成果を最大化するBtoBメールマーケティングの考え方からポイントを解説
メールを活用して集客や販促を行うメールマーケティングはBtoB企業にとっても有効的な手法です。
本記事では、メールマーケティングを始めるにあたって重要な考え方や成果を高めるポイントについて紹介します。
目次
メールマーケティングとは
まずは、そもそも「メールマーケティングとはなにか」についてご紹介します。よくメールマーケティングとメルマガを同じものだと認識している方もいるようですが、メルマガはメールマーケティングのうちのひとつに過ぎません。メールマーケティングとは、メールを使ったマーケティング手法の総称で、かつては一人に送るものだったメールを、複数人へ一斉配信ができる特長を活かして、同じ属性を持つお客様ごとに適したコンテンツを送ることでアプローチを行う販促手法を指します。
最近では技術の進歩により、簡単にそれぞれのお客さんに合った内容のメールを自動で送ることができ、マーケティングの幅を広げています。最近はSNSなどのメッセンジャーの登場によって、コミュニケーションの形は大きく変わってきています。「メールマーケティングはもう古い」と考える方もいますが、技術の進歩によって今でも効果的なマーケティング手法といえます。
さまざまなメールマーケティングの手法について詳しく知り、導入することで今抱えている課題を解決できるかもしれません。
メールマーケティングの種類
メールマーケティングにはさまざまな種類があるため、それぞれどのような特徴があるのかご紹介します。
1.メールマガジン(メルマガ)
アドレスを入手したユーザーに対して、一斉にメールを配信する方法です。それぞれのニーズに合った内容を送ることはできませんが、認知度の向上やブランディングといった効果が期待できます。toC企業では会員向けのセール情報などを、toB企業ではイベント情報などのニュース性が高い情報の伝達にも適しています。一方で、コミュニケーションが一方的だという欠点もあります。
2.ステップメール
タイミングを設定して、段階的にメールを配信する方法です。例えば商品を購入したお客様に1日目に「商品の使い方」、5日目に「他のお客様の体験談」というように内容を変えながら配信できます。ユーザーの状況に応じて、配信する内容を細かく設定できるため、よりユーザーに寄り添ったコミュニケーションが可能です。ツールを使って一度設定を行えば、条件を満たしたユーザーに自動で配信できるので、マーケティングの効率も上げられます。
関連記事はこちらステップメールでメールマーケティングを自動化
3.ターゲティングメール
一定の条件を満たした(該当の属性に当てはまる)ユーザーにメールを配信する方法です。性別ごとに内容を変えたり、住んでいる地域で内容を変えたりすることができます。お客様の状況に合わせたメールを送れるので、アクション率を高めることが期待できます。配信システムの発達のおかげで、手作業では面倒だった設定も簡単に行えるようになりました。
4.リターゲティングメール
見込みの高いユーザーに対して、ユーザーが欲しいタイミングでメールを自動配信する方法です。例えば商品ページやメールを開封するなど、ユーザーの行動をきっかけにして、配信側が設定したタイミングにメールを送ります。一定の行動をして見込みの高いユーザーに絞ってマーケティングするので、より高いアクション率が期待できます。
関連記事はこちら見込み客を育成できる!リターゲティングメールの概要と活用方法
メールで見込み客を育てる
1.ナーチャリングの重要性
企業間でのマーケティング活動は、見込み客を獲得しても即受注に繋がるケースは少なくなりました。これは、インターネットの普及により以前よりも情報を取得する方法が多様化し、比較検討や稟議の重要性が高まったことが要因だと考えられます。そのため、ニーズを抱える見込み客に対し、中長期的なフォローをして購買意欲を高めていくナーチャリングが必要となります。
2.ナーチャリングフロー
ナーチャリングは主に「獲得」「育成」「受注」といった流れで行われます。
【獲得】
まずは、見込み客を獲得しなければいけません。この段階では、営業やセミナー、展示会などで自社の情報を発信していきます。そこで獲得した名刺や、Web・電話などの問い合わせ情報などをまとめます。受注にいたらなかった問い合わせであっても、「育成」の工程で役に立つ情報となります。
【育成】
