイミング4:顧客の興味・関心が高い、または低くなった時
顧客の商品に関する興味が高まった時や、低くなったタイミングでトリガーメールを送ることで、顧客の興味・関心の維持や向上をさせられます。
興味・関心の高さの基準をあらかじめ自社で設け、ある一定の基準を満たした時をトリガーとしてメールが送信されます。具体的な例として、サイトのブログ記事を何回開いたか、商品情報のページにどのくらい滞在していたかなどの基準を満たした場合に、購入を促すようなメールを送る方法があげられます。
また、メルマガを開いた期間を基準にすることで、メールに対するクリックがない顧客に対し、興味を引くメールを送信することもできます。その際、トリガーとなるポイントを複数設定することで、3ヵ月・6ヵ月・1年クリックがない場合に、それぞれ内容が異なったメールを送ることもできます。
関連記事はこちらメルマガの配信時間はいつがいい?効果的なタイミングと開封率を上げるテクニック3選
トリガーメールはマーケティングオートメーションの効率化にも重要
トリガーメールは、マーケティングオートメーションと併用することでさまざまな相乗効果をもたらします。具体的な解説に移る前に、まずはマーケティングオートメーションのおさらいと、昨今のデジタルマーケティングにおける問題点をご紹介します。
マーケティングオートメーションとは、これまでマンパワーで行われてきたマーケティング業務を自動化するツールのことです。例えば、リードジェネレーション(顧客の獲得)、リードナーチャリング(見込み客の育成)といったプロセスをマーケティングオートメーションが全て担います。
マーケティングオートメーションには、あらかじめ設定したシナリオに沿ってメールを自動配信する機能が備わっています。いわゆるステップメール配信であり、リードナーチャリングの自動化を実現する優れた機能です。
ここで注目したいのは、マーケターが設計するシナリオです。近年のマーケティング領域には、「マーケティングファネル」と呼ばれる考え方が浸透しています。これは消費者の購入意識を「認知」「興味関心」「比較検討」「購入」「継続」といった5つのステージに分類しそれぞれに最適なアプローチを行うことで、コンバージョンを目指すというものです。多くのマーケターはファネルに基づき、マーケティングオートメーションのシナリオを設計する傾向にあります。
しかし現実の消費者は、シナリオ通りに動かないことが少なくありません。「〇〇をしたから次は〇〇をするだろう」というマーケター目線のシナリオでは、消費者による想定外のアクションに対応するのが困難です。それが機会損失を招き、マーケティングオートメーションの費用対効果を下げる要因となります。したがって、マーケティングオートメーションが賄えない部分をトリガーメールでカバーすることで、運用効率が良くなります。
関連記事はこちらなぜMAが必要なのか?導入の際の注意点も解説!
トリガーメールを活用することは顧客のフォローアップにもつながる
メルマガなどのメールは、チラシのように大量に配信すれば良いというものではありません。自動配信のメールは、自動だからこそ愛を持って相手のことを考えながら設定する必要があります。
近年では、メールの配信頻度が多すぎると、逆に利益の損失が大きくなるというデータも発表されました。配信頻度の高いメルマガ・ニュースレターの登録解除率は、そうでないメールに比べ140%と高いです。年間に換算すると、およそ36%の登録者を失うという結果が出たのです。
より広く、より多く配信することが売上アップの鉄則だっただけに、配信頻度の高さがもたらすデメリットにどう対処するべきか、悩む人も多いでしょう。トリガーメールは、こうした問題に対処する方法のひとつです。一方的にメールを配信する従来の方法とは違い、顧客へ丁寧なフォローアップができるため、登録解除率の増加に歯止めをかけることができるでしょう。
「配配メール」は、企業の集客・販促活動に携わる方のメールマーケティング業務を支援するサービスです。
シンプルな配信操作、見やすい成果指標レポート、メールの反応による見込み客の可視化、サイト来訪通知といった機能によりメールマーケティングの実践をサポートします。
また、機能の提供だけではなく、ナレッジ提供や個社の運用に踏み込んだ手厚いアフターフォローにより、お客様の販促の成功に向け伴走します。
メール配信の初心者から本格的なメールマーケティングの実践を目指している方まで、どなたでも安心してお使いいただけるサービスとして、お客様に長く愛され、98%の継続利用率を維持しています。
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