集めた情報をマーケティングに活かしましょう。始めは来場のお礼や新商品の紹介など単純なもので構わないので、見込み客とコミュニケーションをとります。定期的に配信するメルマガを使うのであれば、次回に繋がる工夫を入れるのも良いでしょう。商品・サービスの詳細ページや問い合わせフォームのリンクをはるだけでも、見込み客の反応は変わります。
また、ワンアクションのきっかけを作ることで新しい情報を集めることも可能です。最近のメール配信ツールには、開封率やリンクへのクリック数を計測する機能があります。リンクをクリックしている見込み客であれば、内容に興味を持っていると判断することができます。そこからさらに、料金ページや過去の事例のページに移動しているのであれば、受注に繋がる可能性が高い顧客だとわかります。
【受注】
見込み客が興味を示していることがわかれば、個別にアプローチしやすくなります。例えば、メールのリンクをクリックしている少し興味を持ってくれている相手に対しては、関連分野のセミナー詳細などで興味を深めてもらいましょう。一方で、数回サイトに来訪しているような既に高い興味を示している見込み客であれば、商品パンフの添付やテレアポなどのより深いアプローチが効果的です。こうした受注に繋げるためにも、見込み客に定期的に情報を発信して商談に繋げやすい状況まで育成してください。
関連記事はこちらメールリードナーチャリングの効果的な6つの手法と成功事例
3. btobにおけるメール活用のメリット
ナーチャリングを行うにしても、見込み客に対し1件ずつ訪問する、電話でアプローチするといった方法では時間はいくらあっても足りません。だからといってナーチャリングをおろそかにしていると、見込み客が他社に流れる可能性があります。継続的にアプローチしていくのであれば、まとめて情報を発信できるメールの活用が合理的です。メールは、低コストで多くの顧客に向け情報を発信できます。また、開封率、クリック数といった効果検証も容易にできることもメリットとなります。こうしたメリットを活かし、興味を持った顧客に向け適切なタイミングで情報を発信し商談に繋げていきましょう。
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関連記事はこちらBtoCとBtoBはマーケティングが違う?メルマガ配信が効果的な理由
btobメールマーケティング3つの考え方
次はメールマーケティングを行う際に役立つ考えを紹介します。
1. 業界の特性・商慣習を考える
多くの企業は決算期が近づくにつれ、商品やサービスの情報収集を普段より活発に行う傾向があります。これは、年度予算を消化しようとするためです。そのタイミングで、短期間に納品できる商品の案内や次回の導入検討予定を確認するアンケートをメールに盛り込むといった方法が考えられます。
2.自社商品・サービスの特性を理解する
毎年商談できる時期がある程度決まっているのなら、次回の商談まで定期的に顧客とコミュニケーションをとる必要があります。導入事例の紹介や、セミナーの案内といった情報を商談期間外に提供することで、関心を深め受注期待度を高めることができます。
3.担当者との接点を保つ
btobビジネスでは、取引がない間に担当者が変わっているケースもあります。定期的に情報を提供しているのであれば、繋がらないアドレスから担当者の退職や変更の可能性に気づくことが可能です。また、後任の担当者がいる場合は、連絡をとり商談の機会へと繋げられます。
メールマーケティングを行う際のポイント
btobでメールマーケティングを行う際は、次の4つのポイントを意識したメール配信が重要になります。
配信のタイミングを意識する
メールマーケティングでは、「顧客が今どのような情報を求めているのか」を見極めた上で情報を発信することが大切です。顧客の検討段階に合わせて適切なタイミングで情報を提供することにより、自社への興味関心を高めることが可能になります。
メールを配信する際は顧客が必要としている情報を精査した上で、配信のタイミングを意識することを心がけましょう。
関連記事はこちら開封率の高い曜日や時間がわかるヒートマップ
継続的にコミュニケーションをはかる
メールマーケティングはすぐに成果が出ることがそれほど多くなく、継続的にコミュニケーションをはかることで高い効果を発揮する手法です。「新商品発売の案内」「セミナー開催の案内」など不定期な配信ではなく、定期的にメールを配信して顧客との接点を持ち続けることで、長期的な信頼関係を構築します。
「お役立ち情報を発信する定期的なメール」と「キャンペーン情報を発信する不定期なメール」を併用するのも効果的です。
複数部門で連携する
マーケティング部門と営業部門など、複数部門で連携することによって顧客により効果的なアプローチが可能になります。どのようなメールを配信するのかを各部門で共有した上で、顧客が現在どの検討段階にあるのかを把握しておきましょう。
全社的に一丸となって顧客に有効なコミュニケーションをとり続けることが大切です。
必要に応じてツールの利用も検討する
メールマーケティングは多くの顧客とコミュニケーションをとるケースが多いことから、必要に応じてMAツールやメール配信システムなどのツールを利用することをおすすめします。
メール配信システムなら事前に設定したシナリオに沿って自動的にメールを配信するなどメールマーケティング業務を自動化できるため、効率的に顧客へのアプローチを行えます。
メール掲載コンテンツの一例
例1.お役立ち系コンテンツ
商品・サービスの情報を発信するには問題解決にいたる事例やトレンドの紹介、FAQといった次の5つのコンテンツが使えます。
- 導入事例の紹介
- 業界の最新の動向紹介
- 商品、サービスに関するFAQ
- カタログ、資料の紹介
- ブログ、コラムの紹介
これらのコンテンツは、導入することでどのように役立つかを伝えられます。導入のメリットはもちろん、実際に利用した時のイメージがしやすい情報を発信しましょう。
例2.コミュニケーション系コンテンツ
こちらは開封率の向上を目的とした、働く社員の様子がわかるコンテンツです。ブログなどに近い感覚で親しみを感じさせることで、担当者との接点を保ちます。
- 社員インタビュー
- 展示会、セミナーレポート
社員インタビューでは、専門的な情報を解説するようにお役立ち系コンテンツと組み合わせるのも効果的です。対話風のコンテンツにすることで、FAQや問い合わせに答えていくこともできるでしょう。また、展示会やセミナーの様子、内容を一部紹介することで顧客の興味を引くこともできます。顧客が気になっている内容をセミナー等で紹介しているのであれば、次回の開催に参加してもらい、そこから商談に繋がることも考えられます。
メール配信における注意点
1.誤送信、設定ミス
btobに利用するメールの誤送信は、顧客の信頼を落とします。定期的なリストの精査、確認を行い細心の注意を払ってください。OutlookやGmailなどを使いbccで分けていると、顧客数の増加に比例して誤配信のリスクも高まります。メール配信ツールの利用も検討し、安全性を向上してください。
2.件名の設定
どんなに有益な情報を書き連ねたメールであっても、開封されなければ伝わりません。「具体的なメリット」、「顧客の業務との関連性」、「今すぐ読ませる工夫」といったポイントを意識して件名を書きましょう。
例えば「業務効率改善に繋がるツールをご紹介!」という件名では内容が漠然としています。「作業時間を1時間短縮!今すぐ使える便利ツールとは?」のように数字を示すことでメリットに具体性を持たせられます。キャンペーンの情報であれば、期間限定のように後から読むとメリットを得られないことを件名に入れるのも良いでしょう。
3.配信時間
より多くの人に見てもらうためには、担当者がメールを読む可能性の高い時間帯に配信することが望ましいといえます。もちろん、企業によって忙しい時間帯は違うため「この時間なら確実」といった時間はわかりません。メール配信ツールなどで開封率を確認し、最適な時間を見極めてください。件名と合わせ、PDCAサイクルを回して少しずつ改善していきましょう。
関連記事はこちら顧客ごとの前回開封時間に合わせてメールを自動配信!
低コストで顧客を育てるメールマーケティング
ここでは、btobにおけるメールの有用性やコンテンツの一例などを紹介しました。セミナーや電話対応よりも低コストで効果検証をしやすいメールは、計画・実行・評価・改善といったPDCAがやりやすいメリットがあります。そして、見込み顧客との接点を保つことで、他企業への流出をおさえる期待もできるでしょう。始めから効率的に使うことは難しいですが、だからといってやらない理由はありません。少しずつ改善して効率を高め、受注に繋げていきましょう。
関連記事はこちらメール配信サービスとマーケティングオートメーションの違いを解説
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